ニューイングランドの人よ と若い牧師は震え声で叫んだ。 正午がすぎ、牧師は裁きの法廷で罪の申しだてをしようと 大地から立ち上がった。: 皆さん、この世の罪人である私を ご覧ください。 7年前に 私はここに立つべきであったのです。 夫人、ヘスターと並び、這うように上がることのできたのは、夫人が支えてくれたからです。・・ ご覧ください。ヘスターが付けている 緋文字を。 あれを見て 皆さんは身震いなさった。 緋文字は忌むべき嫌悪の光を投げかけました。 然し、ここにいる男の罪と恥辱の印には身震いなさらなかった。
ここまで云うと、衰弱している牧師は秘密を告白しないで終わらせてしまうのではないかと思われた。が 一歩踏み出すや 云った。: 緋文字は 彼の上にこそ あったのです。・・ 神は見過ごしては おられません。 男は巧みに隠し 皆さんの間を歩いていました。清廉潔白の顔をして。 しかし今、皆さまの前に立ち訴えているのです。ヘスターの緋文字は影にすぎないと・・ Hawthorne: The scarlet Letter *- *- ))) *
ヘスター・プリン: イギリス生まれの女性。 老学者と結婚し、夫より先に新大陸に移住。やがて、夫は来ないまま、私生児を生む。 そして裁判にかけられるも、子の父の名は明かさず、姦通罪として、上着の胸にAの緋文字をつけられる。
・ディムズデール: 若く知的な牧師。 町の人から信頼と尊敬を受けていたが、 罪の告白をしなく、7年後に 群衆の前で罪の告白を果たし、息を引き取る。
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