Memorandums

知覚・認知心理学の研究と教育をめぐる凡庸な日々の覚書

大学における個人情報の保護と開示

2005-03-27 | Education
 以前に、個人情報の保護等についてふれたが、文部科学省がその指針を公開している。データの開示などずいぶんと用意周到なことだが、このような方向がよいことなのかどうか、と思わせるものだ。もっとも、求められてもまともに試験結果をフィードバックしない教員もいるようであるから、いたしかたないのか。

Reference
文部科学省 「学校における生徒等に関する個人情報の適正な取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針」について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/16/11/04111602.htm
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渡辺 保  批評という鏡

2005-03-27 | Books
 浅学にして歌舞伎には疎い。しかし、この評論はとその見方を変えるか、とも思わせる。 メデイアの保護を離れて自由な評論の場をネット上にもとめた彼の評論は、下記のウェッブサイトで読むことができる。

References
 栗田 亘 渡辺保(著)批評という鏡 劇評の域を超えて人間の生き方に迫る 読書 朝日新聞 2005/3/27
 渡辺 保 批評という鏡 マガジンハウス
 渡辺 保 渡辺保の歌舞伎劇評 http://homepage1.nifty.com/tamotu/

 
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Schubert: Klaviersonate B-Dur D.960

2005-03-27 | Music
 彼の晩年のソナタが今でも愛される理由は、現代の身の回りおこる支配や権威、威圧や干渉、小賢しさや姑息などから隔絶した、親密さと孤独をあわせ持った音楽がわれわれの精神を静かに支えてくれるからであろう。第2楽章Andante sostenutoの孤独と優しさを内包した世界は、ひとときいまあることの意味を深く問いかける。それはいかなる雄弁な教訓よりも精神に浸透するものだ。
 Wien の人たちに彼が愛される続ける理由も、その音楽世界が人々の日常のこころのあり方に現在でも重なるからであろう。彼の最晩年の部屋には一輪の花が密やかに捧げられている。


Reference
Alfred Brendel , Schubert: Klaviersonate B-Dur D.960; Wanderer-Fantasie D.760
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大学認証評価  2校「保留」  asahi.com

2005-03-24 | Education
 学校教育法によって、平成16年4月から国公私の全ての大学に対して定期的(7年以内)に評価機関(認証評価機関)による評価(認証評価)が求められることになった。
 今回、評価機関のひとつである大学基準協会が審査した34大学のうち、奥羽大学と那須大学の2校が「保留」とされた。両校についての具体的な評価内容をみると、大学運営が迷走しているのではないかとの思いを持たざるをえない。
 一方、大学基準協会の評価項目をみると、ある程度具体的でしかも広範囲にわたる項目が用意されているとの印象を受けた。ただいずれも必要最小限の内容とも思われる。

References
初の大学認証評価、2校を「保留」 奥羽大と那須大 2005年03月22日 asahi.com
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200503220288.html

財団法人大学基準協会
http://www.juaa.or.jp/index.html
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デスクトップ検索ツール  Desktop Search 1.0 by Google

2005-03-22 | Computer & Network
 ローカルPC内のファイルをキーワードで検索可能にするデスクトップ検索ツールが、Googleから正式にリリースされている。確かに、増える一方のファイルの検索は悩ましい問題だ。素人ユーザーの私でも、外付けHD(150GB)に過去のファイルを使用した機種ごとに集めているが、検索にはむしろ素朴な日付データがまずは有効であるという非効率的な状態だ。今回の検索ツールはCPUのアイドリング時にインデックス化と呼ばれる索引付けを行うようだが、このようないわば再符号化がどのような情報について行われるかが、この種ソフトの価値を決めるだろう。
 一方、MacOSXでは2005年前半に登場予定の次世代MacOS X Tigerにおいて、Spotlightというソフトでこの種の機能が搭載される予定。

