goo blog サービス終了のお知らせ 

仔羊の回帰線

詩と散文のプロムナード :Promenade

* ラ・ロシュフーコー: 簡潔さ:

2024年09月21日 09時20分25秒 | *ギャラリー:世界の文学 Ⅰ--Goo

 ラ・ロシュフーコー La Rochefoucauld 1613-80は、痛烈な人間批判の書「箴言集」を著した17世紀フランスのモラリスト。: ZB.:

* 褒め言葉を断るのは、もう一度、ほめてもらいたいから。とか、

*  人間は、騙 だま しあわなくては社会生活はしていられない。・など

   *それでは 簡潔さの効果とは:-
   こんな譬えを待つまでもなく、のどが乾いたとき、2杯目に出されたコップの水は、最初の沁みとおるような美味しさに比べれば比較にならない。 そのように、文章が冗長であれば魅惑が薄れてくる。

    逆に、言葉の浪費が少ないほど、とはつまり、簡潔な表現ほど文体も力強く、劇的な生彩も感じられる。:                                                    そのような簡潔な文章家にはギリシアの雄弁家デモステネスDemo-sthenes,前384-322や、「ゲルマニア」や「年代記」で知られるローマの歴史家タキトゥス Tacitus,55-115や ラ・ロシュフーコー、更には、ドイツの軍人モルトケ Moltke,1800- 91がいる。  L.Reiner: Stilkunst: Kurze より     ***

*ラ・ロシュフーコーの「箴言集」と簡潔な表現:---

フランソワ・ド・ラ・ロシュフーコーは17世紀フランスのモラリストで、彼の「箴言集」は、人間性の根源にエゴイズムを見るという視点から、約600の格言を集めた。この作品は、1664年に初版が刊行されて以来、ラ・ロシュフーコー自身による改稿と修正を経て、生前に第五版まで出版された。--ラ・ロシュフーコーの箴言は、簡潔で深い洞察と鋭い観察を含み、人間の行動や思考の本質を鮮やかに描き出した

 例えば、「本当の恋は幽霊と同じで、誰もがその話をするが見た人はいない」という箴言は、恋愛に対する人々の理想と現実のギャップを巧みに表現している。   また、「太陽も死も じっと見つめることはできない」という箴言は人間が直面する究極の真実についての洞察を与えてくれる。

 ラ・ロシュフーコーの箴言はその時代を超えて普遍的な真理を含み自己と他者を理解する上で貴重な教訓を提供、簡潔で深い意味を持つ

 簡潔な表現は言葉の力を最大限に活かす方法の一つで、ラ・ロシュフーコーのような作家は少ない言葉で多くを語ることができるため、時間を経ても色褪せることがない。 ラ・ロシュフーコーの箴言集は人間の本質に対する深い洞察と、言葉の力を最大限に引き出す簡潔な表現のひとつの見本である。  ***

この箴言集は、講談社学術文庫から出版され、新訳で原文のニュアンスを大切にし、ラ・ロシュフーコーの鋭い観察力と洞察力が伝わるようになっており、岩波書店からも岩波文庫として出版されている。  また、電子書籍としても、講談社電子文庫やAmazon Kindleなどあり、ラ・ロシュフーコーの箴言を楽しむことができる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

*紅茶とマドレーヌ: プルーストより

2024年04月29日 08時31分50秒 | *ギャラリー:世界の文学 Ⅰ--Goo
       少したって 陰気に過ごしたその日、明日も、もの哀しい日かと気を滅入らせながら、無意識に紅茶に浸し柔らかくなったマドレーヌと紅茶を口にした。--
 ところが、菓子の混じった一口の紅茶で何かが変わったことに気づいた。  
  快感とでもいうべく、災難といえ錯覚にすぎないかと思われた。
     プルースト「失われた時を求めて・・」より
 
   プルーストは意識の流れを描いた小説家として知られている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

*旅路:ダンテ「神曲」;地獄篇 より

2023年12月20日 09時53分18秒 | *ギャラリー:世界の文学 Ⅰ--Goo

    世の 旅路のなかば 気づけば 正しき道を見失い / 

  暗い森に迷い込む・・/ 噫 その森の凄さ!

