Memorandums

知覚・認知心理学の研究と教育をめぐる凡庸な日々の覚書

基礎実験演習 レポート チェックリスト

2006-04-27 | Education for 学部1,2年
 2年次の基礎実験演習のために、レポートの自己評価用のチェックリストを作成した。はじめて実験レポートを書く学生のためのものであるから、ごく基本的な事項を学生自身が確認するためのものである。例年、文章作法の基礎的なことがらについての指摘をくりかえすことになるので、あえて文章表現の常識と思われることも付け加えた。


基礎実験演習 レポート チェックリスト

 以下のチェックリストで自分のレポートを自己評価すること。

◎レポートの構成と各部分の記述
1 レポートの構成について
 基本的な構成(目的、方法、結果、考察)をみたしているか?
2 目的は、実験で何を検証するかを具体的に明らかにしているか。また仮説がたてられた場合、それが明示されているか。
3 方法は、第3者が追試できるほど必要充分な事項が記述されているか。視覚の実験では、材料の大きさなどが明示される必要はないか。必要な図は作られているか(刺激の記述など)。
4 結果は重要な事実、分析結果を適切な順序で必要かつ充分に述べているか。
5 考察は必要な内容(参考書参照)を満たしているか。

◎文章の表現
1 必要に応じて段落分けをしているか。各段落は1つの内容を明確に述べているか。段落の文頭は1文字下げているか。
2 主語と述語は明確か。
3 「・・・だ。」「・・である。」という表現は適切に用いられているか。
4 口語表現や不正確な表現(「すごく」「やっぱり」「思ったより」など)混じっていないか。
5 方法と結果は原則として過去形で書かれているか。
6 不必要な空白、改行はないか。


◎数値、統計処理の記述
1 有効数字は適切か。4桁を越える数値は必要か。
2 単位は明示されているか。
3 統計処理の結果の書き方は適切か(参考書参照)。
4 必要な数値は文章中に明示されているか。

◎図表について
1 表題は図表の内容を適切に表現しているか。
2 表題の位置は適切か(図の下部、表の上部)。 
3 図と表それぞれ別に通し番号がついているか。
4 掲載した図表は、文章中で説明されているか。
5 グラフに横軸、縦軸がある場合、それが何を表すか、数値ならその単位、が記述されているか。

◎文献の引用
1 本文中に適切なかたちで文献の引用がされているか(参考書参照)。
2 「引用文献」としてレポートの最後に本文中で引用された文献がすべて掲載されているか。また引用文献に掲載された文献は、実際に本文中に引用されているか。
3 引用文献のリストは決められた形式で作られているか(参考書参照)。

◎その他
1 表紙は適切か。
2 左上をステープラー(ホチキス)一カ所とめたか。


参考書
フィンドレイ著『心理学実験・研究レポートの書き方』(北大路書房)
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Powerpoint による学会発表用ポスターの作成

2006-04-22 | Education for 院生以上
Powerpoint でポスターをつくる場合に便利な templateが下記のサイトで紹介されている。生物学だが、わかりやすいポスター作成の指針が簡潔に述べられている。大きさは36 x 56"で設定されているというが、変更可能。FontはHelvetica, Times New Roman を使用。
なお、VSS2006ではPosterboards の大きさは 4’ tall x 8’ wideとされている。
この場合,印刷はB0:1030mm×1456mm の横向き以上が少なくとも適当。また、印刷業者が対応可能な英語書体Fontに注意が必要。ちなみにKinko's ではType1(ポストスクリプト)書体を用意しており、TrueType書体を出力する場合はアウトライン化を求めている(関連用語は、IT用語辞典 e-Words など参照)。

References
Advice on designing scientific posters
Colin Purrington, Department of Biology, Swarthmore College, Pennsylvania
IT用語辞典 e-Words
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作業メモ

2006-04-22 | Research: V. Interp.
実験program、bootstrap 処理program 再確認。
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大学院講義要綱訂正

2006-04-07 | Education for 院生以上
 大学の講義要綱が公開されているが、手違いで私の大学院の講義に一作年度のものが掲載されていることが判明したので、以下に訂正を(一部)掲載する。なお、大学院生には掲示により別に知らせる予定である。
 *講義名のローマ数字はこのサイトでは表記できないのでアラビア数字を使用している。
-------------------
認知心理学特講2(1)/
2単位/半期/心理学/1・2年/選必/講義/
授業の概要 (目的)
視覚認知(Visual Cognition)をめぐる最近の研究について文献講読により理解する。また研究方法について実習をおこなうことによって、認知心理学および精神物理学における最近の実験的方法を知る。

授業計画
パターン認知、視覚的注意、について順次テキストの講読を中心にすすめる。随時、実験の実習を行う。

成績評価の方法
平常点(出席、発表等)により評価する。

テキスト
Palmer,S.E. 1999 Vision Science: Photons to Phenomenology. MIT Press.