Reference
Junya Suzuki 2005/3/8 米Googleがデスクトップ検索ツール「Desktop Search」の正式版をリリース mycom pcweb
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2005/03/08/101.html
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総務省  安心して無線LANを利用するために

2005-03-14 | Computer & Network
 初心者向けの無線LANにおけるセキュリティの解説。

Reference
総務省 IT政策  安心して無線LANを利用するために   
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/lan/
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上山信一 地域改革プロデューサー Be on Saturday Asahi.com

2005-03-13 | Social issues
 政府、行政に依存しない地域改革の実践的活動に、今後の具体的な改革の可能性をみることができる。ニートや教育問題も然り。地域・地方に足場をもち、それらを取り込む工夫を知恵として身につけているようにみうけられる。

Reference
上山信一 フロントランナー Be on Saturday Asahi.com
http://www.be.asahi.com/20050312/W11/0020.html
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Akira Miyoshi - NOESIS for orchestra

2005-03-13 | Music
 統合されない分裂と衝撃。三善晃の音楽スタイルは「錯乱と狂気」(片山杜秀)とも呼ばれる。その硬質な響きと色彩感は独特である。1978年5月10日、尾高忠明の指揮により初演。
 同じCDには、同年5月13日に尾高の指揮で初演された松村禎三のピアノ協奏曲第2番が含まれる。ピアノは野島稔。反復し堆積する音楽は、瞑想的でもある。この初演時にノエシスも再演された。

Reference
Otaka, T. & Yomiuri Nippon Symphony Orchestra 1996 Akira Miyoshi - Noesis. CD: Nippon Crown CRCB-211
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新島襄  片鱗集より

2005-03-10 | Education
 彼の学生に向けたメッセージ。

・・・ 且つ少々角あるも可、気骨あるも可、
ただかの優柔不断にして安逸を貪り、
苟くも姑息の計を為すが如き軟骨漢には決してならぬこと、
これ予の切に望み、ひとえに希うところである。

新島襄  片鱗集より

 古風であたりまえだが、しばしば同じ思いを抱く。その相手はさまざまだが。
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園田高弘 --- 第18回園田高弘賞ピアノ・コンクールを終えて! ---

2005-03-08 | Music
 コンクールにおける審査の視点、取り組む若者や指導者への示唆など、すぐれた論評がなされており、現代における演奏芸術について考える好機を与えてくれる。
 第3次予選で1951年以降現代までの作品を1曲取り上げることをもとめたことは彼の見識であろう。プロフェッショナルとして仕事に取り組む姿勢は、「せいぜいラヴェルやバルトーク・ストラヴィンスキーの作品で、お茶を濁す」ような安易さとは相容れない。
 何を自分のレパートリーとして選び、どのように勉強をすすめるかという問題は、演奏芸術の世界に限らない。

Reference
園田高弘 2002/12 --- 第18回園田高弘賞ピアノ・コンクールを終えて! ---
http://www.music.co.jp/~evica/con/con18.html
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高橋源一郎 ブンガクに異変あり!? クローズアップ現代 NHK

2005-03-07 | Books
 高橋は、近年の若い作家たちのことば・表現に新たな文学の可能性を見いだそうとする。彼らのテーマを「生きにくさとサヴァイバル」と規定し、身近な表現手法に特徴をもつとしているが、それらはよくも悪くも学ぶべきモデルを欠いた一種の危うさを私に感じさせる。

Reference
高橋源一郎 ブンガクに異変あり!?  クローズアップ現代 NO.2047 NHK 2005/03/07 7:30PM
http://www.nhk.or.jp/gendai/
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猪口邦子 「教育は<想像する力>の乏しさを克服する手段」  『総合教育技術』

2005-03-07 | Education
 「人間は経験した以上のことを考える力が乏しい」という視点からの教育への提言。軍縮会議を議長としてリードしたこの人が、高校時代の教師との出会いをはじめ、平易で常識的ともいえることばの先に確固とした定見を示す。
 その中核は、身近な具象の世界から抽象化、概念化された理解への訓練であり、それらの概念間の関係(因果関係など)を捉える作業をともにすることである。このような過程を曖昧にすれば、教育は表面的な技術の習得や参加による「共感」のみで一面的に理解されることになろう。

