Memorandums

知覚・認知心理学の研究と教育をめぐる凡庸な日々の覚書

Kristjansson,A.,& Nakayama,K. 2003

2005-01-31 | Research
Kristjansson, Arni; Nakayama, Ken. A primitive memory system for the deployment of transient attention. Perception & Psychophysics. Vol 65(5) Jul 2003, 711-724.

http://visionlab.harvard.edu/Members/Ken/nakayamapub.htm

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Beethoven Streichqartett Nr.14 cis-moll Op.131

2005-01-30 | Music
 ふたたび晩年の四重奏から。作曲は15番 Op.132よりも遅く、7楽章からなる全体はもはやそれまでの古典的形式観を超えたところにある作品であることを示す。孤独の森をさまよい歩くような音楽である。そこあるのは絶望でなく、むしろ透明な悲しみと慰めというべきか。

 全楽章は切れめなく演奏されるが第4楽章が長大であり中心をなす。Suskeの歩みはあくまでも先を急がない。音楽はしばしば自在に表情を変えるが、激することはない。
 
Reference
Suske Quartett Berlin 1980 Beethoven Streichqartett Nr.14 cis-moll Op.131, CD:Deutsche Schallplatten TKCC-70015.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Bartok Violin Concerto No.2 Sz.112

2005-01-29 | Music
To my dead friend Zoltan Szekeley

 友人の死に捧げられたBartokの名品。
 妖しく空間を浮遊する旋律に、時間がとまってしまったかのような錯覚をおぼえる。これはやはり天才の業である。Bartok恐るべし。Bergのそれとならんで、20世紀バイオリン協奏曲の精華であろう。

 Gerhart Hetzelは若くしてWiener Philharmonikerのコンサートマスターとなり、KarajanやBoehmとの共演では彼の表現、音楽性がおおきな役割をはたしている。彼のBartokの2番には、Maazelとのライブ盤もある。1992年7月、Salzburg郊外で登山中に転落で死亡。まだ52歳であった。

Reference
Gerhart Hetzel, Adam Fischer, & Hungarian State Symphony Orchestra 1991 Bartok Violin Concertos No.1 & 2. Recorded at the Haydnsaal, Eisenstadt, Austria. CD: Brilliant 6488/3 licenced from Nimbus.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Beethoven Streichqartett Nr.13 B-dur Op.130

2005-01-28 | Music
 6楽章からなるBeethoven 最晩年の傑作のひとつ。後に最終楽章は書き換えられて独立した大フーガ Grosse Fuge Op.133 が生まれた。その結果、全体の印象はより親しみやすくなったようだ。第5楽章Cavatinaは沈潜した精神性がすばらしい。
 Suske QのアプローチはAlban Berg Q のような華やかさや" うまさ"とは異なり、ゆっくりと丁寧に音楽をつくりあげていく。ひっそりと語り合うような第3楽章も、初めて楽しむことができた。Lukaskirche, Dresdenでの録音も味わい深く優しい響きである。

 HeiligenstadtにはBeethovenゆかりのホイリゲHeurigeがあり、初秋の夕方など新酒を手元におけばささやかな楽しみを取り戻すことができる。近くにはBeethovengangもあり彼の心象風景を想像させる。Wien市街地からは地下鉄U4が便利である。終点から駅前の広い通りにそって北へ5分、左折してさらに5分ほど坂道をのぼる。

Reference
Suske Quartett Berlin 1979 Beethoven Streichqartett Nr.13 B-dur Op.130, CD:Deutsche SchallPlatten TKCC-70016.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Haydn Symphony Nos.88

2005-01-27 | Music
 Haydnの音楽には大人のゆとりが感じられることがしばしば指摘される。日常の猥雑な事象や頑迷な精神とのやりとりから離れて、清涼な空気と明快な古典的精神を楽しむにはまさに最適。もっとも彼ほど自由闊達な精神で創意工夫を好む人ならば、周囲との葛藤もなかったはずはないのだが、音楽は少しもそれを感じさせない。
 ながらくSzellやDoratiで聴いてきたが、Fischer,A. の90年頃の録音で聴くHaydnはなにやらさらに楽しげである。Szellの厳しさやDoratiにおける恰幅のよい”大きな”音楽とは少し異なるが、現代楽器によるHaydnを素直に楽しめる。録音はHaydnゆかりのHaydnsaal, Esterhazy Palace, Eisenstadt, Austriaである。
 Wienにも縁のあるHaydnだが、Esterhazykellerは彼も常連の居酒屋だったそうで、気さくな雰囲気の店である。まわりが意外に落ち着いた雰囲気でおすすめの飲み屋だ。夕食を食べ損ねたときにも便利。ただし11時には閉まる。これはHaydn当時からのしきたりらしい。

