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春を愛する人は、心優しい人。

年の瀬

2010年12月25日 11時03分50秒 | 時事雑感
 言葉にもいろいろな意味がある。たとえこの「年の瀬」はそうだ。
 中国語では「年関」。「関」とは、そんなに簡単に超えて渡るものではない。どうやら厳しく感じる。年末まとめに追われる人々、掃除や新年の準備に忙しい家庭主婦の大軍。誰でも猫の手も借りたい「年関」であろう。
 ところが、日本語の「瀬」を辞書で調べてみたら、幾つかの意味がある。

 1 川などの流れが浅く歩いて渡れる所。浅瀬。「―を渡る」⇔淵(ふち)。
 2 川の流れの急な所。また、海水の流れ。潮流。「―を下る」「潮―」
 3 物事に出あうとき。機会。「身をすててこそ浮かぶ―もあれ」「逢(お)う―」
 4 置かれている立場。「立つ―がない」
 5 そのような点。ふし。
  「かへりて面だたしげなるを、うれしき―もまじりて、大臣(おとど)は御涙のいとまなし」〈源・葵〉
 6 場所。ところ。
  「聞かずともここを―にせむ時鳥(ほととぎす)山田の原の杉の群立ち」〈新古今・夏〉

 「年の瀬」って、意味5がぴったりするのであろう。つまり「年のふし、そのような点」。
 しかし、どうしても意味2、3、4、6もいいじゃないかと思われる。
 
 一年の光陰が川の流れのようで、ようやく「年の瀬」という流れの急なところにやってくる。この急なところが誰それにとって、物事に出会う時や機会にもなる。満員電車の人込みにうんざりする人々、立つ瀬もない、市井に生きる名もなき庶民の姿を思わせる。

 きみにとって、「年の瀬」はどの意味だろうか。

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