野菜に関する怪情報を探る

テレビや書籍、ホームページなどから、野菜に関する記載について疑問に感じたことを綴るつもりです。

モロヘイヤの花は安全か?

2009-02-27 07:00:09 | Weblog
 最近、花の咲いたモロヘイヤは食べても安全かという質問をいただきました。モロヘイヤの種子にはストロファンチジン及びジギトキシゲニンの配糖体が含まれ、食ったウシが死亡する事例もあるようです(日本獣医師学会雑誌、51,407-410、1998)。これらの配糖体は強心作用があるそうです。
 通常食用としてるモロヘイヤの葉には、これらの配糖体は危険なレベルでは含まれないはずです。では、蕾や花には?日本食品化学会誌(8,128-131,2001)によると、これらの配糖体は通常の収穫時の葉、茎、根には検出されない。蕾にも検出されないが、開花後、35日以降からは検出されるとのことです。従って、蕾や花については、強心配糖体の心配はなさそうですが、緑色の果実には、強心配糖体が含まれる危惧があるようです。
 結論として、花については強心配糖体を含まないという点では安全といえます。しかしながら、他の有害物質を全く含まないとはいいきれません。個人的には食は保守的であるべきだと考えています。今まで人類が食べた経験のないもの、あるいは従来と異なる調理法によるものについては、有害かもしれないということを念頭に、食の冒険者のスピリットをもって自己責任のもとチャレンジすべきかと考えます。(たとえば、フグは胆を抜いて調理しますが、そのまま丸焼きにすれば・・・などと考えれば、新しい調理法には当然リスクが伴います。)