野菜に関する怪情報を探る

テレビや書籍、ホームページなどから、野菜に関する記載について疑問に感じたことを綴るつもりです。

ボケたくなければ、**を食べなさい

2012-01-09 12:21:44 | Weblog
年末に出版された本です。高齢社会を迎え、一番避けたい病気は認知症ではないかと思います。食べ物で防げるのなら・・・と期待して買ってしまいました。著者は私と同じ年で、しかも医学部の教授で、老化のスペシャリスト。老化や認知症予防に関する医学上の新しい知見と食品化学の融合、期待して読み始めました。
ところが、最初からぶっ飛びました。老化を促進してしまう食品として、食品添加物、農薬が残留している野菜等があげられています。認可されている食品添加物を適量使って老化を促進したという研究事例はあるのでしょうか?あるいは、市販の野菜に危険なレベルで農薬が残留しているのでしょうか?証拠を示さず、あまりにも安易に世間一般で懸念されているようなリスクを冒頭に呈示することから、怪しいなと感じました。
あとは、雑穀がよいの、発酵食品がよいの・・・なんとなく世間で言われているような内容を復唱しているだけ。タイトルから期待するボケ防止策はほとんど出てきません。やっとアルツハイマーをブロックしてくれるナットウキナーゼが登場しました。脳にできるシミ、ベータアミロイドタンパクをナットウキナーゼが分解してくれるとのことです。でも、食べた納豆に含まれる酵素ナットウキナーゼがどうやって脳まで達するのでしょうか?納豆を食べたらボケないという説明にはなっていません。また、本の最後の方でやっと述べられたアルツハイマー症予防策は、なんとウオーキング。食による認知症予防だったはずが、いつのまにか運動にすり替わっています。
その他のページには、多様な食材の効能が必ずしも老化とは関係なく述べられています。発酵食品や雑穀について書かれた部分の真偽はわかりませんが、野菜については、カイワレダイコンにスルフォラファンが含まれるなど誤認も多く、また、魚介類のタウリンまでファイトケミカルに分類するなど、食品科学のイロハが理解できていないのではと疑われます。本ブログで批判してきたようなネット情報について、きちんと精査せずに本にまとめたという印象です。
老化(あるいはボケ)防止食材について、何らかのヒントがあるのかと期待して購入しましたが、全く金と時間の無駄でした。 


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