4月が始まり、学童教室では朝から多くの小学生の皆さんと元気に過ごしています
そのなかで気がついた事・気になった事 そして その分野に付いてどう取組んでいくか
を今考えています
夕方17時からはスタディタイムとし、学年を問わず小学生全員が学習をする時間になります
学童教室のブログではよく紹介しているのですが、ただプリントを解くだけの学習ではありません
また、単純計算はほとんど行わず文章から解法を考える事自体を目標とした学習が多いです
そんな毎日を過ごしていくと、お子さん達は学習が嫌な物ではないと認識し始めてくれているようで
「やらない」と拒んでいたお子さんも「あの問題やりたい」に変わって来ています
そんな中、昨日は推論に関わる学習をしました
お母さんと子どもの会話の絵本を半分ほど読み聞かせました
学校でとても心が温かくなる授業を受けた!と息を弾ませて帰って来た男の子の話です
さて、どんな授業がその男の子の心を暖かくしたのでしょう?
みんなの思う心が温かくなる授業を想像してみてね と投げかけました
解答はありませんよね
ただ、どんな出来事が心を温かくするのか という問いなので
自分に置き換えて考えてみる事がまずはできるか?という所を見る問題です
推論するという事は、話の要点を理解しそれに沿って考える力が必要です
プリント学習ではわかりにくい領域の力ですね
この質問に5年生・6年生はしっかり答える事が出来ました
家族の愛情や絆についての授業
命についての授業
とそれぞれが答えました
しかし、それ以下の学年の生徒さんたちは
自分が褒められたからといったたぐいを想像するのがやっとでした
1名、「お別れ会があったから」という答えを出した生徒さんがいました
お別れ会はそもそも授業ではありませんし、人と別れるのになぜ心が温かくなるのか?
と不思議に思いましたが、生徒さんは「その子と過ごした楽しい思い出が蘇り心が温かくなった」
という主張でした
確かに心が熱くなりますが、今回のそれとは意味が違うかな・・・
ただ、そこでは否定せず「あなたはそう思ったのね」と
考えるという事をやってみたという点を褒めました
推測する力や推論する力の基本には、問題を的確に捉える必要があります
その力が育っているかどうかは、机に向かう学習からは見えにくく対策もしにくい分野かもしれません
しかし、今問われているのはそうした力の育成と成果です
まずは会話から充実させる事で始める事が出来ると思います
低学年の頃から意識を高くもって、生活レベルから取り入れていきたいですね
春期講習は高校受験生を中心に行っています
昨日は4時間に渡る授業の後で、受験当日までの流れを説明しました
3年生になってから、英語・数学の新出単元がどれだけあるかを確認し
それを何時までに学習し終えるのか?
その為にどれだけのペースで学習する必要があるのか?
といった「今すべき事」を視覚化し自覚してもらう
そして、今の話を聞いて
一週間の学習計画を書き出してみて・・・と時間を取ったのですが
計画の立て方そのものがわからないと言う状態に、正直ビックリしました
中学3年生になるまで、学習計画を立てた事がないのでしょうか?
また、学校では計画性を持つと言う指導をしていないのでしょうか?
数年前の中学生達は学校から出される学習計画表を私や講師に見せて、どうすればいいかを質問する
という流れがありましたが、今の生徒さん達はそうしたことはないので
わかりませんが、目標がなんなのか?その為の学習計画にはどういった意味があるのか?など
全く考えていないのだという事がわかりました
生徒さん達は皆さん素直な良い子達です
しかし、「考える」という事や「先を見越す」といった脳の使い方や感覚がまだ育っていない事がわかります
大人から見て良い子ですが、そのままでは学力だけでなく生きる力は育っていきません
学習計画を立てる という一つの作業だけでも試行錯誤が必要です
なぜなら、やってみなくてはわからない からです
他の人がそれで成功した計画でも自分に合っているとは限りません
どちらかと言うと、他の人が立てた計画が自分にマッチする事の方が珍しいでしょう
なので、計画を立てる→テストをする→結果から反省点を見つけ改善する
その繰り返しの中から、自分に合った計画というのもが見えてくるのです
今の時代、ネットで様々な学習法を見る事ができます
それらを試してみたり、自分なりに考案する事で結果も比例してくのです
大人から見て良い子が伸びないわけ をもう一つ
先ほども使った言葉の試行錯誤が苦手な事です
良い子は意外とこの試行錯誤が苦手な気がします
というのは、自発的な行動に出る事より
大人の指示に従い、大人の機嫌を損ねないようにする事が得意な子だからです
現代の小中学生はとても忙しく様々な習い事をしていると思いますが
それらに積極的に参加し楽しんでいるように見せる事で褒められるという経験を積む事で
大人の指示に従う事が正しく、楽であると認識する傾向にあると思います
その結果、自発的な思考力を育成する事無く指示任せになることで
一つの事に向かう力が削がれていきます
工作をする姿を見ているとよくわかるのですが、何かを作ろうとした時
すぐに諦めてしまう、すぐに飽きてしまう、指示があるまで何もしない・・といったお子さん達
自分で考えて作ってみたけれど、うまくいかないからと
どうしたら成功するかを考える事もせずに投げ出して楽な遊びに気をそらしてしまう場面をよく見かけます
または、めんどくささが先に出て、これで良し!とまだ完成してもいないのに自己完結してしまう
大人の指示には従えるけれど、自発的な行動が苦手な子は
伸びしろが低い理由が見えてきますね
そして、大人から見て良い子はそうした部分が隠れやすいのです
どこを見て子どもの自発性が育っているかがわかるのか?
という所ですが
例えば、学童教室でよくやっていることですが
自分で作った駒や竹とんぼなどで、お友達と飛距離などの競争をするとなったとき
実際にやってみて、回る速さや飛距離を確認したら
どうしたらもっと良くなるか?と考えて
改良するというという流れがあっても良いと思いますし、それが工作の面白い所ですが
「負けた、つまらないからもうやらない」となってしまう(そうは口に出さない事が多い)
「ここをこうしてみたら?」と提案しても、それに興味を持たず「自分のはこれでいいの」となってしまう
これが勉強だけは別物として、勉強だけには取組める・・と考えるのは安易ですよね
大人から見て良い子の方が問題点が隠れてしまうので
考える力や生きる力、自発性が育っていない場合があります
お子さんの自発性に目を向けた取組みが必要ですね