あるテレビ番組で、レタスを50度のお湯につけるとシャキシャキして、しかも褐変しないと放送されていました。ヒートショックが、褐変防止に有効との説明でした。
確かに、化学と生物(2007年、6号)には、ヒートショックの結果、褐変のもとになるポリフェノールの合成が抑えられるために、褐変しないのだと書かれています。ただし、示された図の横軸は3日後、6日後となっています。元の論文、Biosi. Biotechnol. Biochem., 68, 501-507 をみますと、褐変の程度の調査もやはり3日おきに観察し、確かにヒートショックを与えると、褐変していないという結果が示されています。
カットレタスなど、切ったレタスを長期保存しなければならない場合には確かに有効な方法かもしれません。ただ、多くの視聴者が期待しているのは、サラダを食卓に出すまで、あるいはお弁当にいれたときに褐変しない方法ではないでしょうか。ヒートショックの理屈でいくと、刻んですぐに起こる変色には対応できないはずです。(褐変に関係する物質の生合成は関係しないため。)
では、6日程度保存する場合に、50度の湯につけるのが最適かというと、J. Food Science 71, S188 (2006) によれば、確かに変色は防げますが、ビタミンCの低下、微生物の増殖、食感、色の低下なども生じることが報告されています。50度のお湯につける方法も万能ではないということでしょう。
家庭では、奇策に頼らず、できるだけ新鮮なものを食べるのがおいしく味わう方法だと考えます。
なお番組HPには「レタスの細胞が死ぬと、食べられなくなる」と書かれていますが、HPで紹介されている加熱料理ではすべて細胞は死んでいるはずです。まさか、食べたら食中毒を起こすようなものを紹介することはないと信じますが・・・。また、切り口から出る白い液がポリフェノールだと紹介されていますが、白く乳濁するようなポリフェノールって???じゃあ、何が白いのかと聞かれても困りますが。
確かに、化学と生物(2007年、6号)には、ヒートショックの結果、褐変のもとになるポリフェノールの合成が抑えられるために、褐変しないのだと書かれています。ただし、示された図の横軸は3日後、6日後となっています。元の論文、Biosi. Biotechnol. Biochem., 68, 501-507 をみますと、褐変の程度の調査もやはり3日おきに観察し、確かにヒートショックを与えると、褐変していないという結果が示されています。
カットレタスなど、切ったレタスを長期保存しなければならない場合には確かに有効な方法かもしれません。ただ、多くの視聴者が期待しているのは、サラダを食卓に出すまで、あるいはお弁当にいれたときに褐変しない方法ではないでしょうか。ヒートショックの理屈でいくと、刻んですぐに起こる変色には対応できないはずです。(褐変に関係する物質の生合成は関係しないため。)
では、6日程度保存する場合に、50度の湯につけるのが最適かというと、J. Food Science 71, S188 (2006) によれば、確かに変色は防げますが、ビタミンCの低下、微生物の増殖、食感、色の低下なども生じることが報告されています。50度のお湯につける方法も万能ではないということでしょう。
家庭では、奇策に頼らず、できるだけ新鮮なものを食べるのがおいしく味わう方法だと考えます。
なお番組HPには「レタスの細胞が死ぬと、食べられなくなる」と書かれていますが、HPで紹介されている加熱料理ではすべて細胞は死んでいるはずです。まさか、食べたら食中毒を起こすようなものを紹介することはないと信じますが・・・。また、切り口から出る白い液がポリフェノールだと紹介されていますが、白く乳濁するようなポリフェノールって???じゃあ、何が白いのかと聞かれても困りますが。