仔羊の回帰線

詩と散文のプロムナード :Promenade

*メロスは王に約束をする: 3⃣

2023年12月31日 09時05分07秒 | *Carpe diem:Geniesse den Tag!

    メロスは王に約束する。 婚礼を控えている娘に この衣装を渡したら、必ず戻ってくると。 こうして三日の猶予を取りつけ、なおかつ、無二の親友を人質にさしだし、決して 逃げたりはしないと固く誓い、郷里に舞い戻り、休む暇もなく 一目散に、王のもとに戻った。

 だが、その帰路、メロスには思わぬ災難が待ち構えていたのだ。           「約束は守ります」 メロスは必死に言った。                                        「三日間だけ許してください。妹がわたしの帰りを待っています。           そんなに私の帰りが信じられないなら、よろしい、この町にセリヌンティウスという石工がいます。   わたしの無二の親友だ。彼を人質として ここにおいていく。 私が逃げて、三日目の日暮れまでに ここに帰ってこなかったら、友人を殺してもいい。  頼みます。そうしてください。  ・・・))  *-

      * - ))  *-  )

Ich will versprechen !!  Melos bestand unverzagt. Bitte, verzeihen mir nur drei Tage !!     

Meine Schwester wartet auf meine Ruckkehr .      Wenn Sie mich nicht glauben, alles in Ordnung, gibt es einen Mauerer  Selinuntius in dieser Stadt.            Er ist mein Freund.  Ich will  ihn als Geisel verlassen.  Wenn ich entweichen wurde, vor Einbruch der Nacht des dritten Tages und nicht wieder hierher kame, ist es gut, Sie meinen Freund zu toten.   Bitte , also bitte ich Sie darum !!..

Als der grausamer Konig das horte, hat er sich geheimnisvoll eine Schaden-Freude..

 

 

 

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*メロスには竹馬の友がいた:

2023年12月30日 16時04分29秒 | *Carpe diem:Geniesse den Tag!

メロスには竹馬の友がいた。 セリヌンティウスである。                                 彼は今、シラクスの町で石工をしている。                                              メロスは久しく会っていない友に会いに出かけた、だが、町の様子が、どうもおかしいのである。                                                                         陽も落ちて、夜のせいばかりではない。町全体が、やけに寂しいのだ。      メロスは段々、不安になってきた。   *- *- (( (  *

         * ))・・     

Melos hat ein Freund von Kindergarten aus.

Er heisst Selinintius und er ist Maurer in der Stadt  Schirakus.

Melos will ab jetzt den Freund besuchen.

Melos hat ihn nicht fur lange Zeit  gesehen, so freud es sich  fur Melos ,ihn zu besuchen.                                       Doch scheint es mistrauisch zu sein in dieser Stadt.          Es ist unruhig.    Die Sonne ist schon untergangen,  so ist es dunkel offensichtlich,  aber nicht nur weil  in der Nacht , ist die ganze Stadt irgentwie furchtbar einsam...>> 

 

 

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*メロスは激怒した: 「走れメロス」より

2023年12月28日 09時05分29秒 | *Carpe diem:Geniesse den Tag!

 暴虐の王。・・そんな邪悪に対しては、人一倍、敏感な牧人メロス。           彼は妹の婚礼衣装を求めて、はるばる、野を超え山を越えてシラクスの町までやってくる。が、町は沈んでいて、なにか変なのであった。・・                      *=*    *=*  >>  

Melos war wutend.       Er beschloss, dass er den Konig von Gewalt entfernen musste.  Er versteht die Politik nicht . 彼は政治のことには疎い。                                                             Melos ist der Hirte des Dorfes . メロスは 村の羊飼いなのだ。

Er pfeift sich und hat gelebt, mit Schafen zu spielen .                  Aber er ist ungewohnlich empfindlich auf das Bose. ....

Er hat leider weder Vater noch Mutter , und  hat er keine Frau.  彼には最早、父も母もいない。妻も娶ってはいない。                       Er lebt  jetzt mit seiner schuchterne und jungere Schwester  von 16 Jahren ....>   いるのは 16歳になる妹だけである。

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*綿雪と煌めく星: デーメル より

2023年12月26日 14時27分30秒 | ドイツ抒情詩選

 マダム 雪です 綿雪が  

お召し物は 白になさいますか 

マダム ここでは真昼間でも 星が 雪のように降ります

そして 星の煌めく様は マダムの白い歯 そっくり

いや 踊っている妖精たちと 申し上げてもいい))

それから マダム 星は 道行く人の鼻の上で

踊りたがっています そして 草臥れますと

露と化し また明日ね!.と 消ゑていくのです))

それでは 御機嫌よう! 

