「アンナ・カレーニナ」の作者でロシアの文豪トルストイの大作は「戦争と平和」である。
さて、この「戦争と平和」。ここにいう平和とは、戦争でない状態をいうのではない。自然の力が地上に、あまねく充実している状態をいう。
例えば、アンドレイが英雄的な死を覚悟して軍旗をかざし突っ走り、弾丸の響く中、多くの兵士の倒れていく様を見ている瞬間に、自分にも弾丸が命中、軍旗を握ったまま倒れた時の目に映ったものは何だったのか。 ・・>> 頭上には高い空、測り知れない空、 静かな雲。 そのほかには何もない 「何という崇高さか・・」とアンドレイは思った。
「走って争ったりしていたのとは、まるで違う。 雲のたたずまいは別世界だ。どうして気付かなかったのか。 なんという幸せなことか。
そうだ、この測り知れない空のほかは皆、虚偽に満ちている。 この高い空、静かな雲。・・この静寂さこそ平和な別世界なのだ・・ *- )))
こうして、拡がる空の光景は 魂に受け容れた永遠性に比べれば、ナポレオンといえど凱旋などは、実に取るに足らない。 小さな人間のなす業なのだ。 トルストイ:1828-1910.
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