Memorandums

知覚・認知心理学の研究と教育をめぐる凡庸な日々の覚書

ANOVAと正規性

2008-07-29 | Education for 院生以上
分散分析の前提とされる正規性をめぐり、F-test は正規分布からはずれても頑健であるという主張の根拠としては、以下の文献をあげることができる。

References
Ferguson, G. A., Takane, Y. (2005). Statistical Analysis in Psychology and Education, Sixth Edition. Montréal, Quebec: McGraw-Hill Ryerson Limited. pp.261-262.

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AIC( )とstepAIC( )

2008-07-28 | R
AIC()とstepAIC()のAIC値の比較
 cf.
Rによる多変量解析入門(下平英寿氏)
 講義資料8 「モデル選択」(2004/10/12版) pp.6-7.
http://www.is.titech.ac.jp/~shimo/class/dk2005/san08.pdf

そもそも、
AIC=-2×L(θ)+2×dim θ
 パラメタベクトル θ,その次元 dim θ
 対数尤度L(θ)
と定義される。
重回帰では、
θ = (β0 , β1 , . . . , βp , σ), dim θ = p + 1
L(θ) = -n /2 (1 + log(2π σ^2))
σ^2=Σe^2/n
であるから、
fit を線形回帰lmのobject とすると、AIC()によるAICは、
> n*(1+log(2*pi*sum(resid(fit)^2)/n)) + 2*(p+1) # AIC() の計算する AIC 値の定義
AIC = n ×(1 + log(2π σ^2 ) )+ 2 × (p + 1)
となる。

一方、stepAIC(あるいはstep() )ではextractAIC()を利用しており、これは
n log( σ^2 ) + 2p
つまり、
AIC - n × (1 + log 2π) - 2
を出力する。
> n*log(sum(resid(fit)^2)/n) + 2*p # stepAIC() の計算する AIC 値の定義




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最尤推定 および R

2008-07-28 | Education for 院生以上
以下で、さまざまな確率分布をとりあげて最尤推定が説明されている。具体例も多くわかりやすいだろう。
Rで自ら試しながら理解することができる。

生態学のデータ解析 - 統計学授業 2007 (久保拓弥氏)
 さまざまな確率分布と最尤推定
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/stat/2007/b/kubostat2007b.pdf
 一般化線形モデル (GLM) 1 -- ポアソン回帰
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/stat/2007/c/kubostat2007c.pdf

Neyman-Pearson流の parametric bootstrap 尤度比検定 については以下で例示されている。より簡単な(古典的な)χ2 分布を利用する尤度比検定もふれられている。
(Rでは、たとえば
> anova(model1, model2, test = "Chisq")
のように実行すればよい)
 検定とモデル選択
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/stat/2007/e/kubostat2007e.pdf
コメント (1)
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APA Style Essentials

2008-07-24 | Education for 院生以上
英文での論文執筆には、
The Publication Manual of the American Psychological Association (5th ed., 2001)
を参照する(翻訳版)が、これを簡略化して紹介したサイトは多い。
以下は具体的な原稿の例が多く見やすいもののひとつ。
APA Style Essentials(Vanguard University of Southern California)
Header など投稿原稿に必要な細かな事項の確認には便利。本文の表現は最近のJEPなどをいくつか直接に参照する方がよい。

日本語で他の社会科学分野のものも多い。
APAスタイルによる 英語ライティングのフォーマット方法(立命館大学政策科学部)
ここでは行間やフォントの指定などがやや異なるようだ。
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教授・学習 サポートツール

2008-07-24 | Education for 学部1,2年
 前期も終了して成績評価の時期である。あらためて教授法についても自己評価しておきたい。1・2年次生には、より具体的な材料と課題を通じて学習方法を習得する機会を提供する必要がある。情報収集・整理の方法、文章表現だけではなく、より一般的な学問とその環境に対する態度、考え方などが具体的に取り上げられることが望ましい。教授する側の課題はそれらをどのように「具体的に」取り上げるかという点だろう。個々のスキルの指導や、学生が共同で学習する機会を設けることも、学問に対する態度と考え方の修得という点から総合的に考慮されるべきと思われる。

cf.
名古屋大学 高等教育研究センター
教授・学習 サポートツール

http://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/support/
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Diabelli Variations

2008-07-21 | Music
ここのところ、予定している仕事に1日4、5時間をかけている。期限を守りながらこのペースを維持したい。ほかに試験採点やレポート評価などがあるので、このペースを超えるとoverwork になり続かない。作業を適度に切り替え、打ち切ることも大切。
Beethoven の後期ソナタは「重すぎる」と感じることもあり、しばらく遠ざかっていたが、今日はDiabelli Variationを。特に、
Variation 24: Fughetta (Andante)
Variation 31: Largo, molto espressivo
は印象深い。瞑想と叙情に独特の”軽さ”がくわわる。精神性や、まして「人間性」を議論することはかえって浅薄に思われる。知覚される音楽そのものを語るべきだろう。ある時点の音楽表現に、それまでの経験と知識が集積されることは当然なのだから。
Gilelsのソナタ選集にこの変奏曲がないのは残念だが、彼がやれば重厚さが勝っていたかもしれない。以下のAnderszewskiのものはゆったりとしたテンポと叙情性が特徴。"軽さ"も備えている。

Diabelli Variations, Beethoven op. 120, by Anderszewski(5/7)
http://jp.youtube.com/watch?v=mprOOt0sSQA
Diabelli Variations, Beethoven op. 120, by Anderszewski(6 /7)
http://jp.youtube.com/watch?v=km0BXgrQyzs

cf.
ディアベリ変奏曲-アンデルシェフスキー-ピョートル/Amazon

wikipediaもこのくらい丁寧ならば有用。
Diabelli_Variations(wikipedia) -->
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Rで作図:物理量を横軸にとる場合

