次回は、t分布以外の確率分布を利用した検定の話(カイ二乗検定)と、平均値以外の検定にt分布を使う例をとりあげる。以前は平均値の検定(平均値の差の検定、分散分析)をまとめて取り上げていた。昨年から、それらの前に平均値以外の検定を取り上げているが、これは確率分布についての理解を深めてもらうことを意図している。このあたりの理解がないと、どうしてもクッキングブックのような話になってしまうように思う。
Anderson, B.L., Singh, M., & Fleming, R. (2002) The interpolation of object and surface structure. Cognitive Psychology, 44, 148-190.
p.161 彼らはdepthの処理を補間と不可分なものと考える。これに対して、"identity hypothesis"は心理学的"unit"仮定し、その表現レベルが異なる。
脚注もおもしろい。
http://www.psych.usyd.edu.au/staff/barta/
Volume 46, Issue 19, October 2006, Pages 3142-3159
Visual interpolation is not scale invariant
Walter Gerbino and Carlo Fantoni
ScienceDirect
卒業論文にもとめらるものは、オリジナリティ、研究としての(一定の)完成度、表現の質、の3点だろう。まず研究であるからには、他の研究のマネでは論文とはならない。自分の問題意識を「学問的に」深める必要がある。
次に、実験計画や処理の点で一定の完成度が求められる。卒業論文であるからむやみに高度な水準は期待できないが、以下の点はポイントだろう。先行研究をふまえているか、目的や仮説は明確で根拠が示されているか(「こう思いました」では根拠が不十分)、方法と結果の処理が適切か(実験計画とデータ処理は関連している)、つまり適切にデータを収集・整理しているか、結果を総合的に考察しているか、などである。
最後に論文としての表現の質が問題となる。文章表現、論理的明快さ、図表の適切さ、その他の論文としての要件(基礎実験のレポートを思い出してもらいたい)に丁寧に配慮されていることが必要である。この点は、どれだけこの作業に時間をかけるか、と関連する。予想以上に労力を必要とすることは考慮しておいた方がよい。
これらが満たされれば、卒業論文として許容される範囲は十分に広いはずだ。あとは学問的価値の問題だが、これはテーマをどのような問題として位置づけ整理するか、という出発点の問題であるから、教員と十分に相談すべきことだろう。いずれにせよ、そのテーマと今回の発見にどのような学問的価値があるかを他人にわかりやすく説明することが、論文に求められる。
http://forrest.psych.unc.edu/
ALSCAL
Software for Multidimensional Scaling
by Forrest W. Young
http://forrest.psych.unc.edu/research/alscal.html
Windows版のほかに、Mac版もダウンロード(free)できる。サンプルデータ付き。
最尤MDS(MAXSCAL)については、以下参照。特に、Takane(1981)など。
cf.
Takane, Y. (1978a). A maximum likelihood method for nonmetric multidimensional scaling: 1. The case
in which all empirical pairwise orderings are independent- Theory. Japanese Psychological Research,
20, 7-17.
Takane, Y. (1978b). A maximum likelihood method for nonmetric multidimensional scaling: 1. The
case in which all empirical pairwise orderings are independent- Evaluation. Japanese Psychological
Research, 20, 105-114.
高根芳雄 (1980). 多次元尺度法 東京大学出版会
Takane, Y. (1981). Multidimensional successive categories scaling: A maximum likelihood method.
Psychometrika, 46, 9-28.
Takane, Y., & Carroll, D. J. (1981). Nonmetric maximum likelihood multidimensional scaling from
directional rankings of similarities. Psychometrika, 46, 389-405.
cf. Prof. Y. Takane
Perceptual learning depends on perceptual constancy
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2008 105:2248-2253
http://www.pnas.org/content/105/6/2248.full
http://www.pnas.org/
Barbara Anne Dosher, and Zhong-Lin Lu
PNAS November 10, 1998 vol. 95 no. 23 13988-13993
http://www.pnas.org/content/95/23/13988.full
Volume 49, Issue 21, Pages 2531-2634 (29 October 2009)
Perceptual Learning
Edited by Zhong-Lin Lu, Cong Yu, Dov Sagi, Takeo Watanabe and Dennis Levi
http://www.sciencedirect.com/science/journal/00426989
RjpWiki
Rと多次元尺度法
http://www1.doshisha.ac.jp/~mjin/R/27.pdf
Psychometrics in R
http://www.cuddyvalley.org/psychoR/alscal/alscal.R
http://www.cuddyvalley.org/psychoR/alscal/paper/alscal.pdf
広島大学/佐藤健一氏(計量生物)
Rのスクリプト資料
探索的データ解析(主成分分析, 多次元尺度法, クラスタリング, 分類木, 回帰木)
http://home.hiroshima-u.ac.jp/ksatoh/documents/Rexp.txt
同志社大学/金明哲氏
Rと多次元尺度法
http://www1.doshisha.ac.jp/~mjin/R/27.pdf
具体的なideaをひとつ。何でも書いておくノートをつくるとよい。個人的にはA5サイズでしっかりした作りのものがよいと思う(A4の資料が2つ折できれいにおさまる)。to do list と行動の記録である。朝、PCを立ち上げる(携帯チェック?)前に、今日やることを具体的に書く。必ず、具体的な手順と所要時間の見込みを記入する。その事項が終わったら、実際の所要時間と残した問題を書いておく。次回はそこからやればよい。
たとえば、以下のようなものも参考になるかもしれない。
東大で学んだ卒論の書き方★論文の書き方
http://staff.aist.go.jp/toru-nakata/sotsuron.html
後半の、「研究ノートとその使い方」あたりは参考になるだろう。4年生にとっての卒業論文の意味は、このようなplanning と日常のmanagementを自分で学ぶことにもあるのではないだろうか。
OBTAINING PERMISSION TO USE ELSEVIER MATERIAL
using Rightslink®
http://www.elsevier.com/wps/find/authorsview.authors/permissionsguide
1. Locate your desired content on ScienceDirect (guest users can view abstracts for free simply by clicking on the article or chapter title)
2. Click on the “Request Permissions” link in the top right hand corner of the page
当該論文のAbstractページの右上から申し込みサイトに入る。