山の頂から

やさしい風

男の純情

2009-11-21 23:14:31 | Weblog
 当店の看板娘であった夫の姉は、
愛嬌のある美人ゆえに、その昔、多くの青年等が恋い焦がれたという。
中でもT氏は、その著書・自分史の中で初恋の人と書いている。
そして憚ることなく義姉をマドンナと言う。

 花や野菜を栽培する彼。大きな身体に似合わず繊細でロマンチスト。
義姉の誕生日を忘れることなく、花やケーキのプレゼントを届けるらしい。
そんなヤンチャな夫を、鷹揚に見守っていた奥さんは数年前に亡くなった。

 義姉は、当地から東に小一時間離れた場所に住み、
我が家を手伝う為に車で通ってくる。
T氏も、これまた当地から西に30分ほど離れた所に住んでいる。
そして今朝早くに義姉に渡して欲しいとプレゼントを届けにみえた。

 開けて、びっくり。フルーツ入りのパウンドケーキ。
我々もお相伴に与かった。

 幾つになっても、ひとを思い遣る男の純情。
傍で見ていても心が温まる。
こんな小さな心の弾みが人生を楽しむことと、
改めて感じた一日だった。

 同じく数年前に夫を亡くした義姉に、
今夜は義兄が、「オイ、オイ」って出てくるかもよとからかったが、
義姉は満更でもなさそうに笑った。

 人から優しさを貰って、人に優しさを返す。
世智辛い世の中が、こんな風であって欲しいものだ。
今日の入日は、一段と美しかった・・・