Reference
Adam Fischer cond. Austo-Hungarian Haydn Orchestra 1990 Haydn Sym. 88 in F Major, CD: Nimbus NI5417/8
Esterhazykeller Haarhof 1,A-1010,Wien http://www.gnavi.co.jp/world/europe/vienna/w309006/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本視覚学会 2005年冬季大会

2005-01-27 | Research
日本視覚学会 The Vision Society of Japan
 2005年冬季大会
(2005/1/26 Wed. -28 Fri. 於 早稲田大学大久保キャンパス)

http://wwwsoc.nii.ac.jp/vsj2/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Psychology: An introduction

2005-01-25 | Psychology
 心理学をめぐる話を書くにあたって、あらかじめ前提を整理しておくことにしたい。Webで公開している以上、第三者に理解しづらいことを書き連ねることも気が引けるからだ。
 さて、心理学という学問にはさまざまな期待と誤解がつきまとってきた。そこには学問としての心理学を発展・深化させてきた議論もあれば、すれ違いの論争や的外れの中傷も少なくないように思う。
 そもそも、こころについて何事かを語ろうとすれば、われわれは何らかの枠組みを用いないわけにはいかない。それは個人の体験のこともあるが、少なくとも共通理解が可能な言語や概念の体系を無視しては成り立たないであろう。
 学問としての心理学は、しばしば言われようにscienceとしてsystematicにこころを説明しようとしている。ここであえて「科学」や「体系的」という日本語を避けたのは、これらの日本語が時に限定的・固定的にとらえられてきように感じるからである。このことは今後このサイトで具体的に論じられるだろう。
 それでは、scienceとしての心理学はこころをどのようにとらえ、論じようとしているのだろうか。そこには他の科学と同様に、「客観的」事実を根拠とした合理的な説明が必要である。ここでは、「客観的」ということの現代的な意味は、主観によって相互に捉えうる現象的事実として理解されるべきである。このことも、必要に応じて今後の具体的に論じられるだろう。
 合理的な説明の枠組みとして、心理学はこれまでいくつかの体系systemを模索してきた。刺激と反応の関係についての行動の法則と、その説明としての広い意味での神経生理学的モデルは大きな役割を果たしている。しかしこのモデルは必ずしもこころを閉じた脳の機構に還元するものではない。外界(状況)と個体の行動の関係は、状況の記述・分析と不可分であり、むしろ心理学はそのような行動を生起させる状況の記述から出発しているとも言える。
 今日、この種の神経生理学的モデルは認知心理学Cognitive Psychologyの分野で情報処理過程として理解されることが多いが、一方で状況の記述に重きをおく人々の主張もしばしば議論の俎上にのぼる。次回以降、これらの学問的事情を具体的にみていきながら、神経生理学的実体とは異なるレベルでの「説明」について考えることにする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

HSP for MacOSX

2005-01-23 | Computer & Network
 HSPのMacOSX版で、WindowsXP上で作成したprogramを試した。一部のバグは改行のエラーによるものか。見つけるのに往生したが、なんとか問題なく動くようだ。
 心理実験ではstickコマンドで使うマウスキーなどのコード番号や、フォント、画像パラメータあたりに注意が必要だろうが、ほかはこれから調べてみることにする。
 なおWindowsXP版では、DLLの利用で画面制御の時間精度が向上する(TimeExp.hpi ;北村、坂本2004,p.102)が、MacではCRTの垂直走査周期とソフトによる制御を同期させる方法があるのだろうか?MacProbeでは最初に走査周期を変数のように指定したが、そのようなコマンドはないものか。
 OSX用のPsyScopeProjectXも今のところ特に問題にはぶつからないが、もうしばらく遊んでみることにする。

Reference
北村 坂本 2004 パーソナル・コンピュータによる心理学実験入門 ナカニシヤ出版
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

定期試験をめぐって その1

2005-01-22 | Education for 学部1,2年
 今週で本務校の担当科目の定期試験が終了した。その結果についてはあらためて記すとして、1年次後期科目(心理統計)のことについてのみまずふれておきたい。
 最近2~3年間の顕著な傾向として、試験を欠席する学生が増加しつつある。今回は20数名(受講生の2割ほど)の学生が試験を欠席しており、これには個別の事情や退学のケースも含まれてはいるが、それにしても問題とすべきことと思われる。さらに、定期試験を受験して単位を取得できない学生がこれに加わるわけである。
 前期試験では欠席者が1割、単位を取得できなかった学生が2割ほどであった。前期の成績評価の結果と学生による授業評価の結果については、近々更新予定のHPで公開することになると思うが、講義であつかう量と進め方に具体的な工夫が必要ではあろう。
 単位を取得できない学生が増える一方で、前期試験では半数以上の学生がA(80点以上)となった。これは学生による講義の理解程度が2極分化していることのあらわれともいえるが、これについてはあらためて述べることにする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする