北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】C-130輸送機2700号機納入とFGMTCフランスドイツ多国籍訓練センター,KC-390ミレニアム輸送機

2024-08-27 20:09:34 | 先端軍事テクノロジー
■防衛フォーラム
 今回はC-130輸送機の話題を主として小牧基地で撮影したC-130H輸送機の写真と共に紹介してゆきましょう。

 アメリカのロッキードマーティン社はC-130輸送機2700号機を納入しました。C-130輸送機はハーキュリーズ輸送機として戦術輸送機の決定版ともいわれ、装甲車両の開発などにおいても一つの重量や寸法の目安として、C-130輸送機に搭載できるかできないか、という点が海外市場において販路を左右することになるほどの一種の規格です。

 2700号機を受領したのはアメリカ海兵隊、ノースカロライナ州のチェリーポイント海兵航空基地に展開する第252海兵空中給油輸送飛行隊でした。アメリカ海兵隊ではHIMARSを空輸でき、海兵空地一体部隊運用の観点から固定翼機はもちろん、ヘリコプターに給油するべく低速飛行性能が優れたC-130を空中給油輸送機として重要視している。

 C-130輸送機は製造期間が長いことから少なくない機体が既に退役していますが、アメリカ空軍とアメリカ海兵隊を筆頭に運用国は民間型のL-100を含めて60か国以上で航空自衛隊も運用していて、最新型のC-130J輸送機だけでも世界中で22か国により540機が運用されており、その飛行時間の合計は300万時間に迫るものとなっているという。
■防衛フォーラム
 C-130Jは高性能ですが性能異常に割高となった為に国際市場では新しい選択肢を示す動きが。

 ポルトガル空軍はKC-390輸送機2号機を受領しました。6月29日、ポルトガル空軍はブラジルのエンブラエル社よりKC-390輸送機2号機受領式を実施、すでに納入されている初号機は事実上訓練用に充てられている状況でしたが、ポルトガル空軍によれば、2号機受領を以てKC-390は世界規模の展開作戦に対応することになるという。

 KC-390ミレニアム輸送機、ポルトガル空軍は輸送機5機と訓練シミュレータを8億2700万ユーロで導入することとなっています。開発国であるブラジル空軍も既に4機を運用、計画では22機を調達します。ただ、ブラジル政府の慢性的財政難から一時はKC-390を15機まで調達縮小する案が検討されていた時期があり、輸出が期待されていた。

 KC-390はマッハ0.8と巡航速度が速く、最大23tの貨物を搭載した場合で航続距離は2720km、フェリー航続距離は6240kmに達します。輸送能力はC-130と大差ない性能ですが、速力は国際航空貨物路線をそのまま利用できる水準であり、日本の川崎C-2と並んで2000年代に新規開発される輸送機は高速化が潮流となっているといえましょう。
■防衛フォーラム
 自衛隊のC-130Hも老朽化が進んでいますが何も考えずに後継機にC-130J-30を随意契約のように充てるのか、C-2輸送機に置換えるのか。

 アメリカのC-130とブラジルのKC-390について。C-130輸送機は傑作輸送機として開発以来連綿と改修が行われ続けているため、現代の視点で見た場合でも優れた輸送機ですが、その反面、アメリカ空軍が大量に調達していた時代が終了しているため、一機当たりの取得費用が極めて割高になっているという現状があります。

 比較対象は的確ではありませんが、現在のC-130J-130輸送機の調達費用はフライアブルコストの場合で1990年代のC-17輸送機のユニットコストを上回る水準となっていて、もちろん1990年代のフライアブルコストで比較しますとその場合はC-17の費用が逆転するのですが、C-130H輸送機の時代ほど簡単に調達できないことだけは確か。

 KC-390は、輸送機という機能に特化して取得費用をフライアブルコストで1機2億ドル以下に抑えています。ただ、機体自衛装置など戦術輸送機としての性能はC-130の方が格段に強化されており、結局、脅威度の高い地域に輸送するのか脅威度の高まる前の地域に輸送するのかでC-130とKC-390の優位性が変わってくるのかもしれません。
■防衛フォーラム
 C-130Jについては多国間で運用を統一してしまう事で運用費用を抑えることは出来るようです。

 フランス空軍とドイツ空軍は初のFGMTC訓練を完了しました。FGMTCとはフランスドイツ多国籍訓練センターの略称で、フランス空軍とドイツ空軍が運用するC-130J輸送機の多国籍運用を念頭としている部隊です。ドイツ空軍とフランス空軍は共にエアバスA-400M輸送機を運用していますが、併せてこのC-130J輸送機も運用している。

 FGMTCフランスドイツ多国籍訓練センターの設置は2021年にアメリカのロッキードマーティン社が提案したもので、もともとはフランス空軍のC-130J輸送機導入に併せ、訓練装置や訓練管理システムと整備支援などの一環として、同時期にC-130J導入を計画していたドイツ空軍と一括取得することで費用を抑える方策として提案したものです。

 C-130J輸送機について、多国籍飛行隊が設置される事となったのはその延長線上で、ドイツ空軍にはC-130J輸送機6機、フランス空軍にはC-130J輸送機4機が装備されていて、この10機を以て多国籍部隊が運用、FGMTC訓練はFGMTC設置後初の訓練となっていまして、費用を抑えるとともに二国間防衛協力強化の一環ともなりました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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ウクライナ情勢-キロ級潜水艦ロストフナドヌがATACMS攻撃で撃沈,ロストフ州カフカズ製油所大火災

