大好き!藁科川

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日向232ピースの小宇宙

2010年12月07日 | 集落の地誌
年賀状のシーズンが近づいてきました。

相手先を記載するときに、○丁目○番地と数字で表記される現在の住所ですが、かつて使われていた字名といった地名を調べてみると、藁科川上流の日向地区だけでも、その数や「232」!。普段、何気なく目にしている風景や生活圏内が、これだけ事細かに見分けられ、名付けられていることに、とにかく驚いてしまいました。

大きな区分に名前をつけて、後は空間を数字で整然と区切っていくという現代の発想とは異なっているのでしょう。
地名によっては、近隣の名称と重なっていたり、含まれていたり、同じ地名の言いかえだったりするところもあって、区分は細かく複雑で、地層のように積み重なり、いわば一種の小宇宙です。
リストを眺めていると、山や沢、丘、くぼ地、石といった特徴ある土地の一つ一つに、形状や利用形態、似た形からの連想やその土地の由来、生き物との関係や村の中の力関係等によって名付けられ、土地の履歴に溢れています。

こんな地名リストを手にしながら、昔の村人の視線になって、どこがどの地名にあたるのか見当をつけながら歩いてみるのもきっと楽しいことでしょう。
さてと、家の地名はどこかな?^_^;

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『日向地区地名要覧』

1 まこもが原(小学校プール付近)
2 中川原(大川連絡所付近)
3 森の腰(宮の沢口、森林組合前台地)
4 切くい(かり道の対岸)
5 天神(籠沢奥)
6 和田(連絡所うらの台地)
7 小向(番田沢から籠沢の間)
8 竹沢
9 梅平(五郎右衛門宅地)
10 樋口(伝蔵宅付近)
11 下島(中村前の田)
12 栗原前(陽明寺西側一帯)
13 栗原(陽明寺西側一帯)
14 井ノ下
15 河ばた
16 助成(陽明寺前)
17 寺の下(陽明寺下)
18 おごう(栗原から川上一帯)
19 梅津(おごうから川上一帯)
20 田代
21 霜の間間(陽明寺前、県道下)
22 千田(白髭神社前台地)
23 堂下(安倍農協大川支所付近)
24 御堂坂(福田寺参道)
25 ひかげ島(農協対岸の台地)
26 堂木沢(不動ぼつの横の沢)
27 堂沢(福田寺の西側の沢)
28 原かいと(四辻付近の台地)
29 四辻(中村にある昔からの十字路)
30 家の前(日向郵便局付近)
31 寺やしき(かじや林内の庵跡)
32 中村(日向の中心)
33 家の軒(大川中学校の裏山)
34 家の上(中村をとりまうく裏山)
35 家の脇
36 家の下
37 関の平(城山西側の台地、昔の関跡)
38 矢平(諸子沢入口より湯島よりの田)
39 松の平(火葬場付近、藁科八社大明神の旧社地)
40 いも穴ぼつ(いっぼの対岸の山林)
41 川原田(下島の川沿いにあった田)
42 つかいど(簡易水道水源地付近、通称ぬくゆ)
43 いちやしろ(福田寺境内より藁科川へ突き出した台地)
44 うしめん(堂沢口、庚申塔付近)
45 久保田(栗原内にあり)
46 しょから田(中学校寮の前の川より)
47 石の平(しょから田の上方)
48 二ツ石(籠沢川のであいの対岸)
49 井の上(平太夫屋敷)
50 あじや(能又の内)
51 さわばた(茶荒にそそぐ沢)
52 かし穴
53 よき又(石だるから西方全域)
54 かたかし(能又の杉尾境)
55 みさご松(かり道の上方)
56 かまの口(能又の上流)
57 城山(小郷の対岸)
58 大芋地(杉の沢林道の上方)
59 青岩(籠沢の奥)
60 灰焼戸(畑色 東平の一部)
61 ひたいとりば(畑色地内)
62 やなぎ沢(沢ばたの対岸)
63 荷付戸(藁山の上方)
64 くわのたわ(夕暮山の南側)
65 六百地(杉の沢奥の小さなくぼ地)
66 奥ほその(夕暮山すそ)
67 えの木はたけ(横久保沢の南)
68 矢平びや屋敷(矢平の内)
69 こえんもう(本川根町境)
70 白ひむき
71 おうぎばたけ(畑色地内)
72 しい山(畑色地内の南側)
73 西沢たのうちど(籠沢奥、天神ぼつ)
74 むぎや○ひかけ(西沢の対岸)
75 中の平(くるみやぶの内)
76 こじろの段(萩の平の台地)
77 ところのおう(能又の中流)
78 ぬたのおばね
79 さすかわ(西沢の内)
80 ぼていはしば(休石とのだのだんの間)
81 なばりや(茶荒のむかい)
82 いちいはし田の敷(関ノ平内)
83 三八三郎(梅津の上方山林)
84 萩の平(中村上方の山林)
85 菖蒲のぬた(畑色地内、池の段内)
86 野田の段(西沢の上方)
87 市井橋(関ノ平内)
88 めおと石(能又の上流)
89 いやした(畑色下)
90 耳切れ(畑色の上)
91 そとむき(石だるの湯島側)
92 ほその(夕暮山の付近)
93 いぼごなら(籠沢奥の横久保付近)
94 うるしくぼ(西沢と諸子沢の境付近)
95 西沢(籠沢奥)
96 こうのいた(能又奥)
97 つつみのどう(切杭の内、天神沢出口付近)
98 栗の木山
