波乱万丈の人生を送った石川啄木の歌集「一握の砂」に働けど働けど我が暮し楽にならざりじっとてを見るとある。今月からお年寄りの医療費負担増が始まった。一生懸命働き、なんとか「美しい日本」を作り上げてきたのに。週末仕事で今日都内の区役所の前を通るとお年寄りでごったがえしていた。声は聞こえないが白熱したバトルが展開しているように見えた。日本は格差社会と言われる。「みんな同じ、みんな平等」なんて時代はとっくに終わっている。僕の大嫌いな言葉に「勝ち組、負け組」と言うのがあるが何で勝って、何で負けるのか?お金ですか?金持ちのこと?会社かなんかで成功した人?頷けないよなーー。私の祖父はとうに他界したが医者であった。最後は寝たきりで天国へ旅だったが、僕が3歳の時だったので記憶にない。ただ祖父は都内で医療に没頭し勉強して実家に帰り、学校での身体検査等を開業してからも35年間続け、雪の日も雨の日も電話があれば往診に出かけたと言う。その功績で勲五等を頂いた。そんなに母が言うにはお金は晩年無かったと言う。これって負け組ですか?長引く不況や失業率の増加、少子高齢化、他国との付き合い方と様々な問題が大きな山となって残る。「貯蓄民族」である日本人も崩壊の一途を辿っている。金融広報中央委員会が昨年実施した平均貯蓄は約1,422万円!!ホントですか!?ただこれは格差社会の日本として実際の働き盛りの家庭ですら「手取り」を考えると、住宅ローンや納税、年金支払い、育児養育費、食費その他出て行くお金はキリがないのが現状ではないだろうか?昨日、営業に行っておじいさんがこんなことを言っていた。「お兄さんのように頑張って仕事しててもお金がないのよ、今日から医療負担も圧迫されて・・・早く死ねってことなのかな?」と笑いながら言っていたが、僕は笑えなかった。帰りの電車の中でもその言葉が脳裏に焼き付いてしまった。でも僕らは今を楽しく、一生懸命生きるしかないと思う。それを信じ、その先に楽しいことがあると思って日々生活したい。それが人生の先輩達への少なくとも恩返しになるのではないでしょうか?