2024-08-27 07:00:43 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 前回は大破でしたが今回は全損ということでセヴァストポリ軍港はもはやウクライナ海軍の狩場となっています。

 8月初旬に行われた潜水艦攻撃について。少々古い情報となってしまいましたが、8月7日付のイギリス国防省ウクライナ戦況報告においてウクライナ軍が実施したセヴァストポリ軍港の潜水艦攻撃にかんする情報です。攻撃を受けたのはロストフナドヌ、キロ級潜水艦で、これは2023年9月に停泊中を攻撃されていたものと同じ。

 ロストフナドヌへの攻撃はATACMS陸軍戦術ミサイルシステムと無人航空機が連携して実施されたとおもわれ、無人攻撃機による攻撃を先行して実施し、これによりロシア軍防空部隊の対応が飽和状態になったところでATACMSを撃ち込み、撃破したもよう。潜水艦は修理中ないし修理が必要な状況で攻撃を受けたもよう。

 ATACMSの命中によりロストフナドヌの損傷度合いは大きく、残骸というほどに破壊されていることから修理不能とみられ、修理よりも別の新造艦を建造するほかない状況といいます。キロ級潜水艦はウクライナ本土をねらうカリブル巡航ミサイルの運用能力があるため、ウクライナ本土防衛からも最優先目標となっていた可能性があります。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 こちらは若干新しい情報です。なお、流石にセヴァストポリ軍港まで写真撮影に行けませんので今回掲載した写真は平和な時代に舞鶴を訪問したロシア艦の写真です。

 ウクライナはロストフ州のカフカズ製油所を攻撃した、ISWアメリカ戦争研究所8月18日付戦況報告によれば、軍事情報総局が攻撃を実施、ロストフ州プロレタルスクのカフカズ製油所を攻撃しており、現地情報によれば少なくとも2回にわたる爆発を引き起こしたとのこと。ウクライナはロシアの戦費供給源への攻撃を強化しています。

 一方、ISWは同じ日の報告でクルスク戦線について、ロシア軍は5000名の兵員をウクライナ軍に対する防衛に当てているとされますが、ウクライナ軍は6000名以上の兵力を越境させているとみられます。この点についてアメリカのウォールストリートジャーナルは、この地域には20000名規模の兵力が必要になるだろう、と分析しています。

 ウクライナ本土の概況について、ウクライナ軍はスジャ近郊とシヴァンスク南東のイヴァノダリフカ近郊において複数のロシア軍陣地を攻撃し奪還したとのこと。クルスク戦線にロシア軍が投入している兵力は不十分な規模ではありいますが、ウクライナ軍はこの若干の変動を利用して領土奪還をすすめているといえるでしょう。

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【防衛情報】CV-9035-mkⅢC,パトリア社野砲製造再開,マンティコア多用途戦術車

2024-08-26 20:01:16 | インポート
■防衛フォーラム
 チェコ軍導入のCV-90装甲戦闘車はCMS-1外部視察装置を採用します。

 チェコ軍導入のCV-90装甲戦闘車はCMS-1外部視察装置を採用します。このCMS-1外部視察装置とはEVPUディフェンス社が開発した全周囲視察装置で、RWS遠隔操作銃塔などさまざまな装備システムを運用するための電子光学装置となっていて、ズーム方式の通常光と赤外線およびレーザーレンジファインダーを備えているもの。

 EVPVディフェンス社は2001年に創業しましたチェコの防衛企業であり、チェコ共和国防衛安全保障産業協会に加盟しています。同社は光学監視装置や照準装置とRWS遠隔操作銃塔の製造や組立などで実績を積んでおり、CV-90はスウェーデン設計の防衛装備ではあるものの、搭載機材にチェコ製装備を加え濃くない防衛産業を育てるもよう。

 CMS-1は砲塔部分に固定され、車体振動からも安定した観測情報を維持することができるとともに、視察装置本体がNATO防弾規格レベル2水準の装甲防護板により保護されていて、CMS-1などが銃撃などにより損傷することを防いでいます。チェコ軍は22億ドル規模のCV-90を導入契約しており、性能を最大限活かすのが狙い。
■防衛フォーラム
指揮通信車などの用途にパトリア360も検討してはと思う。

 防衛省は日本製鋼とのあいだでパトリアAMVライセンス生産契約を締結しました。これはすでに2023年9月にパトリア社とのAMV装甲車ライセンス生産に関する協定が結ばれており、今回今年度防衛予算に基づく生産契約が正式に行われたことを示します。製造は2024年度が26両となっていまして、契約金額は100億円にのぼるとのこと。

 パトリアAMV装甲車はフィンランドのパトリア社が設計開発した多目的装甲車であり、高い防御力がアフガニスタンの戦場で証明されています。もともと自衛隊装甲車は小松製作所が国産開発する方針でしたが開発された装甲車の評価実験隊での評価は採用に至るものではなく、この結果、小松製作所は防衛産業からの撤退を発表しました。

 96式装輪装甲車の後継に当たる車両で96式装輪装甲車は道路運送車両法を意識し車幅を2.5m以下に抑えてきましたが、これにより車内容積と防御力に限界が生じており、今回大型の装甲車が採用された。一方、96式装輪装甲車は取得費用が1億円以下に抑えられていたため、パトリアAMV装甲車は実質約4倍という高価な装甲車ともなっている。
■防衛フォーラム
 日本の場合そろそろ近代化改修ではなく新型とともに戦車を保管する機動戦闘車の砲塔を備えた装軌式機動戦闘車と共に新型を開発すべきと思う装甲戦闘車だ。

