Memorandums

知覚・認知心理学の研究と教育をめぐる凡庸な日々の覚書

Rによる分散分析:2要因被験者内計画

2007-03-23 | R
 2要因被験者内計画では、各要因、交互作用の誤差項はそれぞれの要因と被験者要因との交互作用を指定すればよい。このあたりの事情に無頓着な学生が多いのは、SPSSなどのパッケージに頼りすぎるためか。
 2要因のデータの変動は、ひとつの要因の主効果による変動と他の要因との交互作用による変動に分割できること、つまりある要因のみからの影響をうける成分とそれ以外の成分に分割できる、という簡単な論理がこの分野の基本的な考え方として重要。たとえば、要因Bをこみにして要因Aの主効果を検定する場合には、要因A×被験者要因の行列におけるデータ変動を、要因Aによる変動と要因Aと被験者要因の交互作用による変動に分割し、後者を誤差項とする。これを意識しながら分散分析をつかうべきだ。

 以下,例題は森・吉田(1990) pp.116-118 RBFpqデザインを使用した。Rについては http://personality-project.org/r/#anova 参照。

References
森・吉田(1990) 心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房
R: Statistical Software for Psychology Research
http://personality-project.org/r/#anova

> data.ex4=read.csv("ANOVA2_2data.csv",header=T)
> data.ex4
A.B.SUB.SCORE
1 a1,b1,S1,3
2 a1,b2,S1,4
3 a1,b3,S1,6
4 a1,b4,S1,5
5 a2,b1,S1,3
6 a2,b2,S1,2
7 a2,b3,S1,3
8 a2,b4,S1,2
9 a1,b1,S2,3
10 a1,b2,S2,3
11 a1,b3,S2,6
12 a1,b4,S2,7
13 a2,b1,S2,5
14 a2,b2,S2,6
15 a2,b3,S2,2
16 a2,b4,S2,3
17 a1,b1,S3,1
18 a1,b2,S3,4
19 a1,b3,S3,6
20 a1,b4,S3,8
21 a2,b1,S3,2
22 a2,b2,S3,3
23 a2,b3,S3,3
24 a2,b4,S3,3
25 a1,b1,S4,3
26 a1,b2,S4,5
27 a1,b3,S4,4
28 a1,b4,S4,7
29 a2,b1,S4,4
30 a2,b2,S4,6
31 a2,b3,S4,6
32 a2,b4,S4,4
33 a1,b1,S5,5
34 a1,b2,S5,7
35 a1,b3,S5,8
36 a1,b4,S5,9
37 a2,b1,S5,6
38 a2,b2,S5,4
39 a2,b3,S5,5
40 a2,b4,S5,6
> aov.ex4=aov(SCORE~(A*B)+Error(SUB/(A*B)),data.ex4 )
>
> summary(aov.ex4)

Error: SUB
Df Sum Sq Mean Sq F value Pr(>F)
Residuals 4 38.150 9.538

Error: SUB:A
Df Sum Sq Mean Sq F value Pr(>F)
A 1 16.9000 16.9000 8.0958 0.04662 *
Residuals 4 8.3500 2.0875
---
Signif. codes: 0 '***' 0.001 '**' 0.01 '*' 0.05 '.' 0.1 ' ' 1

Error: SUB:B
Df Sum Sq Mean Sq F value Pr(>F)
B 3 19.7000 6.5667 6.0383 0.00952 **
Residuals 12 13.0500 1.0875
---
Signif. codes: 0 '***' 0.001 '**' 0.01 '*' 0.05 '.' 0.1 ' ' 1

Error: SUB:A:B
Df Sum Sq Mean Sq F value Pr(>F)
A:B 3 30.5000 10.1667 7.0725 0.005413 **
Residuals 12 17.2500 1.4375
---
Signif. codes: 0 '***' 0.001 '**' 0.01 '*' 0.05 '.' 0.1 ' ' 1
>
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7 コメント

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Unknown (R初心者)
2008-03-30 20:48:34
↑の分析についてひとつ教えて頂きたいのですが、これで有意が出た要因について、具体的な差を多重比較で検定したいときは(例えば要因b内のb1~b4)、Rで出来ますでしょうか?
返信する
多重比較 bonferroni (Hide)
2008-04-03 18:28:43
bonferroni の方法を適用してみました。

> pairwise.t.test(data.ex4$SCORE,data.ex4$B,p.adj="bonferroni")

Pairwise comparisons using t tests with pooled SD

data: data.ex4$SCORE and data.ex4$B

b1 b2 b3
b2 1.00 - -
b3 0.60 1.00 -
b4 0.17 1.00 1.00

P value adjustment method: bonferroni

返信する
交互作用の多重比較 (肉じゃがコロッケ)
2010-02-07 16:04:46
すみませんが,Unknownさんに便乗させて下さい.

要因Aと要因Bの間の交互作用について多重比較を行うにはどうすればよろしいでしょうか?
返信する
交互作用の多重比較? (Hide)
2010-02-10 07:47:08
「要因Aと要因Bの間の交互作用について多重比較」ということが何をさすのか不明なのですが、具体的にどのような比較かお願いします。
返信する
交互作用の多重比較 2 (肉じゃがコロッケ)
2010-02-10 13:46:47
恐れ入ります.

水準A1において,B1とB2,B1とB3,B1とB4,B2とB3,…の間に有意差があるか?
水準A2において,B1とB2,B1とB3,B1とB4,B2とB3,…の間に有意差があるか?

水準B1において,A1とA2の間に有意差があるか?
水準B2において,A1とA2の間に有意差があるか?


ということです.よろしくお願いいたします.
返信する
ご参考になりますか? (Unknown)
2010-02-11 11:04:10
以下を組み合わせていただければと思います。
ある水準のデータを取り出して、多重比較をします。

Rによる心理統計再入門10:分散分析 単純主効果の検定
http://blog.goo.ne.jp/hideunuma/e/2c9812afec6a442608fdde22a9e60a14
各水準の取り出し方です(A1のBなど)
多重比較
http://blog.goo.ne.jp/hideunuma/e/790328a14562ff7f2a02d8dab3562fba
被験者内の多重比較の参考です(上で使ったものです)
返信する
どうもありがとうございます (肉じゃがコロッケ)
2010-02-11 14:35:43
ぱっと見ただけではよく分らないので,今度,時間があるときに,じっくり読んでやってみます.取り急ぎ,お礼までにて失礼します.
返信する

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