11月19日第1刷発行の新刊書のタイトルです。あまりに衝撃的なタイトルで、最初の数ページで唖然とさせられます。ホウレンソウのビタミンCは1950年に150mgあったものが、1982年には65mg、2000年には35mgになったとグラフで紹介されています。このデータをみると、今まで栄養豊富だと思っていた野菜は実は何だったのかと思わされ、実にたくみなオープニングです。
読みすすむと、こうして質の悪い野菜が生まれたのは化学肥料のせいだと力説されています。農水省のサイトなども引用し、よく勉強されていると印象づけられます。農水省の相談ページで、「ひき肉入りのピーマンの肉が赤いのはニトロソアミンができるから」という回答を批判されているのは、まさにその通りです。
著者は有機農法にもどれとすすめておられます。化学肥料を使わない有機農法なら品質もすぐれると力説されます。しかしながら、多くの科学的な文献で、有機農産物が明らかに優れていることを示したものは、多くありません。統計的に有意な差があったとしても、例えばビタミンCが数倍に増えたというデータはみたことがありません。となると、1950年から2000年の間のホウレンソウのビタミンCの減少というのは何なのか。単に昔は有機で今は化学肥料では説明がつきません。また、水耕栽培でも立派なトマトが育ちますし、有名な農法である永田農法においても、無機肥料を与えて、高品質な野菜を作っています。冒頭の衝撃的なグラフ(50年間のビタミンCの減少)については、単に「化学肥料が悪い」だけでは説明がつきません。冒頭から理屈が壊れているように私には思えます。
読みすすむと、こうして質の悪い野菜が生まれたのは化学肥料のせいだと力説されています。農水省のサイトなども引用し、よく勉強されていると印象づけられます。農水省の相談ページで、「ひき肉入りのピーマンの肉が赤いのはニトロソアミンができるから」という回答を批判されているのは、まさにその通りです。
著者は有機農法にもどれとすすめておられます。化学肥料を使わない有機農法なら品質もすぐれると力説されます。しかしながら、多くの科学的な文献で、有機農産物が明らかに優れていることを示したものは、多くありません。統計的に有意な差があったとしても、例えばビタミンCが数倍に増えたというデータはみたことがありません。となると、1950年から2000年の間のホウレンソウのビタミンCの減少というのは何なのか。単に昔は有機で今は化学肥料では説明がつきません。また、水耕栽培でも立派なトマトが育ちますし、有名な農法である永田農法においても、無機肥料を与えて、高品質な野菜を作っています。冒頭の衝撃的なグラフ(50年間のビタミンCの減少)については、単に「化学肥料が悪い」だけでは説明がつきません。冒頭から理屈が壊れているように私には思えます。