goo blog サービス終了のお知らせ 

仔羊の回帰線

詩と散文のプロムナード :Promenade

◎*ミルテとロズマリーン: バラード より

2025年02月21日 10時00分10秒 | *ドイツ抒情詩・バロック詩選:夏目政廣訳 --Goo

真夜中  夢の中に瓜二つの男が顕れると     

眠れなくてね と言いそうになった;  男は すると 

ぼくの誓いの指輪をはずや 真珠のブレスレットを投げてよこした

ぼくは 花壇に行きミルテの前に佇み  花冠を作ろうとおもった  そのとき 途端 真珠のブレスレットは千切れ 真っ二つ                         転がり散り 目の前から消えていた・・

捜しまわったが 代わりに 目に入ってきたのは 

黒ずんだ ロズマリーンだった ・・嗚呼 この世は幻影か!... 

ならば 汝れも 砕け散るがいい     

指輪も真珠のブレスレットも 消えてしまったのだから・・

だが 姿を変えたロズマリーンとは 一体 何 !!...   

       それが愛の喪失を意味していたとは!?....  *- * -   )))   *

Burger:1747生。ブュルガーのバラードより   */-84*--106*-/*+*+

Dt. Lyrik vom Barock  bis zur Gegenwart     dtv.  ebd.   S. 69...

     

・ブュルガーについて:---

    所謂、Sturm und Drang 期に活躍した詩人で、感情を重視する詩風はHolty ヘルティと共に知られている。--  彼の詩は理性よりも感情を重視、民謡調のバラードを得意とし、近代バラードの生み親となる。その中で上に訳した「ミルテとロズマリーン」は恋人との愛と別れをテーマにしてよく知られている。>>   ---   ホメロスやシェイクスピアなどの翻訳も手掛けているが、「ほら吹き男爵の素晴らしき冒険」の翻案本でも有名。>

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎*大酒豪と鐘の音:クライスト奇譚集より

2025年02月19日 10時07分29秒 | *ドイツ短篇選: 夏目政廣訳;--Goo

      もと連隊兵のR.という男。  彼はどうしようもない大酒豪、それが元で或る時こっぴどい殴打の刑に処せられる。以来、品行方正、火酒からは足を洗った。が、それは三日坊主、四日目には早くも泥酔する有様。すると、逮捕され尋問を受けた。 >>

 「なにゆえ、また大酒の悪習におちいったのか」と。すると返答はこんなだった。 --- 「へい、悪いのは自分ではありません。自分は 遊園地の近くを通りかかったのであります。すると折から、ドームの鐘が鳴り渡ったのであります。-ポンメラン・ポンメラン!..」-と。  ううむ・・鐘のやつめ、鳴りおるわ・・くそう!喉が鳴ってくる!  自分は 刹那、そう口にしたものの思いとどまり、約束を思い起こし一滴も飲まずにいたのであります。ところが、ケーニッヒ通りに来ますと、ほんの一瞬、市庁舎の前で一休み。すると頭の上からまたもや鐘が鳴り渡ったのであります。--キュンメラン、キュンメラン、キュンメラン--と。自分はすると、塔に向かい叫んだのであります。--  塔の鐘よ、雲を引きちぎるほど鳴り響くがよいわ。けれども、わが魂よ、忘れてはならぬぞ、約束を・。喉がなって仕方なかったのでありますが、決して一滴も飲んではならぬと誓ったのであります。>>

 然し、帰路、養老院広場のほうへと回り道。すると、そこに一軒の居酒屋。30人余りの客でごった返していたのでありますが、折りしも また、連隊長殿、養老院の塔の鐘が鳴り響いたのであります。--アニゼッティ、アニゼッティ-と。すると とたん、もはや堪忍袋の緒が切れ、矢庭に一杯頼むぞ、いくらかねと聞いたのであります。-亭主は すると、6ペニッヒでやすといいますと、即座に差し出されたコップ酒をぐいと飲み干したのであります。が、以後はどうなったのか、一向に覚えてはおらぬのであります。>

 H. von Kleist: Der Brannt-Wein-Saufer und Berliner Glocken .Samtliche Werke . Hanser Vlg. ebd. S. 267f.. 

   Erste Ubersetzung; 1987. 8.21.. 夏目 政廣訳                  ハンザー版 クライスト全集より 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◎* 前線の森で: ボルヒェルトより

2025年02月14日 10時15分27秒 | *現代ドイツ短篇選:夏目政廣訳:--Goo

           雪が 樹々を覆っていた。: 機関銃を手にした兵士が 歌を口ずさむ。ロシアの森の最前線である。--兵士の口ずさむ歌はクリスマスの歌。えっ?... 二月というのに...?...   --雪が何メートルも積っている。 雪は黒い樹幹を覆い、小枝を覆い、木立に綿をかぶせたように吹き付け、辺りは一面の雪。・・   その中で一人の兵士が歌を口ずさむ。もう 二月というのにクリスマスの歌である。--ときおり,兵士は二三発 発砲する。そうしなければ,すべてが凍えてしまうからだ。目標はない。ただ 兵士は闇雲に発砲する。そして人の気配のないのを知ろうとする。すると心は不思議と和らぐ。だが、しばらくすると兵士は また発砲を繰り返す。するとまた、気が安らぐのだ。そうしなければ すべてが凍えてしまうからだ。そして発砲が繰り返されるたびに、森の静けさが打ち破られていく-・>  */-38*--63*-/*

 刹那、何かの物音がした。左から、前方から、右からも、そして 背後からも。兵士は息を思わず飲む。・・とまた何かの物音が鼓膜に響いてくる。兵士は軍帽のエリを立てる。指先が小刻みに震え、冷汗が鉄兜の下から滲んでくる。が、汗は額のところで凍りついている。 外は41度の寒さ・・。そのため冷汗はにじみ出ると、すぐに凍てつく始末。・・と、その時だった。兵士が歌いだしたのは。大きな声で、不安を打ち消すように、周りの物音を打ち消し、冷汗を凍てつかせぬように。・・だが兵士の歌う歌はクリスマスの歌!である。.. 大声で ロシアの森の前線にいるにもかかわらずである。・・           Aus: W.Borchert .1921- 47. Viele,viele Schnee    

         

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

*マーラーとジャン・パウルとリュッケルト:---

2025年02月02日 11時31分48秒 | *H.S.-N.氏の生成AI-活用術より-Goo

* 19世紀ドイツの作家ジャン・パウルには「巨人」Titanという小説があるが、これにインスピレーションを受け、マーラーは全五楽章からなる交響曲第一番「巨人」を作っている。

 また、ドイツ作家で東洋学者のリュッケルトは「亡き子を偲ぶ歌」Kinder-Toten-Lieder という我が子への愛情や喪失感、そして更なる再会を願う気持ちが込められた詩集を書いているが、これにもマーラーはリュッケルトの詩の感情を更に深く表現して歌曲集Funf Lieder nach Ruckert を作曲している。

 その中の一つにはこんな詩がある:---Um Mitter-Nacht  真夜中に

Um Mitternacht hab' ich gewacht und aufgeblickt zum Himmel;

Kein Stern vom Stern-Gewimmel hat mir gelacht  um Mitternacht 

Um Mitternacht hab' ich gedacht hinaus in dunkle Schlanken .

Es hat kein Licht-Gedanken mir Trost gebracht um Mitternacht. 

Um Mitternacht nahm ich in Acht die Schlage meines Herzens:

Ein einziger Puls des Schmerzens war angefacht um Mitternacht, 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする