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仔羊の回帰線

詩と散文のプロムナード :Promenade

*旅の学生たちの歌: アイヒェンドルフ より

2024年04月01日 09時52分41秒 | *ドイツ詩人と作家のことなど:-Goo

 南に向かい 鳥は羽ばたき 旅人は 朝陽に帽子を振り翳す
 われらは はれて大学生!..町の門から 出ていくとき
 楽器を吹き吹き 別れ行く さらば わが町よ 旅立ちだ!..
 夜の街を彷徨い行けば 窓辺は きらきら 煌めいて
 着飾った人が踊ってる 我らは戸口で吹き鳴らす
 すると やがて人の声!...さあ どうぞ お飲み物を!..
   見れば それはコップ酒!...))) *

森では 冷たい北風が吹き荒ぶ 雪と雨とに濡れながら 
野越え山越え進みゆけば マントは風に翻り
おんぼろ靴は 穴だらけ されど 構わず吹き鳴らす
そして 歌を歌えば そこは われらが天国なのだ・・
    *
Eichendorff: Aus dem Leben des Taugenichts                     
アイヒェンドルフ 「のらくら者の生涯」 より                                              * アイヒェンドルフはドイツロマン派の詩人。

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*夜の闖入者:

2024年02月26日 17時53分33秒 | *ドイツ詩人と作家のことなど:-Goo

  夜、暗闇に不意に、何者かが侵入してきたとなると心穏やかではない。不安と恐怖と。・・ ところが、異常ともいえる変ったことが起こらないとなれば、また別の話。それは あるいは微笑ましいエピソードにならないとも限らない。・・そんなことを思わせる話が二つ。---- ひとつは「ライオン」の闖入という非日常だが、日常とは何ら異なることの起こらない話で、他の一つは、熟年の独り身の婦人の宅に,暗闇に紛れ込んだ若くてイケメンの青年との話である。>>>

ところで、この熟年の婦人は青年が何も起こらないまま去った後に、みるみる追憶の中で期待と希望のうちに若さと元気と歓びを取り戻していったとしたら。・・・ >>>                                        メッケルの「ライオン」と、カーチャ・ベーレンスの「愛」とは、そんな非日常を描く現代ドイツ文学の短編である。
    Meckel:Der Lowe
   K.Behrens:  Liebe    Aus :Reclam

 

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*「特性のない男」:ムジールより

2024年02月18日 09時20分39秒 | *ドイツ詩人と作家のことなど:-Goo

 長いこと、水は空気と親類であると信じられていた。ギリシア人は世界と生命は水から生まれたと考えた。:                       後世になると、ニクセ(水の精)や ウンディーネ(伝説的水の処女・仏語読みではオンディーヌ)、そして ニンフ(水辺や木立に棲む半女神)が発明されてゆく。  ** *))  )    

          *ムジールは20世紀ドイツの作家で、長編「特性のない男」Der Mann ohne Eigenschaften で知られている。

     因みに、特性のないとは、いろいろな可能性を秘め、一つことに定着しなかった才能の謂いなのでもある。>>>

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*自分の時間: ムジール「特性のない男」より

2024年02月17日 10時01分57秒 | *ドイツ詩人と作家のことなど:-Goo

     ・・・処で、他の男なら すでに、お前の歳なら 人生に確固たる地位を築き上げている。だが、今となっては 結局、自力で社会的地位を得ずばなるまい。--学位を得ても、手前味噌に買いかぶっているばかりだ、・・・。                                              いいかね、先にも述べた通り、わしは著書の新版のために全時間と労働をこの齢になってもなお、捧げているのだ。                                                 人間は自分の時間を大切にして、よりよく利用することだ。 何故なら芸術は長くとも、人生は短いのだから。・分かるね、おまえの歳なら

   Musil: Der Mnn ohne Eigenschaften より

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* 「兵士の花嫁」とシューマン歌曲集 

2023年08月06日 09時18分59秒 | *ドイツ詩人と作家のことなど:-Goo

   ラジオからシューマンの歌曲が流れていた。「女の愛と生涯」全8曲を中心に、他にシラーやリュッケルトなどと共に、メーリケの詩「兵士の花嫁」が聞こえてきた。                                                                                「兵士の花嫁」はシューマン作曲の歌曲集では、メーリケの作品ナンバー64の1である。:

  知っているのは王様だけ: その勇ましさ
  忠義を尽くしているんだもの 
 でも 勲章なんていらないわ 名誉も望まない
 だって 大将にはなれないんだから

 星が瞬き  あの礼拝堂の上で
 真赤な光を放っているわ でも
 あたしの切なる願いは ただ一つ:                                                      彼が 無事でいてくれることだけよ!.  

      Die Soldaten-Braut
Aus: Morike Gedichte   Reclam ebd. S.37..                                            因みに、リュッケルトの詩は「小さな民謡」で作品ナンバーは51の2。
ケルナーの詩は「密かな愛」で作品ナンバーは35の8からである。

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