 スウェーデン軍は新型のCV-90装甲戦闘車を取得します。CV-90はスウェーデンのヘルグラント社が開発したもので現在はBAEシステムズ社傘下となっていますヘルグラント社ですが、開発当時から40mm機関砲という大口径の機関砲を搭載し、1990年代の40mmAP弾は第二次大戦中の75mm戦車砲弾の威力に匹敵するものとなっていました。

 CV-9035-mkⅢC、今回スウェーデンがBAE社とのあいだで取得契約をむすんだのは40mm機関砲ではなく35mm機関砲を備えたもので、スウェーデン軍に広く配備されている40mm機関砲型とはことなり、オランダ軍などが導入したものとおなじものであり、火器管制装置などはオランダ軍仕様の中期近代化改修型と同水準のものを搭載します。

 40mm機関砲ではなく35mm機関砲型をスウェーデンが新たに導入する背景には、スウェーデン政府が進めるウクライナ軍支援の一環であり、今回新しく導入されるCV-90の一部はウクライナ軍へも供与されるものとのこと。スウェーデンのウクライナへのCV-90供与は既に実施されており、残念ながら一部の車両は破壊されてしまいました。
■防衛フォーラム
 日本の89式装甲戦闘車は35年間改修せずそのままなものですから。

 韓国のハンファディフェンス社は改良型レッドバック装甲戦闘車を発表しました。これはルーマニアのブカレストにおいて5月22日から5月24日にかけ開催されたBSDA黒海航空宇宙防衛博覧会においてハンファディフェンス社の出展ブースに並んだもの。ルーマニア軍は韓国製防衛装備の導入におおきな関心があるとされています。

 レッドバック装甲戦闘車はオーストラリア軍に採用されるなど実績を積んでいる装甲戦闘車であり、原型は韓国陸軍に採用されたK-21装甲戦闘車、40mm機関砲を備えている装甲戦闘車です。韓国製装備を大量配備した実例としてはNATOではポーランドがあげられ、現地生産などにより厳しい国防費の下でも採用国に経済的恩恵が。

 ルーマニア軍はいまだにT-55戦車現地生産型のTR-85戦車を運用するなど陸軍装備では厳しい財政的背景から大きな遅れを強いられていますが、NATOの一員としての義務を果たすべく戦車についてはアメリカ製M-1A2戦車を導入決定しました。このなかで新戦車と連携する装甲戦闘車が求められ、レッドバックが注目されています。
■防衛フォーラム
 考え直してみると82式指揮通信車の原型となった軽装甲車と派生型の87式偵察警戒車のコンセプトを現代化した様な。

 ルクセンブルク軍はジャガー装甲偵察車など導入を決定しました。26億ユーロ規模となるこのフランス製装甲車導入計画は、ジャガー装甲偵察車、グリフォン装甲輸送車、サーバル装甲車などフランスがスコーピオン計画として開発した装甲車ファミリーを導入し、ルクセンブルク軍の装甲車両を一気に近代化することがねらい。

 ルクセンブルクのユリコバックス国防大臣とスティーブトゥル参謀総長は5月8日、連名でこの装甲車導入計画を発表し、NATOの一員としてのルクセンブルク軍の義務を果たすとともに、フランスやベルギーで導入されているスコーピオンファミリーの調達は相互運用互換性や整備補給の面において大きな合理化が可能だと強調しました。

 26億ユーロで取得するのは、ERBCジャガー装甲偵察車38両、VBMRグリフォン装甲輸送車16両、VBMR-Lサーバル装甲車5両となっていて、特にジャガーは40mmCTA機関砲と対戦車ミサイルを搭載していることから、戦車を持たないルクセンブルク軍には重要な対戦車装備となる見通し。これら装甲車はフランス軍のほかベルギー軍も装備する。
■防衛フォーラム
 パジェロとハーケイの間くらいの車両ですね。

 オランダ軍はマンティコア多用途戦術車100号車を受領しました。マンティコアはイタリアのイヴェコ社傘下にあるIDV社が製造するもので2019年にオランダ国防省は1185両のマンティコア多用途戦術車調達契約を結んでおり、一号車納入式典は2023年11月24日に実施、納入は順調で2024年5月に100号車納入を迎えたということ。

 マンティコア多用途車両は四輪駆動の汎用装甲車両であり、オランダ陸軍、海軍、空軍、海兵隊、憲兵、すべてに導入される計画となっています。汎用型では乗員2名と兵員4名を輸送し輸送型では兵員輸送能力が6名に拡大、装甲救急車として運用する場合には担架2床と衛生兵2名を輸送可能、RWS遠隔操作銃塔も搭載可能です。
■防衛フォーラム
 自衛隊では消えゆく装備ですが空中打撃力というのはかなり使い勝手が良い装備に思えるのです。

 フィリピン陸軍は遅延していたT-129戦闘ヘリコプター受領を完了しました。TAIトルコ航空宇宙産業とフィリピン軍は2億6900万ドル規模の6機のT-129戦闘ヘリコプター調達計画を進めていましたが、最後の2機について元々は2023年前半が納期となっていたところ大幅に遅延し、2024年5月17日に5号機と6号機がフィリピンへ到着した。

 T-129納入は初号機の時点で納入が2023年11月29日と遅れており、フィリピン空軍での運用試験前にフィリピン国内でのTAIトルコ航空宇宙産業支援企業による点検が行われており、フィリピン空軍での運用試験は2024年5月に入り漸く開始されたという。T-129はフィリピン軍の離島防衛において要諦を為す装備の一つと期待されています。
■防衛フォーラム
 日本の場合は多数受注が予定されて急に中断するなど事例が有りましたので製造ラインを拡大する事は大きな決断が必要なのですが需要が有るならば別です。

 エストニアのミルレムロボティクス社は製造施設拡張を発表しました。自律操縦システムを搭載したUGV無人地上車両開発で知られるミルレムロボティクス社は企業としては新興企業ではあるもののUGV無人地上車両開発ではその草創期から実績を重ねていてTHeMIS無人車両は既に18カ国の陸軍などに採用実績を伸ばしています。

 THeMIS無人車両について、ミルレムロボティクス社は年産500両の量産が可能となっていますが、近年の各国陸軍におけるUGV需要の高まりからこの年産500両という水準はあまりにこれを満たしておらず、エストニアのタリンにある同社工場を大幅に拡張し、さらに100名を新規雇用することで年産2500両体制を目指すとしました。
■防衛フォーラム
 ミニガンを積むべきなのかレーザーの方がいいのかミサイルなのか自衛隊にもすぐにでも装備化を急がなければ。

 アメリカ海兵隊は対無人機戦闘車両の開発を急いでいます。小型の偵察用はもとより迫撃砲弾などを正確に車両や陣地へ突入させる簡易無人機の存在は明白な脅威ですが対策は世界各国でも手探りで進められている段階です。アメリカ海兵隊はARV偵察車に近接目標検知用レーダーと機関砲搭載のRWS遠隔操作銃塔を搭載し問題へ臨む。

 MuDRaCEマルチドメインレーダーシステムファミリーという陸軍の太平洋地域を想定したレーダーシステム開発研究を海兵隊は応用する計画を進めており、TPS-80対砲レーダ装置など秘匿性の高い探知装置により無人航空機を探知し、機関砲をそなえたARVにより対応するのが海兵隊の構想で18ヶ月以内に実用試験開始を目指しています。
■防衛フォーラム
 火砲の国産基盤は製造技術が残っていても工員や施設を再度軌道に乗せるのは簡単ではありません。

  フィンランドのパトリア社は野砲製造再開の準備を進めています。これは2022年から続くロシアウクライナ戦争において砲兵の重要性が再認識されたことからパトリア社は榴弾砲の製造再開を模索している一連の流れに基づくもので、パトリア社はその前身となるタンペラ社とバンマス社の火砲製造部門要員を再結集させています。

  155K98というフィンランド軍用にパトリア社は1998年に独自設計の155mm榴弾砲を開発していますが、これは1990年代においてフィンランドが冷戦時代に取得した122mm口径榴弾砲が射程などの面で陳腐化したことを受けて開発したもので、APU補助動力装置を搭載し短距離の自走が可能、56門が製造されフィンランド軍に納入された。

  パトリア社では火砲の製造は2005年に終了しており実に19年間という空白期間がありますが、定期整備などを通じ技術者を維持、今回155GH52という、155K98榴弾砲の砲身を52口径とすることで射程を40kmにまで延伸した改良型を開発していて、パトリア社では155K98からの砲身換装に併せて榴弾砲の製造能力を再開する見通しです。


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ウクライナ情勢-ロシア空軍が地上戦部隊編成,空軍特別機械化狙撃兵連隊を特設しクルスク防衛部隊に編入

2024-08-26 07:00:24 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ロシア軍が早期警戒レーダー部隊を歩兵に。日本でも一応の訓練はやりますが基地防衛など限られた任務を想定しているもので基地防衛の主任務は専門部隊が当たります。

 ロシア軍は航空宇宙軍の要員を地上戦部隊に転用している、これは8月21日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告に示されていたもので、特別機械化狙撃兵連隊を編成しているとのこと。またこの中の人員には早期警戒レーダー要員や長距離爆撃機部隊など専門職の要員が含まれているとのことで、イギリス国防省は人員不足が原因であると分析している。

 海上自衛隊や航空自衛隊でも教育訓練の一環として数日間ではありますが地上戦闘訓練は実施します、それは基地警備の訓練であったり、万一の状況を考えてものものであり、また教官はその際、勿論訓練が修了して後ではあるのですが、航空自衛隊が地上戦をやるようになったら終わりだよ、と最近は知りませんが付け加えたものだといわれています。

 特別機械化狙撃兵連隊は主としてクルスク州防衛に投入されているとのことで、しかし爆撃機部隊要員や早期警戒機部隊要員の養成は簡単なものではなく、歩兵として十分な訓練を受けている訳でも無ければ損耗した場合の補填もまったく時間と費用が掛かるものです。イギリス国防省は、ロシア軍が高い練度の部隊を新編する能力の枯渇とも分析しています。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 逆攻撃、ウクライナ軍の思い切った行動ではありますがロシア軍の兵力抽出状況を見ますとロシア軍のハリコフ再侵攻よりは合理的なものといえる。問題は日本が此処から何を学ぶか。

 ウクライナ軍はクルスク州において28kmから35km前進している、ISEアメリカ戦争研究所8月20日付戦況報告によれば、クルスク州においてさらに前進しており、ウクライナ軍の攻撃目標はクルスク州サリエントの西方、グルシコボライオンのセイム川の橋梁や仮設橋、浮橋など工兵部隊の架橋部隊に集中しているとのこと。

 クルスク州での逆攻撃について、ウクライナ軍のシルスキー総司令官は最大35kmの前進とともに93の集落を掌握、占領地面積は1263平方kmに達している。ウクライナ軍の戦果拡張について、ISWの分析ではロシア軍と防衛当局者間の官僚主義が影響しているとしていて、ロシアのベローゾフ国防相は省庁間の調整会議を発足させました。

 ベローゾフ国防相が設置した調整会議は、クルスク州、ブリャンスク州、ベルゴロド州の軍事担当者と民間防衛担当者を出席者とし、その議長にはイエフクロフ国防次官を配置したとしています。イエフクロフ国防次官は大将に補職されており、ロシアアフリカ軍団司令官としてアフリカとの防衛協力にも当たってきた人物です。

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【M-5撮影特報】カブール.C-550:CAVOURイタリア海軍航空母艦横須賀初寄港(2024-08-22)

2024-08-25 20:24:12 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事
■アルピーノ
 カブールを一番見てみたかったのですけれども随伴艦の方も非常に興味がありましたフリゲイトがやってくるという。

 アルピーノ、イタリア海軍が誇るカルロベルガミーニ級フリゲイト対潜型で、10隻が建造され汎用型が4隻建造と建造中が2隻の合計6隻と対潜型が4隻、アルピーノは対潜型の4番艦となっています。2016年に就役、カブール空母打撃群の唯一の随伴艦だ。

 カルロベルガミーニ級フリゲイト、前々から興味がありました、というのもアメリカ海軍がこの改良型をコンステレーション級ミサイルフリゲイトとして採用したためです。まあ、独自仕様過ぎて起工式の時点で設計が終わっていないなど滅茶苦茶な計画ですが。

 イタリアは工業デザインの国、ステルス設計に特化し過ぎず必要な能力を盛り込んだ範疇でステルス化を進めたのが特色で、満載排水量5950tと護衛艦むらさめ型よりも若干小ぶりで、しかし76mm艦砲を2基搭載するなどしっかりした武装が印象的です。

 76mm艦砲2基、アスター30ミサイルを搭載するシルヴァーA50VLSを全部で16セル、射程180kmのオトマート/テセオ対艦ミサイル8発とこのミサイルを基に弾頭を短魚雷とした射程60kmのミラス対潜ミサイル8発、25mm機関砲に短魚雷発射管など。

 NH-90対潜ヘリコプターも搭載していますが、艦砲を近接防空用に2基も搭載している事と、日本のVアスロックよりも遥かに射程の長い対潜ミサイルを搭載し、なにより上部構造物の、これこそパゴダマストだ、的な形状が、何よりも印象的なのです。

 76mm艦砲が印象的だなあ、と思われるかもしれませんがここはところ変わって横須賀基地、ヴェルニー公園からの撮影です。さすがにここは、混雑が凄いものですね、観音崎は20名くらいの艦船愛好家が、もう少しいたか、牧歌的なものでしたけれども。

 カブール入港撮影、やはりといいますか、ヴェルニー公園の混雑は中々のもので何しろイタリア海軍空母日本初来日、貴重な瞬間だ、けれども過去幾度かこの場所から撮影しまして、出入港ともタグボートが数隻横付けになっている情景が、ちょっとなあ。

 観音崎でタグボートがつく前に先ず撮影しましてから、そのあとでヴェルニー公園に行こう、とまあこんな風に無難な撮影を考えたわけです。高台から撮影する、喫茶店ボナリイさんとかも考えないわけではないのですけれども、混雑が凄そうですしねえ。

 まや、カブール。そういえば、この本場のスキージャンプ台を見るのは初めてかもしれません、前回のスキージャンプ台来日は1997年の空母イラストリアス、ではないでしょうか、VTOL機を短距離滑走させる際に兵装を十分搭載するための発案でして。

 イラストリアス、イギリスのインヴィンシブル級航空母艦が来日したのは1997年、だけれどもさすがに当時、東京まで撮影に行くというよりも、イラストリアス入港という情報を、インターネット黎明期、多分、入港情報とかはWebでは公示されていない。

 逸見岸壁に接岸した訳ですけれども、此処は護衛艦いずも定位置となっている岸壁で、いずも、カブール、共に満載排水量は27000t、大きさは同じくらいなのですが、スキージャンプ台と十分な大きさの艦橋構造物の関係か、カブールは大きく、いや逞しく。

 ヴェルニー公園から、このイタリアの航空母艦をずっとずっと見ていたいところではあるのですが、雨雲レーダーはゲリラ豪雨の接近を、告げる前に、ぽつんぽつんと、大粒の雨が。これは豪雨になるなと直感、慌てて横須賀駅前の高架下に待避した次第です。

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【G3X撮影速報】練習艦隊江田島出航二〇二四【6】近海練習航海部隊・外洋練習航海部隊出航(2024-03-16)

2024-08-25 20:00:27 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■むらさめさんだよー
 艦番号がロービジ塗装となったあとの護衛艦むらさめ撮影はある意味新鮮なのです。

