Memorandums

知覚・認知心理学の研究と教育をめぐる凡庸な日々の覚書

効果量について

2007-06-23 | Education for 院生以上
 以前にも載せた検定の際の効果量の記載について。
 前項と同じ下記サイトで、相関係数、t検定、分散分析などの効果量 d, fなどを解説・整理している。分散分析については、η2(eta squared: イータ二乗)、partial η2,ηp2(partial eta squared: 偏イータ二乗)、partial ω2,ωp2(partial omega squared: 偏オメガ二乗)から選択する。

cf.
http://home.hiroshima-u.ac.jp/nittono/QA.html#Stat

2007-03-24 分散分析 効果量:イータ2乗、偏イータ2乗
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球面性の仮定について:反復測度の分散分析

2007-06-23 | Education for 院生以上
 被験者内計画(反復測度)のデータに分散分析を適用する際の球面性の仮定について。
 分散分析では各水準の分散が等しいことが前提のひとつとなるが、さらに各水準間の相関(共分散)が等しければ、分散分析をおこなうための十分条件となる。ただし必要条件ではない。実際の心理学実験では水準間の相関(共分散)は異なると考えられるので、この条件を満たすことは現実的には難しい。
 これに対して、分散分析をおこなう必要十分条件は、各水準間の「差」の分散が等しいことであるといわれている(Huynh, H. & Feldt, L. S. 1970)。これを球面性の仮定と言う。この仮定が満たされない(検定で棄却された)ときは、自由度を調整して有意性の検定をおこなうか、MANOVAをおこなう。前者では係数εを算出するが、これにはGreenhouse-GeisserとHuynh-Feldtの方法が知られている。
 以下のサイトで、心理生理学的研究で実際にこれらを使用する際の例を参照できる。余談だが、Huynh-Feldtはフィン-フェルトと発音するほうが正しいようだ。根拠は Huynh氏がベトナム人であることによる。
cf.
http://home.hiroshima-u.ac.jp/nittono/QA.html#Stat

References
Huynh, H. & Feldt, L. S. 1970.Conditions under which mean square ratios in repeated measurements designs have exact F-distributions. Journal of the American Statistical Association, 65, 1582-1589.
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単純主効果の検定:2要因以上被験者内計画

2007-06-23 | Education for 院生以上
 単純主効果の検定に関しては、検定に用いる誤差項と自由度の調整について問題が指摘されているので、検定をおこなうデータをとりだして水準ごとに分散分析をおこなう方法が推奨されている。
cf.
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~hoshino/spss/simple02.html

 同様の問題は混合計画でも生じる。プールされた誤差項と調整された自由度を用いるならば、森・吉田(1990, p.110 および p.120)や以下を参照することができる。院生以上でも迷うところのようだ。

cf.
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~hoshino/spss/simple11x.html

References
Howell, 2002. Statistical Methods for Psychology (5th Edition). London: Duxbury.
宮本・山際・田中, 1991. 要因計画の分散分析において単純主効果検定に使用する誤差項の選択について, 心理学研究, 62 / 3 , 207-211
Winer, Brown, Michels, 1991. Statistical Principles in Experimental Design (3rd edition). McGraw-Hill, New York.
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reply to Anderson (2007). Psychol Rev. 2007

2007-06-22 | Research: V. Interp.
Kellman PJ, Garrigan P, Shipley TF, Keane BP. Interpolation processes in object perception: reply to Anderson (2007). Psychol Rev. 2007 Apr;114(2):488-508.

PMID: 17500638 [PubMed - indexed for MEDLINE]

Anderson の議論は根拠が不充分で感情的に思われる。UCLA のLAb ではFalsifiability 反証可能性が議論された。
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高校訪問

2007-06-20 | Education
 例年この時期は高校訪問の時期となる。今年度は茨城県内を中心に8校担当する。都合の調整によっては、往復4時間で面談20分ということもあるが、いたしかたない。このほかに、今回は北関東のH市での出張講義(2時間)を引き受けたので、移動時間を含めるとこれにさらに1日を要した。大学の講義を休講にせずに予定を組むと、講義と会議の日以外はほとんど出張となる。講義時間の前に訪問日程がはいることもあるが、取って返して講義に向かうとやはり時間的にはつらい。節句働きと言われるだろうか。
 月末までの原稿〆切1つ。ほかに懸案のもの2つ(実は3つ)。大学関係では試験問題(入試、定期試験)など3件を今月中に。


 
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context(face)-superiority effect

2007-06-18 | Research: Face
:
Detection performances obtained with one vertical and three horizontal target elements clustered together and displayed such that they formed a schematic face-like pattern were significantly better than those obtained with the same clustered target elements displayed in an arbitrary, symmetrical or asymmetrical, configuration. This was so even though the identification of the face and nonface stimuli was well below the detection threshold of their parts.
:
The existence of a context(face)-superiority effect at the detection level indicates top-down/bottom-up interactions between remote visual processing stages.

