野菜に関する怪情報を探る

テレビや書籍、ホームページなどから、野菜に関する記載について疑問に感じたことを綴るつもりです。

キャベツでバストアップ?

2011-10-30 07:52:53 | Weblog
 数ヶ月前のことですが、噂の真相を暴くような番組を作りたいとのことで、TV番組制作会社の方から問い合わせいただきました。「キャベツのボロンが女性ホルモンを活性化するので、キャベツを食べるとバストアップするという噂があるが本当か」という内容でした。ネタばれしたら申しわけないので、しばらくブログへの記載はひかえておりましたが、もう時効でしょうから紹介させていただきます。
 まずボロンとは何か?日本語では「ホウ素」です。ではなぜ、ホウ素ではなくボロンなのか?ホウ素というとゴキブリを退治するホウ酸団子をイメージし、キャベツを食べると、水を求めて徘徊する様子が脳裏に浮かぶからではないでしょうか?
 ではキャベツにホウ素は含まれるのか?手元にデータはありません。ただ、キャベツの場合はホウ素欠乏症が出るようなので、他の植物と比べれば、ホウ素を必要とし、植物体内にホウ素を蓄積しているのではないかと思います。
 ホウ素が女性ホルモンを活性化するのか?閉経後(女性ホルモン量が少ない)の女性の骨粗鬆症対策には有効かもしれないという論文があったように記憶します。バストアップを希望されるような女性ホルモンをたっぷり分泌されている若い女性に、ホウ素が有効なのか否か?
 女性ホルモンでバストアップするのか?自分で女性ホルモンを十分に作れないニューハーフの方なら有効かもしれません。女性ホルモンの働きをする物質としてダイズイソフラボンが知られています。有名な納豆産地である水戸の女性のバストが大きいという話は聞きません。また、お肉を食べる現代の女性よりも、ダイズタンパクを摂る機会の多かった昔の日本人の方が、バストが大きかったのでしょうか?
 このように考えると、キャベツを食べるだけではバストアップにはつながらないように思えます。ただし、キャベツは安価ですし、食物繊維やビタミンも含まれますので、適量食べれば内面から魅力的になるものと期待されます。

健康食のウソ

2011-10-29 08:04:21 | Weblog
 最近おもしろいネタが少ないので新刊本の紹介です。幕内秀夫著、健康食のウソ、PHP出版。著者は、バナナダイエットのような「一品健康食」を完全否定し、「ごはん食」を推奨されています。ごはん食そのものが、一品健康食にも読めなくはないのですが、一品健康食の場合は、「Aという食材にはBという成分が含まれている。BにはCという健康作用が期待されるので、Aを食べるのが健康によい。」と、テレビの健康食品通販の決まり文句が基盤にあり、Aのみを偏食するものです。ごはんについて、著者は健康によいとされる「玄米」にこだわりませんし、ごはん食によるトータルな食改善を主張されているようです。原材料の形のわからないものを避けようなど、食品加工業に対して厳しすぎるきらいはありますが、大きな間違いのない本かと感じました。ただ、「**が効く」という本ならインパクトがありそれなりに売れるかもしれませんが、当たり前のことが書かれているだけに、インパクトにかけるかなと思われました。できれば本屋では、一品健康食本の横に置き、健康食オタクの方に読んでいただきたい内容なのですが、健康食本を何十冊も買ってくれた人が、こういった否定本を手にすることによって以後買わなくなったら大変、たぶん隔離して配置されるのでしょうね。