 あっと お別れに 接吻を!.. 厚かましい ですって

 でも マダム 礼儀を欠いては あなたに失礼になりますから))*

     Dehmel;  Schnee-Flocken      

    *- *- ) )  )         女は書物の敵! と彼は苦情を述べた。が、デーメルは生まれようとしている詩を、夫人とともに推敲したのだ。

だが ゲーテの場合は事情が違った。:  愛し合う人と享受した感謝から、素晴らしい詩句は生まれたが、ゲーテの魂が深く鳴り響いたのは、憧憬と断念に沈む孤独な時間においてであった。    

 カロッサ 「美しき惑いの年」より     

Carossa : Das Jahr der schonen Tauschungen  

 

 

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* 蘇る: ゲーテ「ファウスト」第二部 4666~

2023年12月26日 14時16分43秒 | *ゲーテ「ファウスト」より

凄まじい轟音とともに  音高く開かれた岩戸

太陽神・フェーブスが驀進してくる

アーリエル: 凄まじい音ね!.. 聞くに堪えがたいわ

ファウスト: 生命の蘇り!だ. 新たな活気だ!

   : 森に生命の響きあり 霧のなかの谷が光りだすと

 花や葉から 露が滴り落ちる あたかも 真珠のように

 おお 世界が 天国に変わっていく瞬間だ !...

         Goethe :Faust  Zweiter .Theil より

  

 

 

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*フランチェスカとパオロ:道ならぬ恋: 

2023年12月22日 10時23分47秒 | *詩と散文のプロムナード:Promenade:

フランチェスカは北イタリアのラヴェンナ城主の娘。--  1275年に隣国の城主と政略結婚をさせられた。--が 彼は醜い男で狂暴極まりない

その彼には弟パオロがおり、こちらは眉目秀麗。-- 彼には9歳の娘と二人の息子がいた。--にもかかわらず、城主の不在の折りのある日、密会。--ところが、不意に帰宅した彼に見つけられ、二人は殺害されてしまう。--   *- *- (((   

 ・ 以下、ダンテの「神曲」 より:

 それから私はこう語りかけた。--「フランチェスカよ、苦悩は悲しみと憐みゆえ。-甘美なため息のおりふし、どんなきっかけで胸の思いが恋と知れしか」

  フランチェスカは云う。--「惨めな境遇にあって 幸せの時を思い起こすより悲しいことはありません。--ある日私たちは イギリスのアーサー王伝説の円卓騎士  ランスロットが  恋のとりこになった物語を読んだのでございます。--  ほかに誰もおりませんでしたので、憚ることなく二人の眼は合い顔が色を変えてきますと、あの人は察したように 私を抱きしめられたのでございます。・・」   ダンテ「神曲」地獄篇より

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*旅路:ダンテ「神曲」;地獄篇 より

2023年12月20日 09時53分18秒 | ギャラリー:世界の文学 Ⅰ

    世の 旅路のなかば 気づけば 正しき道を見失い / 

  暗い森に迷い込む・・/ 噫 その森の凄さ!

荒涼として 語り難く 思い返せば げに恐ろしき /  

 その苦しさは 死にも劣らぬが 佳きことも あり

されど なぜに迷い込みしか 分からぬが ただ眠く /   

  道を踏み外し 谷の行き詰まりで /     

丘の ふもとに辿り来て 空を仰げば /  

 太陽は光り輝き 丘を包みしなり/  -->>>

 だが 見よ !  絶壁の辺りに

気づけば まだら毛を煌めかす一匹の豹

 忽然 顕れいで 立ちはだかりし   思わず後じさり /。。

だが まさに その折り  陽が昇りきて  香しき季節ともなれば /   

  取越し苦労も束の間 ・・  そして 次に顕れたるは 一匹の高慢な獅子! 

その迫りくる気配に またもや 慄きぬ/  

そして 更に 顕れしは 貪婪どんらんたる 痩せた牝狼! /

 その陰惨たる恐ろしさ! 心は重く 高きに登る望みも 失せる/ ・・))

