日本と世界

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韓国の対日政策は、WTO提訴再開、ユネスコに書簡送付と強硬姿勢が続いている

2020-07-13 16:44:06 | 日記
韓国の対日政策は、WTO提訴再開、ユネスコに書簡送付と強硬姿勢が続いている。

AERA 2020年7月13日号では、場当たり的ともとれるその背景に迫る。


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 3週間前に行われた日韓外相電話協議から何の進展もなく、懸案だけがまた一つ積み上がった。6月24日にテレビ会議方式で行われた滝崎成樹外務省アジア大洋州局長と、金丁漢(キムジョンハン)韓国外交省アジア太平洋局長によるやり取りのことだ。

 増えた懸案とは、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」を説明する日本の施設のことだ。日本は登録の際、「意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者らがいた」ことに理解を深める措置を取ると表明していた。

 金氏は、同月15日から一般公開が始まった産業革命遺産を紹介する産業遺産情報センター(東京都新宿区)の展示内容に、朝鮮半島出身者への差別を否定する証言などが含まれているとして、是正を要求。韓国は世界遺産登録取り消しの可能性を含め、日本に是正を促すよう、協力と支持を求める書簡をユネスコに送付している。

 他方、滝崎氏は日本側の措置に問題はないと、韓国側の要求を突っぱねた。日本政府関係者は「炭鉱の仕事は過酷だったが、朝鮮半島出身者の証言や給与体系などをみると、差別があったとは言い切れない」と語る。その他は同月3日の茂木敏充外相と康京和(カンギョンファ)韓国外相との電話協議の焼き直しに終わった。

 滝崎氏は、日本による半導体などの素材3品目の韓国への輸出管理強化をめぐり、韓国が世界貿易機関(WTO)への提訴手続きの再開に踏み切ったことに抗議。金氏は、日本が輸出管理措置を巡る日韓協議に前向きでないとして、提訴再開はやむを得ない措置だと反論した。滝崎氏は、徴用工判決で、日本企業の韓国資産が現金化されれば、日韓関係は深刻な事態を招くと警告。金氏は深刻な事態に陥る認識はあるものの、司法に介入できないとの立場を伝えた。

 どうしてこういう展開になるのか。それを解くカギは、文在寅(ムンジェイン)大統領が朝鮮戦争開戦70年にあたって同月25日に行った演説にある。文氏は戦争の惨禍と平和の重要性を訴えたが、同月16日に起きた南北共同連絡事務所の爆破など、北朝鮮による一連の軍事挑発や核・ミサイル開発を非難しなかった。「我が民族が戦争の痛みを受けている間、むしろ戦争特需を享受した国々もあった」と語った。

 これは名指しこそ避けたが、日本を批判する意味が込められている。韓国では、朝鮮戦争を語るとき、進歩(革新)系を中心に、日本の貢献には触れず、朝鮮半島を犠牲にして日本が経済発展を遂げたというとらえ方が一般的だからだ。日本政府関係者の一人は演説について「4月の総選挙で大勝し、2022年5月までの任期中、保守勢力の理解を得る必要はないと思い定めた結果かもしれない」とし、「南北政策で頭がいっぱいで、日韓関係に頭が回らないのだろう」とも語る。演説で遠回しに日本を批判したのも、民族和解を促すため、日本をダシに使った結果というわけだ。

 実際、最近の韓国政府の対日政策は場当たり的な動きに終始している。例えば、日本の輸出管理措置を巡るWTO提訴再開は、むしろ韓国にマイナス効果をもたらす可能性が高い。WTOの場合、手続き完了までに約2年かかるとされ、それまでに文大統領の任期が終わってしまう。しかも、WTOは最終的に裁定する上級委員会が機能停止に陥り、昨年12月から新規案件を受け付けられない状態だ。

 逆に、日韓関係筋によれば、輸出管理措置を巡る日韓協議を担当する経済産業省に対し、半導体など素材3品目を扱う日本企業から、措置を元に戻すよう求める陳情が相次いでいた。同筋は「日韓協議を続けていれば、WTOへの提訴再開より早く、韓国の希望がかなえられた可能性が高い」と語る。

 別の関係筋によれば、提訴再開を働きかけたのは、韓国大統領府の鄭義溶(チョンウィヨン)国家安保室長らだという。鄭氏らは、文大統領が3月1日、独立運動を祝う記念演説で日本を念頭に「未来志向の協力関係に向けて努力しよう」と呼びかけたのに、日本の対応が不十分だと指摘。日韓協議を担当する韓国産業通商資源省に提訴再開を指示したという。同筋は「度が過ぎた大統領への忠誠競争の結果だ」と語る。