 むらさめさんだよー。第二世代型汎用護衛艦、第一世代型汎用護衛艦一番艦が護衛艦はつゆき、満載排水量は4000tでしたので、むらさめ満載排水量6200tというのは非常に大型化し、そして乗員も自動化により195名から165名へと省力化できた。

 次世代の汎用護衛艦、いままさに研究開発段階となっているのですけれども、重要なのは居住性、護衛艦を職場に選ぶ若者を確保する、という事なのではないかな、と思うのですね。それは過去、未来の護衛艦という話題を“世界の艦船”誌が特集した際に。

 水上打撃力強化とかトマホーク搭載とかステルス設計云々と軍事評論家や軍事ヒョーロン家が持論を挙げる中で、海上自衛隊OBの方はただ一人、帰りたくなる我が家、そんな視点を挙げました。それは居住性を犠牲にしてはならない、ということですね。

 45型防空駆逐艦、イギリス海軍の、初めて東京港を親善訪問した際には撮影させていただいたものですが、その駆逐艦は艦内を極力個室として、特に士官は個室、そしてパブやサロンのような多目的区画を配置し、半年単位の任務に備えていた点が印象的で。

 船体が大型化することによる弊害、というものを考えますと一つはダメージコントロールの負担増大、一つはステルス性の問題、というものが思い浮かびます。ただ、人的リソース確保の観点からしますと、現状の居住性でよいのか、とはおもうところでして。

 サンライズ瀬戸、サンライズ出雲、あのBコンパートメント程度の居住空間を科員居住区に確保するということは不可能ではないのではないか、と。具体的にはステルス設計により上部構造物も船体も傾斜により使用しない区画が生まれる訳で、此処を使えば。

 更に日本の護衛艦の場合は禁酒ではあるのですけれども、1990年代までは週末の飲酒許可などが、PKO派遣の際の同乗ルポなどに記されていた訳で、再度の飲酒許可といいますか、艦内に時間限定で欧州艦のパブやBARにあたる施設を造っていいのではないか。

 帝国海軍の時代には艦内飲酒は許可されていたのですし、現代の視点から見ましても艦内飲酒を許可していないのは日米と、あと台湾海軍、回教国の艦艇くらいではないか、中国は飲酒事故が90年代に多発して、そのあと禁止されたとも聞くのですけれども。

 将来の護衛艦、FFM多機能護衛艦がFFGミサイルフリゲイトに発展するくらいですので、例えばトマホークやスタンダードSM-6を搭載しても、レーザー砲やレールガンを備えていても驚かないのですが、居住性が今のままであれば、ちょっと時代錯誤と思う。

 練習艦隊出航、この話題を考えると少々脱線が、とおもうのですけれども、これから新任幹部として、そして外洋練習航海部隊の参加者はそのまま飛行幹部となり、艦隊航空の主力を担う要員が乗艦しているのですから、母艦についてこう考えてしまうのです。

 江田島撮影、この高台から撮影するのですが、帰路は高田港から広島へ向かうか、路線バスで小用港を経て呉に向かうか、と選択肢があります。高台はもう少し上りますと岩風呂神社という社殿があるのですが、徒歩では更に10分ほどかかり、体力も使う。

 将官艇、海上幕僚長乗船の将官艇も帰路に就いた事ですしこちらも、広島か、呉か、考えつつ帰路に就くこととしました。艦隊出航は考えてみると長い時間ではないのですが、写真などの充実感と共に今回も完了する事が出来、さあ一杯やりに動き始めました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-三重県,伊勢市明野駐屯地隣-熱波襲来いのちの危機を救う冷やし中華

2024-08-25 18:24:35 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 熱すぎてヤバい。

 NHKスペシャル、“熱中症”がなんと驚くことに題材となっていました。“熱波襲来 〜いのち・暮らしの危機〜”、そう、暑いという単語は五月とか十月の単語であって、熱い季節というのが七月と八月、それに六月下旬と九月上旬という、そんな時代です。

 OH-1観測ヘリコプター、250機を調達するという1990年代の決定とともに、しかしミサイル防衛などの予算捻出のために取得費用が削られ続け、とうとう31機しか製造されなかったこの航空機、撮影しましたのは三重県伊勢市の明野駐屯地にて。

 AH-64Eアパッチガーディアンを撮影するのが、この真夏に明野まで歩み進めた背景なのですけれども、この日は滅茶苦茶暑かった、熱かった、なにしろこの明野駐屯地の南側滑走路エンド付近は日陰となる木立が全くない、辛うじて自販機は離れたところに。

 冷やし中華だ、冷やし中華しかない。明野駐屯地から国道の方に、しかし地味に距離があるのだけれども700mか、思い望遠レンズ他を背負った熱中症間近の身体には酷な距離なのだけれども、そこをなんとか頑張って歩いてゆくと太極殿というお店が。

 太極殿さん、通し営業でランチタイムの後もディナータイムまで営業してくれている、らしい、やってなかったらタクシーか救急車で近くの病院かな、と思いつつ歩み進めますと営業中、さあ、コクのある酸っぱい出汁ときんきんの冷えた麺とを頂く。

 冷やし中華、なにもかもが美味、旨い、美味しい。酸味が火照ったからだに透き通る、が、なにより空っぽだったらしい胃の腑に染みわたり、そうか朝は何も食べずにアパッチガーディアンへ電車を乗り継いできたことを思い出します、空腹だったのか。

