北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】春日井駐屯地創設57周年記念行事(1)41℃温度計指す灼熱真夏の自衛隊行事(2024-07-07)

2024-08-03 20:23:54 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■春日井駐屯地祭二〇二四
 暑かったというか熱かった。いやあらためて今考えてみるとその後の今津も百里も富士も明野も涼しい所なんて無かったのだけれども。

 春日井駐屯地にて記念行事参加部隊が行進で式典会場に入場します。緑色が武器科で茶色が施設科、紫色が輸送、でしたか、記憶があいまいなので調べると施設は茶色ではなく海老茶色、というそう。例年は此処に橙色の部隊旗が並んでいたのですけれども。

 橙色の部隊旗は機甲科を示していまして、今年三月までここには第10偵察隊が駐屯していました。しかし、移駐ではなく廃止改編されてしまい、同日付でやはり廃止改編された今津駐屯地の第10戦車大隊と人員を編合し、豊川駐屯地第10偵察戦闘大隊となった。

 第10後方支援連隊、連隊旗とともに連隊幹部が入場します。職種カラーは涼しげですが、もうこの時点で気温は35度を超えている状況でして、そう、春日井というのは愛知県の濃尾平野、つまり熱がこもって全国屈指の暑さというか熱さとなっているところ。

 部隊紹介、そして並ぶ部隊へ凄い真夏の日差しが。これ、見ていると物凄く暑そうに見えるのですが時計を見てみるとまだ十時前なのですね、式典開始は1000時からですので、そう、式典前の時点でこれだけ暑そうに見える、いや、実際暑かった、熱かった。

 第10施設大隊、本部管理中隊と3個施設中隊の中隊旗が一斉に旗の敬礼動作、師団施設は戦闘工兵、として編成された歴史がありますので、障害処理に障害構築と野戦築城とそして渡河、この最後の渡河を除けば全部この真夏には熱そうだなあ、という印象で。

 観閲部隊指揮官入場、やはり熱そうだ。ヒートストレスとともに日本の場合は湿気が、湿気というのは東南アジアでも当てはまることなのですけれども、響きまして、ここに戦闘防弾チョッキなど個人防護装備を着こむわけですから、息苦しさは想像を絶する。

 観閲部隊指揮官へ敬礼、感謝の駐屯地と言われる春日井駐屯地ですが、それはおそらくこの駐屯地記念行事の際に営門の“ありがとうございました”の特設門にしるされた文字が写真を撮るとほぼ必ず入ってしまうからなのだろうなあ、と推測するところです。

 業務車3号にて執行者入場、いつかはクラウン、という言葉がありましたが自衛隊では業務車3号といいますとそれなりに高い幹部でなければ乗ることができませんので、当て嵌まるのか。多忙故に仕事の末偉くなっていていつの間にかクラウン、という事も。

 荒川ゆかり1等陸佐、第10後方支援連隊長、兼ねて春日井駐屯地司令の登壇です。後方支援連隊長は師団第四部長を兼ねる高級幹部、此処に漸く女性幹部が上番出来るようになりましたので、此処の分野でようやく同盟国に少しだけ追いついた構図でしょう。

 執行者に対し敬礼、荒川連隊長が整列した部隊に対し答礼します。しかしこれ、常装夏服に見えないのですが、気温も相まって暑さが心配になるのです、まあ、これも素材は夏服、ということなのでしょうか。制服にかんしての種類はちょっとわかりにくい。

 41度の温度計、車載温度計はこの日41度となっていて、春日井市の最高気温は37度だったと気象台は発表しているのですけれども、こういうのを危険な熱さ、というのだろうなあと思うのです。いっそ、業務服として空調服の迷彩2型を用意すべきでは。

 巡閲。荒川連隊長が整列した部隊の前を巡閲します、例年三月に行われています春日井駐屯地祭は今年三月の部隊改編の多忙により、気温の高い愛知県、まさかの真夏開催となったところなのですが、いよいよ式典が炎天下に陽炎とともに開始されたわけです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-静岡,御殿場駅前ビストロで今年もステーキとワインと小説と

2024-08-03 14:41:42 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 はるな艦内が描かれていた為に日本沈没が良かったという訳ではないのですが真夏のこんな時期だからこその読書とグルメの話題をひとつ。

 小松左京を愛読する当方、すでに故人となられたSFの大家ですが膨大な短編集と壮大な世界観の長編に唸らせられる視座に富んだ中編は、特に未読の短編なども散見され、しかし日本沈没などはその作品世界の哲学性に、実のところかなり影響を受けたもの。

 静岡麦酒、この情景、覚えておられるでしょうか、ちょうど一年前にも探訪した御殿場駅前のビストロさんです。そして、この一年前は富士学校の際に探訪した晩酌のお店なのですが、一年前に探訪した際に懐に一冊の小説を抱えて探訪したところも今回と同じ。

 日本沈没、とはじめ急に鮮やかな色とりどりの自家製ピクルスにお通しのバーニャカウダとビール、日本沈没の壮大叙事詩を序章に記した次の写真がいかにも居酒屋然としているところなのですが、まあ、小松さんの作品はこういう急な日常感が出てくるし。

 佐藤大輔、こちらも残念ながら故人となられた方なのですが、この方の小説を一冊片手に、今年も御殿場駅前のビストロを訪問した次第です。昨年九月の富士学校祭前日に、“遥かなる星”という佐藤大輔氏の小説、SFともシミュレーションものとも、を片手にね。