 嗚呼 されど よろめく目の前を見れば 卒然 人の姿か /  

広き荒野で その姿を見て 思わず叫びぬ / 

 どなたに おわしますかは 知らねども 憐み賜え! /

すると 答えて曰く : わしは 嘗て 人でありしも 今は さにあらず /  

 わが父母は 北イタリアの出 ともに古都マントゥアの生まれ 

ユリウス・カエサルに遅れること32年 生まれは前70にして 

世はローマ初代皇帝アウグストゥス・オクタヴィアヌスのもと 

ローマに棲んでおった /そして トロイアが焼け落ちてのち / 

そこから逃れきた アイネイアスを歌った詩人・・ / )))*

おお ならば あなたは(ローマ最高の詩人)ウエルギリウスさま /

豊かな言の葉を注ぎ賜うた 偉大なる詩人!!・・/

おお 世の誉れ 世の光 / 尊敬してやまなかった師なるお方 / 

わたしが学びしは 貴方の あの麗しい文体でした ・・・

ダンテ「神曲」地獄編 第一歌 より

 

  

    

 

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* 漱石の「虞美人草」と紫の女-藤尾

2023年12月18日 08時23分41秒 | ギャラリー:世界の文学 Ⅱ

  漱石が東京帝大英文科の職を辞して職業作家として新聞に初めて掲載した小説、「虞美人草」:                                                      この小説には擬古文調の地の文のほかに、色に纏わる語彙が多々、出てくる。: 例えば、ヒロインで勝ち気な藤尾を、こんな風に描写している。:

   紅くれないを 弥生につつむ 昼たけなわに、春をぬきんずる 紫の濃い一点を、鮮あざやかに 滴したたらしたる女である。--                      夢の世を 夢よりも 艶あでやかに 眺めしむる黒髪の 鬢びんの上には、玉虫貝を菫に刻きざんで、細き金脚きんあしに 打ち込んでいる。

静かなる昼に 心奪いとらんとするを 黒き眸ひとみの動けば、見る人は あなやと我に帰る。  この瞳ひとみの魔力の境を究きわむるとき、桃源を   再び塵鐶じんかんに変えるを得ず。ただの夢ではない。                               模糊たる夢の、燦たる妖精が 死ぬまで 我を見よと、紫色の眉まゆちかく 逼せまるのである。                                               勝ち気な女は 紫の着物を着ていた。(二の冒頭 より)

      *- *- ( ((   * これを、欧米の文学作品の解釈からすれば、譬えば、「作品における色彩の語彙の使い方や、その象徴的意義と心の変遷について」などと試論が一つ書ける気がしないでもないが、この「虞美人草」に関しては、果たして、どうなのであろうか。

 勝ち気なヒロイン藤尾の心の内部の葛藤や、微妙に揺れ動く比喩的な描写と読み解けば、魅惑は一段と増すが、色彩の語彙の多々用いられているのはドイツの詩人トラークル他にも、よく見られることを思えば興味深い。

 

 

 

 

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*二つの魂:「ファウスト」第一部より:

2023年12月14日 09時08分53秒 | *ゲーテ「ファウスト」より

 胸の奥にすみつく 二つの魂:                              これが 今にして乖離する: 

 一方は 現世のエロス愛に執着し                            他方は 霊界なる 高みを目指すのだ                           ~ 1117.     《市門の前》より 第一部

Zwei Seelen wohnen, ach!.. in meiner Brust ,                  Die Eine will sich von der andrn trennen :

Die Eine halt, in derber Liebes-Lust,                      Die Andre hebt gewaltsam sich vom Dust                   Zu den Gefilden hoher Ahnen ...

【脚韻】: Brust-Lust- Dust,  trennen- Ahnen,

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*トルストイ「戦争と平和」 より

2023年12月12日 07時45分07秒 | ギャラリー:世界の文学 Ⅰ

              「アンナ・カレーニナ」の作者でロシアの文豪トルストイの大作は「戦争と平和」である。
  さて、この「戦争と平和」。ここにいう平和とは、戦争でない状態をいうのではない。自然の力が地上に、あまねく充実している状態をいう。

      例えば、アンドレイが英雄的な死を覚悟して軍旗をかざし突っ走り、弾丸の響く中、多くの兵士の倒れていく様を見ている瞬間に、自分にも弾丸が命中、軍旗を握ったまま倒れた時の目に映ったものは何だったのか。 ・・>> 頭上には高い空、測り知れない空、 静かな雲。 そのほかには何もない   「何という崇高さか・・」とアンドレイは思った。

「走って争ったりしていたのとは、まるで違う。 雲のたたずまいは別世界だ。どうして気付かなかったのか。   なんという幸せなことか。

      そうだ、この測り知れない空のほかは皆、虚偽に満ちている。  この高い空、静かな雲。・・この静寂さこそ平和な別世界なのだ・・                       *-  )))   
     こうして、拡がる空の光景は 魂に受け容れた永遠性に比べれば、ナポレオンといえど凱旋などは、実に取るに足らない。 小さな人間のなす業なのだ。    トルストイ:1828-1910.

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