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【M-5撮影特報】第10師団創設62周年記念守山駐屯地祭,能登半島災害派遣と並行し挙行(2024-08-22)

2024-10-13 20:24:35 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事
■第10師団祭
 今年最初となるのか、色々ありました関係で何処其処も行く事が出来ませんでした師団祭に久々に行って参りました。

 第10師団記念行事、本日挙行されました。師団祭は晴天に恵まれ絶好の行事日和というところ。第10師団は東海北陸地方を防衛警備管区として受け持つ中部方面隊隷下の師団で、師団は1962年に第10混成団から師団への改編を受け62周年を迎えました。

 師団司令部は名古屋市守山区、名鉄瀬戸線守山自衛隊前駅から交差点を挟んだ先にあり、名古屋市中心部からはちょっと静かな小幡緑地が広がる、けれども小幡には訓練場もある、瀬戸物で有名な瀬戸市にのびる瀬戸線沿線に所在する駐屯地です。

 守山駐屯地祭、実は開催が危ぶまれていたのは能登半島豪雨の発災でした。元日の能登半島地震、その復興に着手する復旧が漸く目処が、という状況での豪雨災害は震災を生き延びた家屋や道路網を破壊し、第10師団も金沢の14連隊を中心に災害派遣を実施中だ。

 能登半島豪雨、能登半島地震、今回の師団祭はこの双子の災害への一分間の黙祷から開始されました。災害派遣は中部方面隊も第4施設団を中心に全力で支援しており、この関係で中部方面隊記念行事は大幅縮小とともに一般公開が中止されたのはご存じの通り。

 師団は三月の改編で、第10戦車大隊廃止、第10特科連隊廃止、第10偵察隊を中心に偵察戦闘大隊を新編するという改編を行いました。FH-70榴弾砲が編成から無くなり74式戦車が全廃されていますが、1個中隊だけ16式機動戦闘車が配備され、改編を完了した。

 装甲車くらいは今後十年で増強されるのだろうか、陸上防衛の必要性に疑問符を突きつけるか違いますが、全面戦争と限定戦争の違いを知らない軍事音痴というものであり、限定戦争に全面戦争で応じれば、そうやって拡大したのが大東亜戦争であったのだから。

 防衛力増強を金額だけで計算できるものならば、これだけ増えて云々、と別の感想があるのかもしれませんが、21年間にもわたる増額無き防衛費の下でのミサイル防衛事業により疲弊した防衛力を別方向に転換したことでの費用増大が響いている構図に思えて。

 戦闘機の数が増えたわけでも、護衛艦と掃海艇を含めた装備が増えたわけでも、戦車は大きく減って火砲の数も減って、部隊の規模もどんどんちいさくなり、これで防衛力増強と言われても、そんなものはお役所用語と書類の上の増強だけではないか、と。

 しかし、重厚な装備があってこそその余力により担えるMOOTW非戦争軍事作戦、筆頭にあげるのは我が国では災害派遣なのですが、この能力が大きく低下しているところに能登半島における双子の災害があった、これは我が国にとって不幸であったようにも。

 MOOTW,主任務とはなりえないのですが、火砲があってこその観測ヘリコプター、が災害発生時の迅速な情報収集を担う。戦車があってこその重厚な兵站能力と戦闘工兵、が災害時の孤立地域の道路を復旧し被災地に巨大な輸送力を発揮できる。

 南海トラフ地震、考えれば来年は阪神大震災発災30年であり今年は警戒情報も出た、実は中部方面隊は南海レスキューとして、最大規模の災害派遣演習を来年計画していて、滋賀県HPによれば来週にはUS-2救難飛行艇を事前訓練として琵琶湖に降ろすという。

 師団は、そう来賓祝辞では防衛力に期待しつつ目に見える期待は災害派遣というところでして、これMOOTWの本義を、というよりも防衛についてもう少し社会全体で学べる機会がなければ民主主義国家として懸念する、とおもいつつ、行事を撮影していました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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