PMID: 2336335 [PubMed - indexed for MEDLINE]

References
Gorea A, Julesz B. 1990. Context superiority in a detection task with line-element stimuli: a low-level effect. Perception. 19(1):5-16.
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完全無作為化法と乱塊法の比較

2007-06-16 | Education for 学部1,2年
完全無作為化法と乱塊法の比較
 乱塊法の長所は、群内の変動から被験者による変動を分離することで、完全無作為化法の場合よりも誤差が小さくなり、実験要因による変動を検出する際の検定力が上がる点にある。
 ただしこれは被験者の主効果がある程度大きい場合であって、たとえばその分散が小さい場合には検定力は低下する。また処理水準間の相関、すなわち共分散が等質であることが望ましい。

 一般に、被験者をブロック化する場合、これを剰余変数として積極的に統制しているとみなすことができる。これを剰余変数の実験的統制とよび、これに対して無作為に実験要因の各水準に被験者を配置する場合を統計的統制とよぶことがある。後者は前者よりも「消極的な統制」と考えられる。
 なお、実験要因と被験者要因に交互作用が想定される場合は、乱塊法を適用することは適切ではない。たとえば教授法と被験者要因の間に交互作用が考えられる場合、すなわち学習者によって適切な教授法が異なることが想定されるならば、これを規定する要因を新たに取り入れて、(たとえば認知スタイル×教授法のような)2要因の実験計画をたてるべきである。
[23/06/2007一部改変]

 以下、乱塊法を適用した例(森、吉田 1990, p.92)。処理はRによる。末尾に多重比較の例も加えた。

A SUB SCORE
a1 s1 9
a1 s2 7
a1 s3 8
a1 s4 8
a1 s5 12
a1 s6 11
a1 s7 8
a1 s8 13
a2 s1 6
a2 s2 5
a2 s3 6
a2 s4 3
a2 s5 6
a2 s6 7
a2 s7 10
a2 s8 9
a3 s1 10
a3 s2 13
a3 s3 8
a3 s4 13
a3 s5 12
a3 s6 14
a3 s7 14
a3 s8 16
a4 s1 9
a4 s2 11
a4 s3 13
a4 s4 14
a4 s5 16
a4 s6 12
a4 s7 15
a4 s8 14

> data.ex1=read.csv("RB.csv",header=T)
> data.ex1
A SUB SCORE
1 a1 s1 9
2 a1 s2 7
3 a1 s3 8
4 a1 s4 8
5 a1 s5 12
6 a1 s6 11
7 a1 s7 8
8 a1 s8 13
9 a2 s1 6
10 a2 s2 5
11 a2 s3 6
12 a2 s4 3
13 a2 s5 6
14 a2 s6 7
15 a2 s7 10
16 a2 s8 9
17 a3 s1 10
18 a3 s2 13
19 a3 s3 8
20 a3 s4 13
21 a3 s5 12
22 a3 s6 14
23 a3 s7 14
24 a3 s8 16
25 a4 s1 9
26 a4 s2 11
27 a4 s3 13
28 a4 s4 14
29 a4 s5 16
30 a4 s6 12
31 a4 s7 15
32 a4 s8 14
> aov.ex1=aov(SCORE~A+Error(SUB),data.ex1)
> summary(aov.ex1)

Error: SUB
Df Sum Sq Mean Sq F value Pr(>F)
Residuals 7 77 11

Error: Within
Df Sum Sq Mean Sq F value Pr(>F)
A 3 217.500 72.500 21.444 1.347e-06 ***
Residuals 21 71.000 3.381
---
Signif. codes: 0 '***' 0.001 '**' 0.01 '*' 0.05 '.' 0.1 ' ' 1

cf. 完全無作為化法で処理した場合
> aov.ex1=aov(SCORE~A,data.ex1)
> summary(aov.ex1)
Df Sum Sq Mean Sq F value Pr(>F)
A 3 217.500 72.500 13.716 1.089e-05 ***
Residuals 28 148.000 5.286
---
Signif. codes: 0 '***' 0.001 '**' 0.01 '*' 0.05 '.' 0.1 ' ' 1
>

多重比較
> pairwise.t.test(data.ex1$SCORE,data.ex1$A,p.adj="bonferroni")

Pairwise comparisons using t tests with pooled SD

data: data.ex1$SCORE and data.ex1$A

a1 a2 a3
a2 0.086 - -
a3 0.086 9.1e-05 -
a4 0.030 2.8e-05 1.000

P value adjustment method: bonferroni
>

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