野菜に関する怪情報を探る

テレビや書籍、ホームページなどから、野菜に関する記載について疑問に感じたことを綴るつもりです。

茶渋はタンニン由来ではなかった!

2012-03-17 15:16:08 | Weblog
 最近は食品と健康に関するテレビ番組も少ないため、引き続きお茶に関する文献紹介です。
 長年使い込んだ急須や湯飲みの底に茶渋が付着します。茶渋は何からできているのか、茶に詳しいたいていの方は「お茶にはタンニン(カテキン)が含まれる、そのタンニンが酸化されて水に溶けなくなったものが、急須などの表面にはりついている」と考えていました。
 ところが、三重県の稲垣氏によると、茶渋はシュウ酸カルシウムとのこと。(シュウ酸カルシウムというと、野菜では、サトイモやヤマイモに針のようなものが入っており、かゆみのもととされます。)確かに、茶葉の1%はシュウ酸であり、お茶をエビアンなどの硬水でいれると白濁しますが、この白濁がシュウ酸カルシウムです。稲垣氏らが茶渋を分析した実験では、X線回折や近赤外分光測定の結果、シュウ酸カルシウムと一致したとのことです。茶葉そのものに含まれるカルシウムや、お茶をいれる水に含まれるカルシウムの量は少なくても、何度もお茶を入れていくうちに、微量に生成したシュウ酸カルシウムが急須の底に蓄積していくのだそうです。
 シュウ酸カルシウム、結構「食」のあちこちで活躍しています。ホウレンソウを食べていると、舌がざらざらするのも、ホウレンソウに含まれるシュウ酸と唾液の中のカルシウムが反応して、シュウ酸カルシウムとして、舌の表面に残るためだと考えられています。


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