広小路歯科 院長の雑記帳  (豊橋の歯科医院)

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この3年は何だったのか 【臨床歯科医の見たコロナ禍 その6】

2023-05-20 09:50:52 | 臨床歯科医の見たコロナ禍シリーズ
お金にまつわる事を書くと”いやらしい”感じがしますが、周知の事実ですし、非常時に政府はどんな動きをしたかという記録にもなると思いますので文字に残すことにします。
もちろん私の個人的な見解や想像も含まれますので、それを含んでお読み下さい。

【慰労金は1度きり】
2020年の7月終盤、「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金(医療分)交付事業」が公表された。
2020年の7月の終わりと言えば、2020年4月ごろから市内の感染が確認され、第4波が一段落し、市内の感染者累計が2500例を超えた頃である。

2020年4月頃、海外ニュースではニューヨークで死体の処理が追い付かずに冷凍コンテナに死体袋が押し込まれていると伝えていた。
数か月後に日本にも、ニューヨークの阿鼻叫喚がやって来るんじゃないかとの風潮であった。
日本もやがて医療崩壊が訪れるのではないかと言われていた。

公表された内容を見ると、歯科医院の様な診療所勤務者は各自に5万円。
有資格者以外の受付業務などに従事していても、感染者と接するリスクがあるので対象である。
(新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金(医療分)交付事業 愛知県HP)
ここまでは良いのだが・・・
問題なのは、対象期間である。

対象期間は1月26日から6月30日。
その内、時間は関係なく10日出勤した者である。

これは実際に私の医院であったケースなのだが、2月末で辞めたスタッフは慰労金支給対象になり、2021年になって採用したスタッフは対象外なのだ。

前者のスタッフは、市内でまだ1例目も確認されていない言わば無風状態なのに5万円の支給。
後者のスタッフは、その後2年間、第5波~第8波を乗り越えるために自制して外食もせずに旅行にも行かずも支給なし。
(豊橋市内における新型コロナウイルス感染症の状況 令和 3 年 7 月 26 日 豊橋市保健所 PDF)

今考えると、これは政府が「コロナ感染症から医療従事者が離職しないように」との考えかと疑ってしまう。
本当に慰労の意味合いなら、うちの医院で言うところの後者のスタッフだって支給対象にしなければ通理が通らない。
無風状態の5か月間で5万円支給なのに、荒波を超えた支給対象期間外の人たちには0円なのだ。

敵前逃亡を防ぐ意味合いなのか、本当に慰労の意味を込めての支給なのか。
慰労の意味なら5類に降格されるまでの約40か月、40万円頂けるはずだ。
35万円程、未払いである。

「医療従事者が敵前逃亡しないようにとりあえず5万円配れ」と政府が考えたなら医療従事者達に大変失礼な話だ。
「コロナ禍で大変なところ、ありがとう」と政府が考えたなら、その後に勤め始めた医療従事者に大変失礼な話だ。

こんな事を言う医療従事者は私の周囲にも居ないし、私自身はどうでも良いが、道理が通っておらず未だ腑に落ちないのである。
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