Memorandums

知覚・認知心理学の研究と教育をめぐる凡庸な日々の覚書

高橋源一郎 ブンガクに異変あり!? クローズアップ現代 NHK

2005-03-07 | Books
 高橋は、近年の若い作家たちのことば・表現に新たな文学の可能性を見いだそうとする。彼らのテーマを「生きにくさとサヴァイバル」と規定し、身近な表現手法に特徴をもつとしているが、それらはよくも悪くも学ぶべきモデルを欠いた一種の危うさを私に感じさせる。

Reference
高橋源一郎 ブンガクに異変あり!?  クローズアップ現代 NO.2047 NHK 2005/03/07 7:30PM
http://www.nhk.or.jp/gendai/
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猪口邦子 「教育は<想像する力>の乏しさを克服する手段」  『総合教育技術』

2005-03-07 | Education
 「人間は経験した以上のことを考える力が乏しい」という視点からの教育への提言。軍縮会議を議長としてリードしたこの人が、高校時代の教師との出会いをはじめ、平易で常識的ともいえることばの先に確固とした定見を示す。
 その中核は、身近な具象の世界から抽象化、概念化された理解への訓練であり、それらの概念間の関係(因果関係など)を捉える作業をともにすることである。このような過程を曖昧にすれば、教育は表面的な技術の習得や参加による「共感」のみで一面的に理解されることになろう。

 私見では、次の3段階がプロセスとして明確にされるべきと考える。
1) 具体的現象の提示
2) 概念の提起
3) 概念の検証と他の概念との関係の吟味

 具体的に提示される現象は、提起される概念をふまえて選択されることになる。現象の提示は特に教育の初期段階では十分に時間をかけるべきであり、また工夫の余地も大きいと思われる。概念の提起は、説明の試みであり仮説の明示である。言語的(あるいは数理的)に現象の本質が把握・明示され、その論理が明瞭であることが鍵となる。第3段階では、その概念による説明が検証され意義が示される。また、根拠を欠く議論や論理の飛躍が吟味される。

Reference
猪口 邦子 2005 「教育は<想像する力>の乏しさを克服する手段」  『総合教育技術』2月号  小学館
http://pweb.sophia.ac.jp/~k-inoguc/
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