 バーニャカウダはお通しだったのか、昨年は“遥かなる星”に没入していましたのでお通しかどうか考えずに、写真だけとっていた。熱い一日の夕暮れに夏野菜を、熱いんだけれどもぐつぐつ煮立つソースに潜らせて口に、食感と味と、やはりまた食感を愉しむ。

 ステーキも昨年、同じように注文しましたのでもう一度、ビールもステーキも昨年と同じなのですが、片手にしています小説の方は“征途”という作品としていまして、いやどうしても新書版が欲しかったので方々で探したものなのですけれども、これ片手に。

 横山信義のSF作品は、大昔に雑誌“丸”の書評で“八八艦隊物語”というものが紹介されていて友人に薦められ、“東京地獄変”という作品を読んだことはあるのですが、面白かったけれども、トムクランシーやラリーボンド、森詠さんの方がいいなあ、と当時は。

 ラリーボンドを挙げるあたり、架空戦記というのは、あったらいいなあ、の歴史誤謬改訂というよりも、いま緊張関係にある地域で仮に実際に戦争が起こったならばどうなるか、という視座が欲しいもので、すると日本では石黒耀の死都日本の方が好きなもので。

 征途とグリューワインを。佐藤作品、薦められて書店の書架に見つけ、取り敢えず手に取ってみたものの、90年代を背景に日独が宇宙戦争を始めているような描写が最初に目に飛び込んできたので、個人的には話題のちょっと飛躍が、宇宙だけに、過ぎるなあ。

 小林源文氏、劇画家の方が架空戦記ならば佐藤大輔に限る、と著書に強調されていまして、いやいや、ラリーボンドだろう、とおもい読んでいたのが学生時代ですか、日本の架空戦記ならば逆に鳴海章の原子力空母信濃シリーズを読んだくらいでしたので、ねえ。

 池波正太郎、山岡荘八、吉川英治、どちらかというとこういった方の作品に傾倒するか、ライトノベルを新快速の車窓と共に愉しむことが多かったものですから、と池波文学の現代版があれば出てきそうなおでんの天麩羅とともにページを捲りあげるのです。

 日本沈没を完結させられる人物は、いきなり中央アジアの山中に部隊を飛ばしてしまった谷甲州氏よりもこの佐藤大輔のほうが相応しかったのではないか、と思うのですね。もし、遥かなる星に続編があれば、見知らぬ明日を説得力で描けたようにさえ考えて。

 富士学校祭に併せて、今年も面白い小説に、新作ではなく古い作品なのだけれども、見つけ出すことができたというか、掘り出すことができたというか、幸いに思うとともに、これ、執筆準備に時間がかかりそうだなあ、と日本沈没と似た印象を覚えました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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ウクライナ支援F-16戦闘機第一陣到着,戦闘機のiphoneというべき傑作機の可能性と西側戦闘機受入の課題

2024-08-03 07:00:19 | 国際・政治
■F-16到着
 F-2戦闘機はF-16を原型に思い切った新技術を動員して素晴らしい戦闘機としましたが次々と改良型が出される中で特にF-16Vと比較すると優位を誇れなくなっている、これがF-16の強み。

 7月31日、ウクライナへアメリカ製F-16戦闘機の供与機第一陣が到着しました。アメリカ政府は7月中に供与すると発表していた為、ぎりぎりではあるが約束は守った構図です。到着したF-16の数は限られていますが、今後増強されるという。ウクライナ政府は2022年以来長らくF-16戦闘機供与を切望し続けてきましたので、ようやく実現した事となる。

 MiG-29戦闘機など開戦の時点で配備されていた戦闘機のかなりの数が破壊されるなか、ウクライナへF-16供与決定は2023年に為されたのですが、MiG-29ほか旧ソ連製戦闘機とは根本から運用思想が異なり、また操縦システムも操縦士に求められる能力も異なる事から、機種転換訓練に長い時間を要したのですが、ある意味でこれは転換点の端緒となり得る。

 F-16戦闘機はiphoneのような戦闘機と云えるのかもしれません、それは戦闘機そのものは平凡な性能ですがアプリのように各種センサーと各種ミサイルや改良型レーダーを搭載する事で、性能面と云いますか可能となる任務遂行能力が第五世代戦闘機のF-35戦闘機に迫る水準まで強化されるのです。いや、F-16を生んだ国だからiphoneがうまれたのかもしれません。

 Block72、F-16戦闘機はblockとして段階近代化改修が踏まれているのですが、block72や80となりますと搭載レーダーの性能からロシアのSu-57や中国のJ-20といった第五世代戦闘機でも厳しい戦いを強いられるのかもしれません、そして日本の三菱F-2ですが、F-16block32ならば圧倒的に優位ですがblock52では性能が迫り、block62以降となると。

 F-16block62からはF-2のAPG-1と同じAESA方式のAPG-80レーダーが搭載され、能力が圧倒的に向上しました。すると、ウクライナへ供与されたF-16戦闘機がどの程度能力向上された型式であるのかが大きな関心事となります。供与されるF-16はNATO諸国でF-35戦闘機を導入した際に退役した機体なのですが、しかし相応に能力向上は為されています。

 ただ、忘れてはならないのはF-16は西側の戦闘機でありNATOをはじめとした空軍作戦体系への適合を念頭に設計されています。航空阻止や近接航空支援に防空制圧と制空戦闘、そこで留意しなければならないのは、MiG-29の穴埋めに単純いF-16を当てはめる場合、能力を発揮出来ない可能性があり、作戦体系そのものを転換させる必要がでてくるのです。

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