 酢豚とライスを中華注文、いや追加注文、そう、熱中症直前の、云われてみると手だけは痙攣していたような気がする中で中枢神経が熱にやられていたのか、空腹感も感じられていなかったのですね、冷やし中華で胃の腑が落ち着いたので、追加注文だ。

 美味そうな写真ですが実物はもっとすごい、干天の慈雨というような旨い中華料理屋、伊勢の砂漠に中華のオアシス、そうだよなあ、シルクロードは中国を通っているのだしオアシスといえば中華もあるのかもしれない、そんなことを思い出す酢豚です。

 太極殿さん、酢豚を目の前に置いてみてふと思ったのはここ、同じ名前の甘味処が京都の高倉通のところに在ったよなあ、ということなのだけれどもこちらの太極殿さんは冷麺だけでも焼き豚やエビに五目と四種類、もちろんほかのメニューも凄い。

 おつゆもご飯と共に付けまして、何かこう、疑似酢豚定食のようになった。冷麺で胃の腑が落ち着いたからこそ、考えると、この、〆ものを最初に入れたことが、よかったのかなあ。チンジャオロースとか、滑蛋ロースとか、今度はたべてみようか。

 お店の方に、タクシーの配車をお願いできるか聞いてみますと、できますよとのことでしたので、その前に詰めたいウーロン茶を一杯注文します、グラスまでキンキンに冷えたウーロン茶は酸く運ばれてきまして、熱中症手前、これでなんとか乗り切ったか。

 ウーロン茶とともに。熱中症、対策は一応していた、だから一歩手前で済んだともいえるのだけれども、凍ったペットボトル飲料を両脇に挟んで、そして多めに水分を執ったり塩分を含んだタブレット、iPadじゃないほうの、を準備したりして。

 太極殿さん、結局一番の熱中症対策は、涼しいところでしっかり食べてゆっくり休んで、ということなのかもしれない。こういう日中には二時間ほど休憩時間を挟まなければ危険な熱さ、生命への危険というものを考える時代になっているのですね。

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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-千本今出川,茶道華道戦車道とそして珈道は未知との遭遇の凄いコーヒー

2024-08-25 07:01:43 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 日常の中にも驚きというものは数多あるもので気付くかもしくは少し歩み進める方角をそう例えば僅かに数ミル変えるかで出会うかそうでないかが決まるのかもしれません。

 京都には様々な珈琲の名店が並んでいまして、いや実は多少は知り尽くした程とはいかずとも既に全国700以上の喫茶店を巡っていますのでそれなりに珈琲にはどんなものがあるのかを知り尽くしたつもりではあったのですけれども、奥深さには実は果てが無い。

 ビールのなかでも黒ビールは焦がした麦芽を用いるという事で、その焦がす過程が珈琲のような風味を醸す、とはいわれているのですがそれならばビールのような珈琲が何故ないのか、というのは黒ビールのグラス片手には思うところでしたが、逆はないのか、と。

 珈道、これは華道や茶道に戦車道といろいろな道があるのですが、ここ珈道というのは千本今出川にあります喫茶店でして、それも偶然と時代行列が目の前を通るまで、予定より一時間ほど遅れているようです、と警備の機動隊員さんに聞いた故にたちよりました。

 コーヒー、黒ビールのような、といいますとどんな想像をされるかはお任せしますが、言い換えるならば禁酒中の方が口にしたならば騙されるのではないかな、というほど、いやお店では別に黒ビール風味をうたっている訳ではないのですが、きつい酸味がそう醸す。

 トニックウォーターを多層のアイスコーヒーに浮かべている、こう書きますとビールのようなという表現が理解して頂けるでしょうか、マスターさんいわく、急にかき混ぜると炭酸が発泡して溢れてしまいますといわれましたがなるほどトニックウォーターゆえん。

 アイスコーヒーで、しかし急いで飲むものではなくゆったり嗜むのような珈琲、最初からうっすらと甘みが醸されていまして、ここに珈琲由来の酸味とトニックウォーターの炭酸のもともとのぱちぱちした感覚が相乗して、不思議な味覚と味わいを醸成するのですね。

 ああ、こんな珈琲もあったのか、この珈道さんは一階部分がカウンター中心の配置ですが二階部分はゆったりとしたソファーで時間をそれこそ贅沢に過ごせる塩梅となっていまして、不思議な珈琲と出会いたい方には、ちょっとお勧めできるお店なのかもしれません。

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【G3X撮影速報】富士学校開校70周年富士駐屯地祭(1)日米装甲部隊式典会場入場(2024-07-21)

2024-08-24 20:18:37 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■富校祭二〇二四
 真夏も猛暑酷暑にも負けず今年もやってきたぞ富士駐屯地という富士学校祭の話題をお伝えしましょう。

 富士学校、富士教導団の置かれているのがこの富士駐屯地です。戦車がずらり並ぶ様子、といいたいところですが、戦車教導隊あらため機甲教導連隊はこの春にまた1個中隊削減されて戦車中隊は3個中隊しかのこっておらず、若干みためはさびしい。

 第1機械化大隊が参加してくれれば戦車中隊が増えるのになあ、と、富士教導団の仮設敵部隊のことをすこし考えてしまうのです。そしてあたりまえですけれどももう、74式戦車の姿はありません、ことし三月に最後の1両まで用途廃止されましたゆえ。