 日本政府は公式には、輸出管理措置の強化は、日本企業に元徴用工らへの損害賠償を命じた韓国大法院(最高裁)の判決とは無関係とするが、実態は違う。政府関係者の一人は「輸出管理措置は、判決による日本企業の資産現金化を防ぐ唯一の手段であることは間違いない。韓国の動きで、むしろカードを失わずに済んだのも事実だ」と語る。(朝日新聞編集委員・牧野愛博)

※AERA 2020年7月13日号より抜粋











【社説】ペク・ソンヨプ将軍を弔問するのは大韓民国大統領の義務だ

2020-07-13 15:14:29 | 日記
【社説】ペク・ソンヨプ将軍を弔問するのは大韓民国大統領の義務だ


7/13(月) 8:59配信


朝鮮日報日本語版


 享年100歳でこの世を去った6・25戦争の英雄、ペク・ソンヨプ予備役大将に各界から弔問と哀悼の声が相次いでいる。

ペク将軍がいなければ、今日われわれが享受している自由と平和と繁栄はなかったし、大韓民国そのものが存在しなかっただろう。

70年前に破竹の勢いで押し寄せてきた北朝鮮軍の前で、洛東江に最後の防衛戦を敷いたペク将軍は、恐怖におののく兵士たちに「われわれが引き下がれば米軍も撤収する。

私が後退したらおまえたちが私を撃て」と言って先頭に立って突撃した。

ペク将軍は8000人の兵力で北朝鮮軍2万人の総攻勢を1カ月以上防ぎ、戦況をひっくり返した。

奇跡のような出来事だった。

ペク将軍は仁川上陸作戦成功後、米軍よりも先に平壌に入城し、1・4後退後のソウル奪還の際にも先頭に立った。

 ペク将軍は韓国軍創設にも参加し、休戦会談では代表を務め、韓国軍初の大将になり、陸軍参謀総長に2回就任するなどして韓国軍を再建した。

韓国軍を「民兵隊」のように扱っていた米軍も、ペク将軍にだけは「最高の野戦指揮官」として尊敬の念を惜しまなかった。

在韓米軍司令官が新たに任命されたときは、必ずペク将軍を訪問して転入を報告し、米陸軍歩兵博物館には彼の肉声による証言が永久保存されている。

「6・25の生きた伝説」「救国の英雄」「韓米同盟のシンボル」など、ペク将軍を説明する多くの言葉をいくら使っても、彼の業績を全て説明するのは難しいほどだ。

 ところがこの偉大な護国元老が、自ら命懸けで守り抜いた祖国から晩年に受けた仕打ちを考えると、惨憺(さんたん)たる思いがするどころか信じられないほどだ。



左派執権勢力は彼が日帝強占期に日本軍にいた記録だけを強調し、機会があるたびにあしざまに非難し罵倒してきた。

ペク将軍は日帝治下で生まれた。その世代の人たちにとって、大韓民国という国そのものが想像もできないものだった。

今の観点からその時代を裁き、ペク将軍を「独立軍を討伐した親日派」と呼んでいる。ペク将軍は「当時は中共八路軍とは戦ったが、独立軍など見たこともない」と語ったにもかかわらず、その言葉は聞こうともしない。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領はペク将軍のような人物ではなく、南侵の功績で北朝鮮で重用された人物を「韓国軍のルーツ」と呼んだ。


韓国与党・共に民主党はペク将軍の死去に哀悼の声明は一言も出していないが、これはどう考えても異常だ。

ソウル市長の自殺について「過は過、功は功」として美化する人間たちが、国を救ったペク将軍の「功」からは顔を背け、「過」ばかりを無理やりつくり上げ歪曲(わいきょく)しているのだ。

 韓国政府はペク将軍を12万人の6・25戦友が眠るソウル顕忠院に埋葬するよう求める各界の求めを無視した。

「場所がない」というあり得ない理由で大田顕忠院に埋葬するという。

しかも与党の一部議員らは「親日派破墓法」の成立を推進しているのだから、後になって何が起こるか分からない。

左派団体からは「ペク将軍が行くべきところは顕忠院ではなく靖国神社」という言葉まで出ている。

国と民族のために命をささげた英雄の安息の地である顕忠院にペク将軍が入れないのなら、一体誰が入るのか。金元鳳(キム・ウォンボン)のような人物を移葬するのだろうか。

今の大韓民国を存在させた護国英雄の最後の道が、このような論争の対象になるのは恥ずかしいことだ。

全ての国民を代表する公職者であり、韓国軍統帥権者である大統領がペク将軍を弔問するのは最も基本的な義務だ。