荒涼として 語り難く 思い返せば げに恐ろしき /  

 その苦しさは 死にも劣らぬが 佳きことも あり

されど なぜに迷い込みしか 分からぬが ただ眠く /   

  道を踏み外し 谷の行き詰まりで /     

丘の ふもとに辿り来て 空を仰げば /  

 太陽は光り輝き 丘を包みしなり/  -->>>

 だが 見よ !  絶壁の辺りに

気づけば まだら毛を煌めかす一匹の豹

 忽然 顕れいで 立ちはだかりし   思わず後じさり /。。

だが まさに その折り  陽が昇りきて  香しき季節ともなれば /   

  取越し苦労も束の間 ・・  そして 次に顕れたるは 一匹の高慢な獅子! 

その迫りくる気配に またもや 慄きぬ/  

そして 更に 顕れしは 貪婪どんらんたる 痩せた牝狼! /

 その陰惨たる恐ろしさ! 心は重く 高きに登る望みも 失せる/ ・・))

 嗚呼 されど よろめく目の前を見れば 卒然 人の姿か /  

広き荒野で その姿を見て 思わず叫びぬ / 

 どなたに おわしますかは 知らねども 憐み賜え! /

すると 答えて曰く : わしは 嘗て 人でありしも 今は さにあらず /  

 わが父母は 北イタリアの出 ともに古都マントゥアの生まれ 

ユリウス・カエサルに遅れること32年 生まれは前70にして 

世はローマ初代皇帝アウグストゥス・オクタヴィアヌスのもと 

ローマに棲んでおった /そして トロイアが焼け落ちてのち / 

そこから逃れきた アイネイアスを歌った詩人・・ / )))*

おお ならば あなたは(ローマ最高の詩人)ウエルギリウスさま /

豊かな言の葉を注ぎ賜うた 偉大なる詩人!!・・/

おお 世の誉れ 世の光 / 尊敬してやまなかった師なるお方 / 

わたしが学びしは 貴方の あの麗しい文体でした ・・・

ダンテ「神曲」地獄編 第一歌 より

 

  

    

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

*ジッド「贋金つかい」より:

2023年06月23日 08時07分03秒 | *ギャラリー:世界の文学 Ⅰ--Goo

  「一緒に昼飯でも喰わないか?.」 ベルナールはオリヴィエに会えて喜び云った。                                                「今日は午前中に国語の試験があってね、午後にも もう一つ、ラテン語の試験があるのだが・・」                                      「うまく いったのかい」オリヴィエは訊いた。                          「うん、でも、ぼくの考えが 試験官の意に沿うかどうか・・」                 「というと?...」                                           ラ・フォンテーヌ四行の詩句について意見を述べよ、という問だったんだがね・・ :                                                  われは パルナスの蝶 : 賢きプラトンが                                               この世の驚異に なぞらえた蜜蜂にも 似て                                          軽やかに 何処の主題にも 飛び回り                                                  花から花へ 物から物へ  渡りゆく・・ :

  「オリヴィエ、きみなら 答案を どんな風に書くかい?...」 ベルナールは云った。                                               すると 小粋な身なりをしたオリヴィエは 才気煥発なところを みせた。

「うん、ぼくなら こんな答えを。つまり、ラ・フォンテーヌは まず、自画像を描き、それから 世界の外面、つまり 花しか諾(うべな)わない芸術家の肖像を描いた。そのあとで 対照的存在として 詮索する学者の肖像を描き、そして 最後に・・・・」                                                 彼の言葉には 他人の思想の受け売りのようなところがあった。            「それって誰の言葉だい」とベルナールは 云いそうになった。が、気分を損ねてはいけないと 差し控え、顔を不審気に眺めるにとどめた。        Les Faux-Monnayeurs

   *ベルナールの親友オリヴィエの叔父は作家で、目下、「贋金つかい」という小説の構想を練りつつ日記をつけている。                       ・パルナス:  Parnasse:  詩壇・文芸界。; アポロとミューズが棲んでいたという山の名に由来する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする