これはバキューム・ミキサーという機械
ラバーボウルで混和した石膏や鋳型材を黒い円盤状のバイブレーターに載せて脱泡したり、真空ポンプで陰圧をかけながら混和させて細かい気泡を抜く装置である。
特に鋳型材に気泡が混入すると精密鋳造には精度上の問題が出るためこの装置が必要になる。
今は技工の大半が外注なので、鋳型材を混和してワックス原型を埋没し鋳造することも無くなった。
しかしながら、患者さんから採得した歯型に脱泡した石膏を注ぎ込む作業は私がしなければならない。
新しい医院の技工コーナーには大きすぎるので必要な機能だけにして小さくしてみる。
本体カバーを外す。
本体下部に大きなバキュームモーターが有り、ギアを介して上部の回転軸に繋がっている。
右側上方に振動を発生するバイブレーターの発振子が確認できる。
今回、必要なのはこの発振子の部分である。
発振子の摘出を行った。
構造は比較的単純であり、機械の小型化は問題なく行えそうである。
技工物を保管する為のアルミの箱が丁度良い大きさなので流用することにした。
側面にスイッチを取り付け、発振子から延びる軸が出る穴を開けた。
手ごろな大きさの化粧版に本体を載せ、木ネジで固定し、ゴム足を底部に取り付けた。
約四分の一の容積にスケールダウンしたこのバイブレーターの大きさは、新しい医院の技工コーナーの流しに丁度良いサイズとなった。