広小路歯科 院長の雑記帳  (豊橋の歯科医院)

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この3年は何だったのか 【臨床歯科医の見たコロナ禍 その5】

2023-05-15 08:47:35 | 臨床歯科医の見たコロナ禍シリーズ
2020年4月、緊急事態宣言が発出され不要な外出も自粛となった国内。
医療現場では不織布マスク、消毒用アルコール、医療用グローブ、医療用ガウン、体温計、パルスオキシメータ、フェイスシールドなど、あらゆる感染防御資材や機器の供給が滞っていた。

そんな絶望的な状況の中、一人の歯科医師が動いた ←(NHKプロフェッショナル仕事の流儀 ナレーション風)

【自作フェイスシールド】
今回のコロナ感染症の主な感染ルートは飛沫感染である。
極めて簡単に言うと、罹患者の唾液が飛んできて他の人の粘膜に到達すると感染する。
予防するためには、そこを遮断すると良い。
だからこそマスクが有効であるし、眼球からの感染も防ぐならゴーグルやフェイスシールドが有効である。

いくら旧来から歯科医療現場では標準予防策(スタンダードプリコーション)が執られているとは言えエアロゾルは避けられない。
そして、あの元気だった志村けん(親しみ込めてのあえての呼び捨て)が亡くなったばかりである。
未知の新型感染症、寝たきりの高齢者や基礎疾患のある人だけが命にかかわる訳ではないという緊迫感マックスの世間の風潮である。

不織布マスクだけではなくフェイスシールドの必要性を医療現場・介護現場では強く感じていた。

ところが、すでに普通には手に入らないのである。

歯科医師会理事のLINEグループで防災担当の先生が透明な下敷きと、荷物をまとめるマジックテープ付きのバンドでフェイスシールドを造る動画を紹介してくれた。
用をなすが少し使いづらそうである。

そこで私は100円ショップに出向き、可動式のサンバイザーと透明下敷きを買って、新しい方式のフェイスシールドの試作をした。
日曜日に制作の様子をそのLINEグループに紹介したところ、会長から「すばらしいアイディアなので私が製作マニュアルを作る。そして各方面に拡散したい」との返事を頂いた。

そして、作成法マニュアルが作られた。
(大賀式簡易型フェイスシールド作成法 PDF)

また、この作成法の情報は拡散されていった。(今でもネット上で確認できるもの)
(医療コンサルティング MMPさん HP)
(奈良市在宅医療・介護連携支援センター ニュースレター オールなら! PDF)
その他、近隣の歯科医師会へも情報提供された。

この時期において、フェイスシールドを供給できたことは、多くの医療従事者・介護従事者に安心を与えることができたとと自負している。
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