仔羊の回帰線

詩と散文のプロムナード :Promenade

*プーシキン「オネーギン」より

2023年09月17日 08時46分02秒 | ギャラリー:世界の文学 Ⅰ

        オネーギンには 詩歌のためなら命を惜しまぬ という 殊勝さはなかった。 なので、弱強・強弱格の区別もつかないまま。 挙句に、あの古代ギリシアの詩人で叙事詩「オデュッセイア」の作者、ホメロスを罵倒することもした。 その代わり、アダム・スミスは読んでいた。国の富はいかにして生まれ、なぜ国産物さえあれば 国家に貨幣が不要か 論ずることもできた。 だが、ほかに心得ているものがあった。それは物憂い日の心を捉えていたものに オヴィディウスがいた。                                                                 オヴィディウスは古代ローマの詩人で、祖国イタリアを恋の学問ゆえに追われ、モネダヴィアの野の果てに、一生を受難者として終えていたのである。

                     *  * ) )   )     どこへ行く・・詩人には 困ったものだ --> 

失敬する、オネーギン。帰らなくっちゃ                           引き止めはしないが。何処で毎晩、過ごしているんだ -> ラーリン家で・・                                          ほう、毎晩、よく辛抱出来たものだ -->      なあに、少しも                 わからん、見当ぐらいはつくが。・・ロシアの家庭では、もてなしは熱心だろうが、でるものは 手作りジャムと 天候の話ばかりというじゃないか。                                     平気さ、それでいい・・  -->    退屈しないのかね               いや、社交界は性に合わないのでね、家庭的な集まりのほうが 楽しい。          ほう 牧歌調ときたか、変わってるな、なら、もういい。帰るんだね、 それはそうと、フィリスに会わせてくれないか。ウエルギリウスの詩に出てくる 羊飼いのような女性に。 きみの詩の対象になっているともいうし・・ぜひ 

           С.  ПУШКИН

     *-  * -  )))                                          ・オネーギン:  若いころは 社交界に名を馳せたが、いつしか 浮世の空騒ぎに情熱を失う。                               

・レンスキイ:  ドイツ帰りの青年詩人。ラーリン家の妹娘のオリガを愛する。

 

 

 


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