日記

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「新しい領解文」も「疑心往生説」も、その誤謬の共通した元凶となっているのは、「悪取空見」であると考えられる

2024年07月22日 | ブログ
先に述べたように「新しい領解文」も「疑心往生説」も、その誤謬の共通した元凶となっているのは、「悪取空見」であると考えられ、それは、「空と縁起」、「無分別と分別」についての浅薄な理解から発してしまっていると思われるのであります。

現代の日本仏教においても、「空>縁起」、「無分別>分別」と、空、無分別の方に比重が偏ったモノサシで仏典や論書、教義の意義を測ろうとしてしまうため、それが間違いを起こす原因となっているわけです。

両者は、対等な概念性相互補完の関係にあるのであり、この対等な概念性相互補完の関係を「空=縁起」、「無分別=分別」として説明されてあるのが、「○○即○○」と言ったものにもなるのですが、いかんせんどうにもこれも誤解を招きやすい表現であるのです。

この誤解を正すのに苦心なさられたのが、中観思想を大成なさられたツォンカパ大師なのであります。更に高度な中観レベルにて唯識・認識論も整理なさられたわけです。

これにより、菩提道次第、つまり、悟りへの階梯の詳細な道筋を理路整然と明らかになさられたのであります。