履修上の注意、 その他
認知心理学特講2(2)とは独立に開講する。(1)のみを受講することも自由である。

-----
認知心理学特講2(2)/
2単位/半期/心理学/1・2年/選必/講義/
授業の概要 (目的)
視覚認知(Visual Cognition)をめぐる最近の研究を直接に文献にあたることにより理解する。また研究方法について実習をおこなうことによって、認知心理学および精神物理学における最近の実験的方法を知る。

授業計画
物体知覚(Object Perception) に関する学術論文の講読を中心にすすめる。実験についての実習を随時含める。

成績評価の方法
平常点(出席、発表等)により評価する。

テキスト
 以下の学術雑誌から文献を選択する。
Journal of Experimental Psychology
Vision Research
Journal of Vision
その他。


履修上の注意、 その他
認知心理学特講2(1)とは独立に開講する。(2)のみを受講することも自由である。

------
心理統計法特講(1)/
2単位/半年/心理学/1・2年/選必/講義/
授業の概要 (目的)
心理学の研究をすすめるにあたって必要とされる統計的手法の基礎を理解する。また実際にコンピュータを使用して分析を実行するための技術を修得する。

授業計画
1 オリエンテーション
1-1 講義の概要、履修上の注意
1-2 統計処理の基礎
2 推測統計の理論
2-1 推測統計の概要
2-2 確率分布と標本抽出
2-3 統計的仮説検定の論理
2-4 尺度水準と種々の検定
2-5 分散分析と多重比較
3 多変量解析
3-1 多変量データの処理
3-2 主成分分析
3-3 因子分析

成績評価の方法
授業への出席、参加(理解・発表)の程度、およびレポート提出(数回、回数は未定)による総合評価。50%の出席を最低の必要条件とし、これに満たない場合は単位を与えることはできない。。

テキスト
教材、使用するデータは随時配付する。

参考書
講義のなかで随時紹介する。

履修上の注意、 その他
以下の基礎統計の知識を受講の前提とする。代表値と散布度(分散、標準偏差など)、相関と回帰(積率相関係数など)、推測統計の基礎。設備の都合で受講者数を制限する(上限8名)ので,受講希望者は初回に必ず出席すること。今年度は希望者が多い場合は修了年次生を優先し,他は上記受講要件を満たすものの中から抽選とする。人数にもよるが,聴講のみは困難と考えてほしい。

-----
心理統計法特講(2)
2単位/半年/心理学/1・2年/選必/講義/
授業の概要 (目的)
心理学の研究をすすめるにあたって必要とされる統計的手法、特に多変量解析についての基礎を理解する。また実際にコンピュータを使用して分析をおこなうための最近の方法を修得する。

授業計画

1 重回帰分析
2 数量化1類、2類
3 判別分析
4 クラスター分析
5 多次元尺度構成法
6 数量化3類(双対尺度法)
7 共分散構造分析(AMOS)


成績評価の方法
授業への出席、参加(理解・発表)の程度、およびレポート提出(数回、回数は未定)による総合評価。50%の出席を最低の必要条件とし、これに満たない場合は単位を与えることはできない。

テキスト
教材、使用するデータは随時配付する。

参考書
講義のなかで随時紹介する。

履修上の注意、 その他
心理統計法特講(1) における内容の知識を受講の前提とするが、知識を有すると思うものは(2)のみ受講してさしつかえない。設備の都合で受講者数を制限する(上限8名)ので,受講希望者は特講(1)の初回に必ず出席すること。今年度は希望者が多い場合は修了年次生を優先し,他は上記受講要件を満たすものの中から抽選とする。人数にもよるが,聴講のみは困難と考えてほしい。なお、因子分析等は(1)で取り上げる。

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