 機甲教導連隊、第3世代戦車と第4世代戦車、10式のことを4世代とよんで過言はないと思う、さてこの戦車の並び、主砲のほうに商店が集まるように構図をきめてみたのですが、ほかに戦車を見るには遠くなったゆえに、やはり力強くみえるもの。

 120mm戦車砲に105mm砲、16式機動戦闘車の105mm砲は独特の砲口整退器がいっけんしてよくわかる構造となっているのですけれども、並びますと、まあ、有事の際にも何とかなるのかもしれない、そんな安心感が、いや、3戦車とか無くなるとできないか。

 戦車、この春、第10戦車大隊、第9戦車大隊、第13戦車中隊がそろって廃止されましたので、本州から実戦部隊の戦車部隊は廃止されてしまい、といっても九州に2個中隊基幹の西部方面戦車隊、実質戦車は北海道だけ、となってしまいましたわけで。

 少子化による募集難といわれますが、結局普通科ならば一個小隊に30名必要ですが戦車小隊ならば12名程度、少子化というならばまた人員の損耗も避けねばならないわけで、すると戦車部隊を中心に普通科を支援する編成にきりかえたほうが、とも。

 アメリカ海兵隊の入場です。ここ数年間はアメリカ海兵隊が限られてゆく自衛隊機械化部隊を補填してくれる。軽装甲偵察中隊の装備です。海兵隊はLAV-25を軽装甲偵察大隊に配備していて、これが小型でしかも十分な前衛などを撃破する能力がある。

 LAV-25、軽装甲偵察大隊ではLAV-25を56両と対戦車型のLAV-ATを16両、汎用輸送型のLAV-Lを12両と迫撃砲搭載型のLAV-Mを8両に回収型のLAV-Rを4両と指揮通信型のLAV-C2を4両という、自衛隊の偵察部隊よりも遙かに強力な装備をあたえていまして。

 ピラーニャシリーズの初期型を1980年に海兵隊が採用したのがLAV-25,設計は古く特に装甲なんかはいまの装甲車と比較しますとかくだんに薄いのだけれども、車幅は2.5mと日本の道路運送車両法では普通の大型車扱いとなっていて、自由に運用できる。

 特殊大型車も防衛出動命令がでていれば、届出不要で自由に道路を通行できますが、毎日演習に幾たびに演習場と駐屯地のあいだに政府が防衛出動命令を発令するわけにもいかない、車輪が小さいので不整地突破能力も低く車内は狭く一個班は乗らない。

 しかし、25mm機関砲はそなえていますので、戦車の目の前に突進でもしなければできることは多いですし、浮航能力がありますから、たとえば水害の時などに災害派遣するならば、街の半分が水没している状況でも道も水上も動けるという点は重要です。

 自衛隊に必要なのは、パトリアAMVの装甲の厚さは魅力なのかもしれないけれども、軽装甲機動車とおなじLAVというこの装甲車を、毎年コマツで150両から200両程度ライセンス生産をお願いして、幅広く配備することではなかったのかなあ、とおもう。

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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-三条商店街,小市民シリーズみたくスイーツに行ったのに氷菓に

2024-08-24 14:49:01 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 京都寺町三条のホームズ、なんて作品が在ったけれども寺町三条は観光客で混雑して暑苦しいのでもう少しすいている三条商店街の話題だ。

 小市民シリーズという氷菓の原作者さんの小説、そのアニメーションに影響されたという訳ではないのだけれども、スイーツを頂きたくなりました。スイーツ、考えると持ち帰る事とか頂き物は多いのですが、お店で頂く。まずはアーケード街の三条商店街へ。

 氷菓。氷菓、うん、氷菓、まあ、そうなるな。熱かったのでケーキよりもかき氷を頂くことにしちゃいました、ここはスイーツカフェキョウトケイゾー、古民家を改造した様な外見の奥には坪庭が望見できる長いカウンターとお洒落なテーブル席が置くへと続く。

 抹茶氷、ホントはイチゴ氷が食べたかったのだけれども、なんでもこの宇治抹茶氷というのは夏季限定で、その限定期間中はイチゴ氷は販売されないのだという。宇治抹茶は、なんでお茶甘くするのさ、と苦手なのだけれども、まあ、消去法でいくとこうなる。

 かき氷、最近は値段高騰が凄いのだけれども、たこ焼き屋さんとかのがりがり氷とくらべると、値段の張るところのものは、たしかに、甘さが上品に溶けてすうっと透きとおるような世界観という、ブルーアーカイブのアニメみたいな独特の清涼感が響きます。

 写真を撮影しているその合間にも見る見るうちに溶けてゆき、それは夏の入道雲のように瞬く間という他ない程かたちがかわってしまいますから、そう、急いでたべはじめるのだけれども。昔は急いで食べると、頭にきいいん、と疼痛が来るといわれたものだけれど。

 真夏の暑さというか熱さ、緊急冷却のようなかき氷には頭の疼痛など来ないというか来てくれない事が現実でして、毎日が熱中症と背中合わせで暮らしているのだなあ、と、仕事場が冷房完備なのに感謝する、人間弱くなった、のではなく40度前後の環境がおかしい。

 スイーツカフェキョウトケイゾー、深夜アニメの小市民シリーズ影響を受けて岐阜ではなく無関係に京都の三条へスイーツを愉しみにわくわくしながらいったつもりなのに、なにか氷菓になってしまった、これってミステリー?、いえいえこれが夏の恐怖、熱さです。

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