WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

Somewhere before

2007年03月11日 | 今日の一枚(K-L)

●今日の一枚 136●

Keith Jarrett     Somewhere before

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 若き日のキース・ジャレット、1968年の録音作品『サムフォエア・ビフォー』。私がもっているのは、ずっと以前に買った輸入盤で、ジャケットがオリジナル盤とは全然違うものだ。この作品については、私の持っているCD以外にじっくり聴いたことがないので比較できないのだが、音質について不満をもったことはない。左チャンネルにキースのピアノ、右チャンネルにポール・モチアンのドラムスとセパレートしているところが、意外と新鮮で気に入っている。ぱらぱらとした会場の拍手の音もほほえましい。何より、若き日のキースの溌剌とした天才ぶりが記録されていることが興味深い。繊細でセンシティブな側面、ポップな側面、ちょっとアバンギャルドな側面、そして流れるような自由で美しいメロディラインなど、これ以降に展開されていくキースの諸側面がすでにはっきりと現れているのだ。

 ザ・バーズやボブ・ディランの曲として有名な① My Back Page を聴くと、いつも心が躍り一緒に歌い出してしまう。カラオケ状態である。もちろん最高のカラオケだが……。

 チャーリー・ヘイデンのベースが、あまりに重厚すぎてちょっと浮いている、と感じるのは私だけだろうか。