新聞の書評欄にアメリカのライト・ヴァースという表題で書評が載っていた。ヴァースはドイツ語ではフェルゼVerseという発音になるが、言うなれば詩ということ。
スペルが同じで読み方が異なるということからして 英語とドイツ語はゲルマン語系の姉妹語ということが分かる。 それはさておき、ライト・ヴァースとは簡潔な詩ということ。 この書評者が、なぜ文化人類学者なのかということは さておくとして書評欄にはサンドバーグの短詩が紹介されていたが、詩人にはこんな詩もある。
霧が漂いくる 仔猫の足取りで 霧はしずかに 腰を据える そうして 港や街をつつむように 漂っている しばらくして 漂った霧は また動き出す : Carl Sandburg 1878-1967. Fog The Treasury of American poetry Nancy Sullivan Company, P.360.
ライト・ヴァースとは、このように簡素簡潔に日常の些細な風景や心情を歌い上げるのだが、それは儚い日常の国への誘いinvitationでもある。