99 藤代(玉川、栃沢との境付近)
100 彦蔵
101 奥平沢(畑色内)
102 水の段(畑色内)
103 あいもの久保(畑色内)
104 池の段(畑色内)
105 はしかけさわ(畑色内あいもの久保南側)
106 丸畑(畑色内)
107 かまぶちの上(原坂の間)
108 牛道(水の段の下)
109 勘次郎地
110 前林(大林下)
111 亀蔵地
112 いや沢(番田沢上流)
113 下栗(竹の沢の内)
114 ふろのたき
115 屋千辻(大川中学校裏山上の辻)
116 台の間間(霜の間間と同じ)
117 もちぶち(能又、かまの口)
118 ひっこし山
119 黒石山(道光)
120 たんでぼつ(畑色地内)
121 火打あら(萩の平東側)
122 大ぞうれ(野田の段下の通称33曲がり)
123 うさぎ石(休み石の上)
124 天山(萩の平と野田の段の間)
125 いしほとけ(篭沢茶荒の奥)
126 よし原(休み石の奥、ゆたん橋ともいう)
127 なぎばたけ(天山の一部)
128 よーぐれだけ(夕暮山)
129 鞍掛沢(横久保と栗の木山の境)
130 おかどう(和田の山頂)
131 きんぜい久保(畑色内)
132 ほつどの平
133 横久保(樫の木峠途中のくぼち)
134 井戸沢(麦焼石ととびのすの間を流れる沢口)
135 休石(篭沢の中間)
136 東平(畑色の上)
137 はたいろ(開拓地)
138 きりのくぼ(立石の向かい上方の山地)
139 たちらほつ
140 二つ石林(切杭と日陰島の間)
141 志なのたわ(栗の木山と向かい合う下側の山地)
142 つくえ平(篭沢、青岩沢との合流点)
143 からすのねば(畑色内)
144 まとふ(小向上の山林)
145 かり道(森林組合とおんせんの間)
146 はづのもと(沢ばた沢の付近)
147 蔵作山
148 ふめの森
149 のだけのほつ(杉の沢の東側)
150 くるみやぶ(道光)
151 大林(畑色下)
152 彦次山(野田の段の東側)
153 とびがみ(下栗の上の方)
154 杉の沢(篭沢堰堤のところ)
155 戸たて山(杉の沢の奥)
156 いね平場(道光ぶちの上)
157 かきのほつ(能又の奥)
158 茶荒(篭沢の中間)
159 れっちだけ(茶荒の向かい)
160 千田沢(堂下を流れる沢の流域)
161 よしの沢山(助大横の沢奥)
162 まあの久保(萩の平)
163 竹の沢(小向と千田の間の台地)
164 馬込山(開拓地)
165 猿小路(能又奥、釜の口山頂)
166 赤なぎ(めおと石と黒木山の間)
167 桃のくぼ(はずのもとの東側)
168 あかも立
169 上の山
170 杉の沢蔵兵エ地
171 岡堂山(かきのほつの隣)
172 とびのす(つくえ平の上)
173 一本栗(大林と畑色の間)
174 石だる(火葬場付近)
175 くろのたき(栗原の対岸)
176 ゆた橋(休石の上)
177 久太屋敷(関の平)
178 むぎ地の沢(大林と関の平の間)
179 道光ぶち(火葬場向かいのふち)
180 うばのふところ(番田屋敷の上)
181 つくろいば(いなぎ山の対岸)
182 上谷沢(立石むかいの山)
183 とっきん石(彦次の山の下方の沢ばた)
184 篭沢
185 いなぎ山(千田と竹の沢の間)
186 ひじりの段(能又、萩尾ぼつの上)
187 ねざさ(畑色内)
188 安永(和田とかり道の間)
189 切屋敷(上和田)
190 ひらば(畑色内)
191 むじな石(篭沢奥)
192 水の本(道光)
193 ほんじゃ(連絡所付近)
194 のみたち
195 森の久保(彦次山の内)
196 岩沢(番田沢の奥)
197 井口(二ツ石付近)
198 榧の木下
199 藁山
200 番田屋敷(小向入口)
201 天神沢(切杭地内)
202 ふるす(切杭地内)
203 天神前(切杭地内)
204 大岩(やなぎ沢奥)
205 黒石の段(萩の平山頂)
206 五輪段(切杭地内)
207 兵衛沢(千田沢の中流)
208 倉の段(いなぎ山と同じ)
209 南天板(堂下と千田の境)
210 原坂(中村との間)
211 不動ほつ(原坂の対岸)
212 うとう(栗原の対岸)
213 いっぼ(栗原の外側)
214 一本松(休み石の向側)
215 かーご沢(33曲がり付近)
216 だいきち(栗原のつづき)
217 たかうちど(彦次山)
218 みさき石(切杭と日陰島の間)
219 すなっとり(篭沢堰堤南側)
220 もみじ山の神
221 へびいし(むじな石手前)
222 善兵衛島(ほんじゃの川むかい)
223 大くぼ(杉の沢頂上)
224 きつね平(岡道)
225 くずれ合い(ところのう)
226 大やしき(能又の奥)
227 六郎平(かたがしとかきのほつの間)
228 三郎平(あじや)
229 久造島(めおといし)
230 なべふせ(かまの口)
231 水神坂(森林組合前の坂道)
232 御堂本(福田寺前)



『ふる里わら科八社(第二集)』
(大川寿大学講座受講生一同.静岡市中央公民館大川分館.1980)
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