 私見では、次の3段階がプロセスとして明確にされるべきと考える。
1) 具体的現象の提示
2) 概念の提起
3) 概念の検証と他の概念との関係の吟味

 具体的に提示される現象は、提起される概念をふまえて選択されることになる。現象の提示は特に教育の初期段階では十分に時間をかけるべきであり、また工夫の余地も大きいと思われる。概念の提起は、説明の試みであり仮説の明示である。言語的(あるいは数理的)に現象の本質が把握・明示され、その論理が明瞭であることが鍵となる。第3段階では、その概念による説明が検証され意義が示される。また、根拠を欠く議論や論理の飛躍が吟味される。

Reference
猪口 邦子 2005 「教育は<想像する力>の乏しさを克服する手段」  『総合教育技術』2月号  小学館
http://pweb.sophia.ac.jp/~k-inoguc/
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後藤玉夫   情報社会の特性と問題の所在

2005-03-06 | Education
 シャノン(C. Shannon)流の情報量の定義とは別に、マクノドウによる人間の行動あるいは社会的文脈における情報の位置づけが紹介されている。心理統計法や認知心理学の講義の中には組み入れづらい内容だが、どこかでふれる必要があるかも知れない。
 最近の議論は「情報倫理の構築(FINE)」プロジェクトなどを参照。

Reference
後藤玉夫 1995 情報社会の特性と問題の所在 (社団法人私立大学情報教育協会 情報倫理概論)
http://www.shijokyo.or.jp/LINK/report/rinri/chap1.htm

「情報倫理の構築(FINE)」プロジェクト
http://www.fine.bun.kyoto-u.ac.jp/
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Bach, J.S.  Suite fur Violoncello solo Nr.2 d-moll

2005-03-06 | Music
 第1番BWV1007や第3番BWV1009と比較して、第2番BWV1008はニ短調という調性のためにより悲劇的、エモーショナルな性格が強いように思われる。無聊を慰めるというにはあまりに大きな音楽であり、諦観に至るにはまだ英知がそれを阻んでいる。
 Curanteなどはスラーの指示について筆写者の指示が一貫せず、テンポや強弱も解釈にゆだねられるという。Maiskyの80年代中期の録音ではテンポの変化が大きく、「語る」Bachではない。Sarabandeでは瞑想的な世界を表現しようとしているかのようだ。Menuetにおいてもその足取りは重い。個性的な表現だが、いつのまにかその美しい音楽の世界に身を任せてもよいと感じさせる。

Reference
Mischa Maisky 1984-1985 Sechs Suiten fur Violoncello Solo BWV 1007-1012 CD:Deutsche Grammophon 415 416-2
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個人情報保護法施行 あと1ヶ月   朝日新聞

2005-03-03 | Social issues
 4月1日から施行される個人情報保護法への対応が遅れている。大学ではどうか。損害賠償、刑罰の対象になるはずだが、具体的な話を全く聞いていないように思うのは私だけか。
 職員、教員への指導・教育はもちろんだが、学生に対するこの点の教育も重要である。従来、心理学教育では個人情報の管理と被験者・参加者への告知は重視されてきたが、より明確な指針と組織としての具体的な対応が必要となるだろう。
 報道された東京海上日動リスクコンサルティング(TRC)のセミナーを参考に、関連すると思われる今後の対策項目を挙げれば以下のようになろう。
1) 推進体制を立ち上げる
2) 個人情報を受け取る際の利用目的を明示する
3) 個人情報の問合せ窓口を設置する
4) 全職員・教員・(学生)に最低一回の教育を行う

Reference
 個人情報保護法施行 あと1ヶ月 -- 漏洩対策「間に合わぬ」-- 企業の4割が悲鳴   朝日新聞 2005/03/03, 13版
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