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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

畝傍山周辺の御陵① ~神武天皇畝傍山東北陵~

2017-11-27 19:34:47 | 史跡を歩く
 奈良県立橿原考古学研究所付属博物館で「黒塚古墳のすべて」という特別展を見た後、せっかくの機会なので、畝傍山を取り囲むように存在する神武天皇、綏靖天皇、安寧天皇、懿徳天皇の御陵を見て回ることにした。畝傍山を中心に時計の反対回りをすると、天皇の即位順にみて回ることができる。

 まずは、神武天皇陵からである。神武天皇陵については、いろいろな歴史書でも触れられているが、幕末の頃、文久の修陵の際に多額の費用をかけて整備されたものである。

 この時、すでに所在が分からなくなっていた神武天皇の陵墓について、三つの候補地があったことはよく知られている。一つは、畝傍山中にある「丸山」、一つには、山本村にある「神武田」、そしてもう一つ四条村にある「塚山」の三つである。最終的には、「神武田」が神武天皇陵とされ、現在に至っている。

 

 ちなみに四条村の塚山については、この後訪れる予定の綏靖天皇陵として、明治に入ってから指定を受けている。

 

 なお、「丸山」については、現在どうなっているのか、神武天皇陵を訪れた後も、気になっていたのだが、最近になって、どうやら畝傍山の中に残っていることが判明した。写真の左手に階段のようなものが写っているところがある。どうやら、ここが丸山への登山口らしい。この通路は行った時もちょっと気にはなっていたのだが・・・。残念。

 神武天皇陵の拝所への参道は、かなり長く、訪れる人もあまりいない、ひっそりとした玉砂利の敷かれた道を歩いていくことになる。周囲を森が覆っていて、歩いているうちに自然と森厳な気持ちになっていくような感じになる。

 

 拝所は、かなり大きく三重になっている。三重の鳥居の奥は、深い森になっていて、墳丘があるのかどうかもわからない。ちなみに神武天皇陵に宮内庁が治定している「神武田」の二つの塚については、寺院の基壇の跡ではないかと言われている。しかし残念なことに陵域には立ち入ることはできないので、真相は藪の中といったところである。さらに明治に入ってから、さらに修復を受けて、一つの塚になっているとも言われている。

 

 明治時代の修復についてもかなり大規模なもので、陵域は東西500m、南北400mの大きさに広げられて現在に至っている。近代天皇制国家としての意志を感じる気がする。

 

 神武天皇陵については、古代史の舞台と考えるよりは、日本の近代化遺産的な見方がピタリと嵌まるような気がしている。日本の天皇制というものは、古代から続いているものもあるかもしれないが、近代までの間にかなりいろんな形で変容と変質を繰り返し、近代に入ってからは、かなりいろんなものを盛り付けて近代天皇制というものを作り上げた。その一つの遺産が天皇陵であるみたいな感じであろうか?そういったものを思わせてしまうものがある。
 なお、神武天皇については、初代天皇としての古事記や日本書紀に事績が書かれている。(神武天皇というのは、奈良時代になってつけられたもので、日本書紀では、神日本磐余彦尊である。)遠く日向の国から、「神武東征」と呼ばれる軍旅して、大和を平定し、奈良の橿原宮にて初代天皇として即位したと伝えられる。神武天皇については、歴史上の人物というよりは、ヤマト国家に伝わる神話の登場人物としてとらえる方が正解のような気がする。
 邪馬台国九州説をとると、「神武東征」とつながっていて九州で興った邪馬台国がヤマトへ攻め上って平定しヤマト王権を打ち立てたのであり、それが史実のように思える。しかしながら、現在は大和説が主流のようであり、考古学的にみると、どうやら、ヤマト王権自身は奈良の巻向で始まったようであり、その王権は、連合政権的な性格を持っていたと言えそうではある。

 

 そして、神武天皇が橿原宮で即位したという伝承に基づいて、官幣大社として、1890年に、神武天皇と皇后の媛蹈鞴五十鈴媛命を祭神として創建されたのが橿原神宮である。

 神武天皇陵のもとになった塚については、寺院の基壇跡ではないかといわれていたが、最近では、天皇陵の周辺で須恵器や円筒埴輪が発掘調査の際見つかっており、古墳ではないかとも言われている。外池昇「検証 天皇陵」では、ミサンザイ古墳と掲載されている。

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