野菜に関する怪情報を探る

テレビや書籍、ホームページなどから、野菜に関する記載について疑問に感じたことを綴るつもりです。

本の紹介(野菜の硝酸)

2011-01-29 13:04:23 | Weblog
 最近、本ブログで紹介させていただいた書名が間違っている等指摘いただいております。3年ほど前のブログにおいて、野菜中の硝酸は問題ないという考え方と、低減すべきであるという考え方があるとご紹介し、前者については、越野正義訳「硝酸円は本当に危険か」農文協と明記しましたが、後者については篤農家のSさんの本としか書いておりませんでした。書名を知らせてほしいというコメントをいただきましたので、記載します。及川紀久雄監修、霜田増雄著「科学でわかった安全で健康な野菜はおいしい」丸善。
 3年経過しましたが、その後状況が大きく変わったという印象はありません。元の文章は2008年2月16日、ブログ内を「松永」のキーワードで検索いただくと出てきます。

新年のご挨拶にかえて(大型書店のオープン)

2011-01-03 09:13:55 | Weblog
あけましておめでとうございます。
昨年は貴重なコメント等ありがとうございました。年末にも書名が誤っているとのご指摘をいただきました。ご指摘いただいた通り、このブログで紹介させていただいたのは「ゲッチョ先生の野菜探検記」です。
最近は、健康食材についての中途半端な情報をメディア等で扱わなくなったため(個人的にはDVDレコーダーが故障していたため)、ネタがなくブログの更新頻度が下がっております。
大阪に大規模書店がオープンしたとの報道をみて、年末に訪れてみました。理科学書の栄養学のコーナーに食材に関する新刊書(2010年出版)が陳列されてました。例によってキュウリのページをみると、「キュウリの青臭み成分ピラジンが血液をサラサラにする」と書かれています。(著者に印税が入るのはしゃくなので、本を購入しておりません。記憶違いの部分があるかもしれません。)TVは慎重に番組制作している(科学的?なバライティー番組をお笑いに差し替えた)のに、書籍の世界は相変わらずのようですね。
このブログで何度も書いていますが、キュウリの特徴的なニオイにはキュウリアルコールやスミレ葉アルデヒドというピラジンとは全く関係のない成分が大きく寄与しています。ピラジンが含まれるという文献は見たことがありません。一方、青臭みで有名なのはピーマンです。ピーマンの特徴的なニオイはある種のピラジン類によるものとされます。試験管レベルの血液凝固の試験結果では、(ピーマンに含まれるのとは別の)ピラジン類は凝固阻害しています。ただし、ピーマンに含まれるピラジン類の量はごく微量なので、とても血液サラサラなど期待できません。試験管レベルの試験においても、ピーマンの血液凝固阻害能が高いとはいえないようです。キュウリの場合はさらに低く出ています。
多くの食育の本も出版されています。食育を最前線で実践されるのは、栄養士さんや保健の先生かと思います。そういう方の参考書になると思われる有名大学の先生の書かれた本が、こういった曖昧な情報の寄せ集めであるとすれば非常に危惧すべき事態だと思います。
本年も、ご批判、ご意見等、よろしくお願いします。