私の大好きな昔のドラマ「刑事コロンボ」の主人公の名セリフ。
犯人と目星をつけたハリウッドのスターにコロンボ警部が「うちのカミさんがね、あなたのファンでね・・・」などと言って急速に間合いを詰めていく。
この場合「カミさん」はコロンボ警部の「奥様」つまり「妻」という認識で100%間違いない。
ところが50代の男性患者さんが「そう言えば、うちの嫁さんも歯が痛いって言ってたわ」と言ったっ場合注意が必要である。
「嫁」と言うと「自分の息子の妻」なのだが、中には本気で「自分の妻(配偶者)」を指すと思い込んでいる男性が一定数以上いる。
案の定、その後予約を入れたのは50代男性患者さんの「妻」であった。
あと、もう一つ気を付けたいのが「お母さん」「母ちゃん」である。
たとえば、これまた50代男性患者さんが「うちの母ちゃんが入院ちゃって・・・」なんて言うのだが、よくよく聞くと「母親」ではなく「妻」のこと。
子供の居る家庭だと父親が子供に合わせて妻のことを「ママ」とか「お母さん」と言いがちだが、いい歳をした社会人が外部の人に「妻」の事を「ママ」とか「お母さん」とか「母ちゃん」と言うのは齟齬が生じるので止めた方がよいと思う。
「うちの奥さんがね・・・」「うちの細君がね・・・」「うちの奥方がね・・・」「うちの女房がね・・・」「うちの家内がね・・・」「うちのワイフがね・・・」「うちのかかぁがね・・・」「うちのパートナーがね・・・」「うちの妻がね・・・」
やはりコロンボ警部には「うちのカミさんがね・・・」がピッタリだ。