野菜に関する怪情報を探る

テレビや書籍、ホームページなどから、野菜に関する記載について疑問に感じたことを綴るつもりです。

野菜350g?

2010-01-30 16:53:08 | Weblog
 「野菜を1日に350g食べましょう」といわれます。私もその数字は使わせていただいてました。ある会合で、「野菜350gというのは漠としている。個々の野菜を何g食べようといえないか?」と質問を受けて、はっとしました。
 その場では、「例えばキャベツを1日50g、ホウレンソウは1日50gと決めても、それでは毎日同じメニューになる。仮に1週間にキャベツ350g、ホウレンソウ350g食べればよいと政府がいうと、まじめな日本人はこれを真に受けて、長雨など不作の時でもキャベツやホウレンソウを求めてパニックになるので・・・」とごまかしたのですが、実は、何を根拠に350g食べろとオカミが言っているのか調べてもおりませんでした。
 要するに、統計的に計算すると、野菜を350gくらいとれるような食生活をすれば、「カリウム」、「ビタミンC」、「食物繊維」が必要量摂れますよということのようですね。となると余計のこと、毎日あるいは毎週、キャベツ何グラム食べようとは言えなくなります。野菜の栄養成分の量は季節によっても、保存条件によっても変わります。これを前提にまじめに計算すれば、何月はキャベツを週あたり*gプラス?g、ホウレンソウは**gプラス??g・・・・と保存条件や食べる部位による差まで考慮した記載に照らして生活することになります。こういう管理社会は私はいやです。
 むしろ、一般に日本人は野菜の摂取量が少ないので、お肉を少し控えて、その分野菜を一皿増やそう程度に気楽に考えればよいのでは。

麻婆豆腐で頭がよくなるか?

2010-01-17 14:13:38 | Weblog
 テレビをみていたら、頭をよくする食品として麻婆豆腐が紹介されていました。ダイズに含まれるコリンが記憶形成に働き、トウガラシに含まれるカプサイシンが記憶の破壊に寄与するので、両方摂取できる麻婆豆腐が優れているとの説明でした。受験生を持つ家庭では麻婆豆腐が今晩の食卓にならぶのではと思います。
 豆腐は水の固まりかと思ってましたが、結構ダイズ由来の脂質とタンパク質を含んでいます。脂質としてフォスファチジルコリンを含むようですので、豆腐にはコリンが含まれないとは否定できないようです。ではコリンと記憶の関係についてですが、「豆腐を1日何丁食べればぼけないか」という研究例はないにしても、コリンの脳への影響については最近研究されてはいるようです。ではカプサイシンと記憶の関係については?こちらは何を根拠に言われたのかよく理解できません。(アルコールで記憶障害が起こる場合があるので、本当はエダマメとビールが最適の組み合わせと言いたかったのではないかと邪推します。ただ、受験シーズンですから、子どもにビールを飲ませるわけにはいかないので、アルコールに替わって刺激の強い唐辛子に差し替えた??)
 コリンが記憶に関係するかもしれませんが、コリンを含む豆腐を普通に食べたくらいで効果があるのか?コリンはマメにだけ含まれるものではありません。最も摂取しやすいのはタマゴだと思います。現代人はガリレオやダ・ビンチよりもコリンもトウガラシも多く摂取しているはずですが、彼らより頭のよい人はそれほど多くないものと考えます。諸葛孔明が麻婆豆腐を毎日食べていたという話もなさそうですので、麻婆豆腐が受験の救世主にはなりえないものと思います。むしろ、毎日豆腐では栄養バランスが崩れて、生長の障害になるかと心配です。
 
 

乾燥ネギの栄養価

2010-01-11 12:20:58 | Weblog
 お年を召したらしい方から電話いただきました。「青ネギと乾燥ネギで栄養は違うの?食感は違うけど」とのことでした。「乾燥ネギとして売られているもののなかにはアサツキを乾燥したものもあります。アサツキはネギとは異なる植物っです。」とお答えしてもキョトンとしたご様子。「栄養については、薬味程度にしか利用しない場合は量的にわずかなので、栄養の面で考える必要はないと思います。食感が異なるのなら、食感が料理に合う方をお使いになれば・・・」とお答えしても納得いただけない様子。当方から血液サラサラという言葉を出すと、我が意を得たりと、「ネギをどれだけ食べれば効能があるのだろうか?」と質問されます。「タマネギやネギを食べると硫化アリルの働きで血液サラサラになるとメディアが騒いでました。ところが学門的にはほとんどわかっていないのですよ。」とお答えして、やっと納得いただきました。
 生のネギには血液サラサラ効果があるが、これを乾燥ネギで代用するには、どの程度の乾燥ネギを食べたらよいかというのが、質問者の問いたかった内容のようです。最近メディアでは血液サラサラとはいいませんが、昔のテレビ番組からおかしな情報をすり込まれた年配者の方達は、その呪縛から逃れられず、乾燥ネギに妙な差別意識(あるいは利用することの罪悪感)を抱いているようです。
 生のネギを食べることの効能について、科学的に解明されているわけではないので、生で食べねばならないという呪縛にとらわれず、乾燥ネギでも加熱したネギでも、五感を働かせて好ましいものを選び、食を楽しんでいただければと思います。