イギリスの小説家イーヴリン・ウォー曰く: 一人称で小説を書くのは軽蔑すべきだ、と。--にも拘らず、サッカレーやディケンズ、E.ブロンテ、あるいはプルーストなどが、イーヴリン・ウォーが似て非なる方法を用いたかについて、理由が考えられる。:つまり、こうである。--- いったい、歳を取れば人間は複雑、矛盾だらけで、理屈に合わぬものと気づいてくる。--
そうであれば中年なり初老なり、いい歳をして、本来なら もっと、まじめに事柄に関わっていいのに、虚構の事柄に何故 かかずらうか言い訳もたつというものである。--- なぜなら、実人生の理屈に合わぬ人間を相手にするよりかは、虚構を取り入れた小説の人物を相手にするほうが、遙かに賢明で分かりやすいからである。
モーム「お菓子と麦酒」より







