仔羊の回帰線

詩と散文のプロムナード :Promenade

*《喜望峰》:メルヴィル「白鯨」より

2024年04月25日 08時43分18秒 | ギャラリー:世界の文学 Ⅰ

  竟に、船首を東へ向けると、喜望峰の風が唸り声を上げ、捕鯨船は この海 特有の浪に揉まれた。                                                    ピークォド号が激しく船首を上下させ烈風に立ち向かう。 狂ったように 立ち進む。と、泡立つ波しぶきが雨のように襲い掛かってきた。・・・     

    処で 、《喜望峰》とは 何故 そう呼ばれるのか。:                  《嵐の岬》の方が相応しいではないのか。長いこと、静寂に付き纏われてきた挙句 直面するのは苦難の海だ。                                    そこでは鳥や魚に姿を変えさせられた者がいる、隠れ場もないまま永遠に泳ぎ続けた者もいる、暗黒の空に羽ばたかなければ ならなかった者もいる。           そこは そんな宿命を負わされた苦難の海には違いないのだ。・・なのに?...

  H.Melville:  1819-  91.   Moby Dick;  The White Whale

       


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