野菜に関する怪情報を探る

テレビや書籍、ホームページなどから、野菜に関する記載について疑問に感じたことを綴るつもりです。

ヤマイモのかゆみ

2010-09-23 14:27:30 | Weblog
 ある新聞にヤマイモのかゆみに関する記事が掲載されました。ヤマイモをおろすとかゆくなるのは、ヤマイモに含まれるシュウ酸カルシウムの針状の結晶が皮膚をチクチク刺すためだと一般に説明されています。記事にはその針について「直径0.1ミリ、長さ0.3ミリ」と書かれています。(記事の内容について相談を受けたのですが、数字について見落としてました。)読まれた方は不思議に思われたかもしれません。「直径の3倍程度の長さの「針」はないだろう。」その通りです。直径は1ミクロン(0.001ミリ)と訂正をお願いすべきでした。(100倍程度の簡単な顕微鏡があれば、おろしたヤマイモの汁一滴をスライドグラスにのせて観察すれば、簡単に針はみつかります。)
 新聞社の方から質問を受けて疑問に思った点は、ネット上ではヤマイモの針は酸に弱いので酢水で洗うとかゆみが消えると書かれていますが、シュウ酸カルシウムの結晶なら弱い酸には溶けないはずです。酢水の効果は何かに考えを集中させておりました。皮膚のタンパク質を分解して、その結果かゆみを感じさせるような酵素があるのではないかと考えています。ヤマイモにもタンパク質分解酵素が含まれることは知られています。ヤマイモのおろしたものはネバネバしているので、皮膚につくと表面が乾くことなく、酵素が作用し続ける。ところが酸で洗うと、(牛乳に酢を加えるように)酵素が変性して、酵素が働かないためにかゆみが治まると考えています。嘘だと思う方はヤマイモいりゼリーを作ってみてください。ゼラチンはタンパク質ですので、ヤマイモの酵素が働けば固まりにくいはずです。