野菜に関する怪情報を探る

テレビや書籍、ホームページなどから、野菜に関する記載について疑問に感じたことを綴るつもりです。

野菜の50度洗いの誤解

2012-11-17 19:41:21 | Weblog
 最近のテレビ番組はお笑いバライティーばかりで、なかなかブログの更新ネタがありませんでした。
 今日、情報番組で野菜が取り上げられてました。野菜の保存や干し野菜など、原発事故で電力会社という巨大スポンサーを失ったにしては、よく作られています。
 ただ、番組で紹介されていた野菜を50度で洗うことについては、大きな誤解を広めるのではと懸念します。番組では、しなびたレタスが50度のお湯につけるとシャキシャキするのは、レタスの細胞が傷つけられ、水が入るからと解説されてました。水が入るのなら、お湯につけると、吸った水の分だけ重くなるはずです。単純な話なのに、TV番組などで重さを比較したデータは一度も示されたことはありません。実は、水はほとんどすいませんし、重さも増えません。番組で示していたように、色素を含む湯につければ、維管束の部分は多少色付きますが、吸う色水の量はごくごく僅かであって、それがシャキシャキにはつながりません。自分で、レタスの葉を湯につけると、みるみる葉っぱがしっかりしてきて、とても水を吸った結果とは思えないはずです。水を吸ったのではありません。葉っぱの中の空気が膨張した結果です。空気が膨張するだけなので、重さは増えません。嘘だと思えば、お湯につけてシャキっとした葉を、氷水につけてみてください。またしなっとなります。葉の中の空気が収縮するためです。
 番組では、とれたてのレタスよりも、しなびた葉を50度で洗ったものの方がおいしいと評価されていたようですが、お湯につけた直後のために香りが高かったのが原因かと推測します。50度洗いについては、何故という検証もせずに、多くの料理研究家が本で紹介していることを苦々しく眺めています。