17日早朝のテレビ番組を見ていたら、ホウレンソウに関して特集されてました。ご高齢にもかかわらず、おいしいホウレンソウを作るために毎日努力されている栽培農家の方には頭が下がる思いです。番組では、この農家の栽培法の特徴は密植栽培にあると伝えていました。この農家の作ったホウレンソウがおいしいことについて、
1.シュウ酸はえぐみ成分である。
2.シュウ酸は光があたると増える。
3.密植すると光が当たらないので、シュウ酸が減り、えぐくない。
と解説されていたようです。(分析値は示さず。)
今の時期、寒さにあてると糖含量が増えることは、科学的知見として知られていますが、シュウ酸と光の関係についてはどうでしょうか。確かに、2006年秋に園芸学会において上西らが「50%遮光することによって、シュウ酸濃度が若干減る」ことは報告しています。ただ、減少量はごくわずかであり(有意差なし)、これが官能で区別できる程度なのか疑問です。むしろ遮光すると、シュウ酸以外の有機酸も低下し、えぐみは強くなるように思います。
密植栽培で光が制限され、これがおいしさにつながるのであれば、むしろ苦味成分であるポリフェノール類の低下によるものと考えるのが自然ではないでしょうか。
権威を持ったテレビ局に放送されると、仮説も珍説も定説も、すべて真実のように伝わります。科学的にみえる説明はさっと聞き流し、ホウレンソウは今が旬という言葉だけを記憶に残せばよいのかもしれません。
1.シュウ酸はえぐみ成分である。
2.シュウ酸は光があたると増える。
3.密植すると光が当たらないので、シュウ酸が減り、えぐくない。
と解説されていたようです。(分析値は示さず。)
今の時期、寒さにあてると糖含量が増えることは、科学的知見として知られていますが、シュウ酸と光の関係についてはどうでしょうか。確かに、2006年秋に園芸学会において上西らが「50%遮光することによって、シュウ酸濃度が若干減る」ことは報告しています。ただ、減少量はごくわずかであり(有意差なし)、これが官能で区別できる程度なのか疑問です。むしろ遮光すると、シュウ酸以外の有機酸も低下し、えぐみは強くなるように思います。
密植栽培で光が制限され、これがおいしさにつながるのであれば、むしろ苦味成分であるポリフェノール類の低下によるものと考えるのが自然ではないでしょうか。
権威を持ったテレビ局に放送されると、仮説も珍説も定説も、すべて真実のように伝わります。科学的にみえる説明はさっと聞き流し、ホウレンソウは今が旬という言葉だけを記憶に残せばよいのかもしれません。