メチルメルカプタンに関する話題でトラックバックいただきました。調べてみると、「タマネギを切ると、メチルメルカプタンが発生し、涙が出る」という誤解もあるようです。
メチルメルカプタンというと代表的な悪臭物質です。タマネギの腐ったニオイなどとも表現されますが、タマネギの中にウンコや口臭にも関係する悪臭が詰まっていると誤解されるのは困ったものです。新鮮なタマネギの名誉のために投稿いたします。
タマネギ、ネギ、ニラ、ニンニクなど独特のイオウ臭がします。これらは、アルキルシステインスルホキシド、あるいはアルケニルシステインスルホキシドを匂いの元とし、切ったりおろしたりすると発生します。タマネギの場合は、アルケニルの部分が1-プロペニルとなった、1-プロペニルシステインスルホキシドが主成分です(ニンニクの場合は、2-プロペニルシステインスルホキシドであり野菜の種類によって異なる)。この1-プロペニルシステインスルホキシドに酵素が作用すると、プロパンチアール-S-オキシドを生成し、これが催涙物質とされます。催涙物質はメチルメルカプタンではありません。
また辛味についても、1-プロペニルシステインスルホキドから酵素反応で生成されるチオスルフィネート類とされます。(よく硫化アリルと言われますが、正しい表現ではありません。)
なぜ、タマネギを冷やして切ると涙が出にくいかですが、先に「酵素反応」と書きました。温度が低いと酵素が働きにくいため、催涙物質が生成しにくいのだと考えられます。
1-プロペニルシステインスルホキシドはタマネギのフレーバーに欠かせない重要な成分です。
メチルメルカプタンというと代表的な悪臭物質です。タマネギの腐ったニオイなどとも表現されますが、タマネギの中にウンコや口臭にも関係する悪臭が詰まっていると誤解されるのは困ったものです。新鮮なタマネギの名誉のために投稿いたします。
タマネギ、ネギ、ニラ、ニンニクなど独特のイオウ臭がします。これらは、アルキルシステインスルホキシド、あるいはアルケニルシステインスルホキシドを匂いの元とし、切ったりおろしたりすると発生します。タマネギの場合は、アルケニルの部分が1-プロペニルとなった、1-プロペニルシステインスルホキシドが主成分です(ニンニクの場合は、2-プロペニルシステインスルホキシドであり野菜の種類によって異なる)。この1-プロペニルシステインスルホキシドに酵素が作用すると、プロパンチアール-S-オキシドを生成し、これが催涙物質とされます。催涙物質はメチルメルカプタンではありません。
また辛味についても、1-プロペニルシステインスルホキドから酵素反応で生成されるチオスルフィネート類とされます。(よく硫化アリルと言われますが、正しい表現ではありません。)
なぜ、タマネギを冷やして切ると涙が出にくいかですが、先に「酵素反応」と書きました。温度が低いと酵素が働きにくいため、催涙物質が生成しにくいのだと考えられます。
1-プロペニルシステインスルホキシドはタマネギのフレーバーに欠かせない重要な成分です。