2008-07-20 | R
実験データで要因の水準別に測定値をプロットする場合、Rではデフォルトで横軸に要因の水準(名義あるいは順序尺度)をとった箱ヒゲ図を作成する。これは独立変数をfactor()あるいはordered()で要因化することによる。しかし心理学では独立変数の値(間隔尺度)を直接横軸に、水準ごとの従属変数の平均値を縦軸にとることも多い(精神物理学的測定など)。この場合、たとえば独立変数S、従属変数Rのほかに水準のラベルLを列に追加して、
y<-tapply(R,L,mean)
x<-tapply(S,L,mean)
で機械的に両変数の水準別の平均値をもとめ、
plot(x,y)
とすれば図示できる。

なお、単に水準別の平均値を図示したければ、
plot(tapply(R,L,mean))
でよい。plot() のオプション指定やtapply()の使い方は、Rヘルプか、
R-tips
http://cse.naro.affrc.go.jp/takezawa/r-tips/r.html
などを参照(pdf版あり)。
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Rで項目反応理論

2008-07-19 | R
4件法データに項目応答理論を適用した例。
http://ir.iwate-u.ac.jp/dspace/bitstream/10140/1865/1/arfe-v67p81-94.pdf


計算はRを利用し、IRTには以下のパッケージltm を使用している。

ltm: Latent Trait Models under IRT
by Dimitris Rizopoulos
This package provides a flexible framework for Item Response Theory analyses for dichotomous and polytomous data under a Marginal Maximum Likelihood approach.
http://wiki.r-project.org/rwiki/doku.php?id=packages:cran:ltm
多数のサンプルデータと詳細な分析例あり。
他にMASS, msm, mvtnorm, polycor が必要。

cf.
Dimitris Rizopoulos (2006).ltm: An R Package for Latent Variable Modeling and Item Response Theory Analyses. Journal of Statistical Software, Volume 17, Issue 5.

http://www.jstatsoft.org/v17/a5/paper
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Rで共分散構造分析

2008-07-19 | R
パッケージ sem の使用法とAmosのようなグラフィカルモデリングの例が以下に。Windowsでは日本語処理に要工夫か。

Rで共分散構造分析・構造方程式モデル


図示には Graphvizを使用(フリー)。ファイルの拡張子は.dot
http://www.graphviz.org/
出力はたいへん美しいので、そのまま原稿に使うことが可能。
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Rで重回帰

2008-07-14 | R
summary()では出力されない標準化偏回帰係数を得る方法。

http://phi.med.gunma-u.ac.jp/swtips/R.html#MISC

なおAICは、
AIC( )
で簡単に取り出すことができる。また、変数選択ためにはstep()で各モデルの比較を行うことができる。

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顔、表情知覚における部分処理の神経生理学的根拠

2008-07-11 | Research: Face
顔の部分的特徴処理の神経生理学的根拠として、しばしば以下の文献が引用されている。
Perret, D.I., Mistlin, A.J., & Chitty, A.J. (1987). Visual neurones responsive to faces.
Trends in Neuroscience, 10, 358-364.

Perret, D.I., & Oram, M.W. (1993). Image Vis. Comput., 11, 317-333.

Perret, D.I., Rolls, E.T., & Caan, W. (1982). Visual neurones responsive to faces in the
monkey temporal cortex. Experimental Brain Research, 47, 329-342.

例)
Schwaninger, A., Lobmaier, J. S., & Collishaw, S. M. (2002). Role of Featural and Configural Information in Familiar and Unfamiliar Face Recognition. Lecture Notes in Computer Science, 2525, 643-650.


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R on Windows

2008-07-10 | R
R Console 内の日本語が文字化けするならば、編集->GUIプリファレンスを開いて Font を MS Gothic などに変更。
SPSSのようなGUIを使いたければ、パッケージ関数を利用できる。たとえば、
Rcmdr: R Commander
などがある。
利用法は、以下など参照。

なかなかRの世界に踏み込めないでいるあなたへ...
http://hashi8.hp.infoseek.co.jp/tips/Rintro.html

パッケージ -> CRAN ミラーサイトの設定
の後、
パッケージ ->パッケージのインストール
パッケージ->パッケージの読み込み 
でRcmdrを選ぶと、別窓で「Rコマンダー」が開く。

Rコマンダーを用いたRの学習には、以下などがある。
慶応大/古谷研究室

Rの本領はこのようなパッケージの豊富さにある。
CRANパッケージリスト/RWiki

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Rで因子分析

2008-07-05 | R
Rには最尤法による因子分析の関数factanal が実装されている。

factanal(x,factors,rotation,scores,...)

xはデータセット
factorsは因子の数
rotationはバリマックス(varimax)回転とプロマックス(promax)回転を指定できる
 デフォルトは直交回転 “varimax”
scoresは因子得点を求める方法で回帰方法(regression)とバートレット法 (Bartlett)から選択
 デフォルトは “none”で因子得点を出力しない

出力のうち、
カイ2乗検定統計量は元のデータの分散と指定した共通因子のモデルに基づいて求めたデータの分散との間の有意差に関する検定

factanalは因子数を指定する点が不便なので、これをもとめるプログラムとして以下のものがある。
青木研究室(群馬大)
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/factanal2.html

渡邊研究室(慶応大)
http://web.sfc.keio.ac.jp/~watanabe/adstat10.htm#1

分析を実行するためのデータ例として、職業適性能力検査データが以下で利用できる。
http://www1.doshisha.ac.jp/~mjin/data/

cf.
http://www1.doshisha.ac.jp/~mjin/R/0508_25.pdf
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