北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

新しい88艦隊を考える二〇二四【2】八月八日は88艦隊の日,日本だから入手できるF-35Bをいかす

2024-08-12 20:01:17 | 北大路機関特別企画
■全通飛行甲板型の護衛艦
 新しい88艦隊を考える。

 ひゅうが型護衛艦、いずも型護衛艦、日本には全通飛行甲板型の護衛艦としてこの二種類が現役です。いずも型護衛艦は航空機運用を重視し個艦防空能力を最低限とした一方で船体規模を十分確保し満載排水量は27000t、ひゅうが型護衛艦は艦砲を除けば汎用護衛艦並みの戦闘能力を持つ分船体規模は抑えられ満載排水量は19000tとなっている。

 インヴィンシブル級軽空母が満載排水量20500t、F-35Bは開発開始のJSF計画当時にこのインヴィンシブル級に搭載する事を念頭としていましたので、いずも型護衛艦の規模の護衛艦を8隻揃える、というのは一種の浪漫を感じる一方で、国力を考えると現実的なのかな、と考えますと、22000t程度に抑えるのが一つの方向性として妥当なのかな、と。

 ミストラル級強襲揚陸艦の満載排水量が21500t、もっともフランスはF-35戦闘機を採用していませんのでミストラル級にF-35B運用能力は想定されていないのですが、近年はトルコやエジプトにアルジェリアやカタールと全通飛行甲板型艦艇の運用が増大している中にあって、過小過ぎず過大過ぎない船体規模なのだろうと考えるのです。

 全通飛行甲板を有するヘリコプター搭載護衛艦が8個護衛隊すべてに配備されたならば、できることは大幅に増えます。まず、1990年代にモジュール艦という、武装をコンテナモジュールに載せて任務ごとにモジュールを載せ替えるという、発想だけ先行して実用化に失敗した構想がありました、これが航空機ならば実現が容易いといえるのです。

 モジュール艦は小型艦に対艦ミサイルを積んでミサイル艇、掃海システムを搭載して掃海艇、対空ミサイルを載せて護衛フリゲイト、として転用できいるという発想で一部の国で検討されごく僅かに建造まで達しましたが、モジュールの管理費用とモジュールごとの訓練費用がかさみすぎるということで、既設艦を含め、ほぼほぼ実現していない。

 ヘリコプター搭載護衛艦であればしかし、モジュール艦の任務を対応できる。AH-64D戦闘ヘリコプターとMV-22可動翼機にCH-47JA輸送ヘリコプターを搭載しますと、強襲揚陸艦とかコマンドー空母という任務に対応しますし、SH-60KやSH-60Y哨戒ヘリコプターを定数通り搭載しますと対戦中枢艦に、もちろんバートレップ輸送も対応し。

 航空機そのものを載せ替えるのは数時間で可能で、搭載機をF-35B戦闘機とSH-60Y哨戒ヘリコプターに切り替えるだけで対戦中枢艦にもなりますし、MCH-101掃海輸送ヘリコプターを数機のせかえるだけで掃海母艦にもなります。モジュールではなく航空機ならば、なにしろ発艦したあとで別の機体を着艦させるだけで完了なのだから。

 重要な点は、飛行甲板に並んでいる航空機はともかくとして、格納庫になにを搭載しているのかは一見してわからない、ということで、それはモジュール艦にはない、手の内を示さないという点で大きな意味があります。戦闘機を搭載しているのか、哨戒任務だけなのか。相手に不確定要素をつきつけられる点もポテンシャルといえる。

 ヘリコプター搭載護衛艦一隻だけでは中国空母に太刀打ちできない、こういう反論はあるかもしれません、しかし、だからこそ、数の優位性を示せるためにその増強が必要だとヘリコプター搭載護衛艦の有用性を指摘したい。戦場はスポーツではないのですからかならずしも1対1で決闘のような戦いを行うのではないのです。

 大型艦は大きな能力を集約できる利点はありますが、同時に二カ所に展開することはできません。そして、複数の方面に分散運用できると言うことは同時に、相手に分散を強要することもできる。もちろん、中国が戦闘機を運用できる航空母艦を8隻整備したならば話は多少変わってくるのですが、今でようやく3隻なのです。

 日米同盟とF-35B,遠くない将来に中国にも垂直離着陸と超音速飛行が可能でステルス設計をもつ第五世代戦闘機が開発される可能性は否定しないのですが、中国はまだ、VTOL攻撃機を実用化できていませんし、第五世代戦闘機もJ-20とそして試作機でJ-31を開発し艦上機として用いる研究はすすめられていますは、まだ先のはなし。

 JSF計画は、F-15C戦闘機とF-16C戦闘機にF/A-18C戦闘攻撃機やA-10攻撃機とAV-8攻撃機を一機種で置き換えるという、実用化数年前までは、さすがに無理だろう、と思わせる計画を大量の予算をつぎ込んで実現させた航空機です。故にコンセプトと予算集中というマネジメント能力だけでも未来を手にできた航空機、これを搭載できるのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-錦市場,牡蠣を食べよう-兵庫県産と岩手県産に宮城県産

2024-08-12 14:11:44 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 終戦記念日は間もなくでその次は五山送り火かあと思いつつあの年の八月十五日はどんな季節だったのだろうか、熱かったのだろうかなあ。

 京都市内でも二時間三時間のゲリラ豪雨があれば、勿論紙屋川とか高瀬川が増水して大変なことになる地域も出てくるのでしょうけれども、それでもこの蒸し暑さだけは何とかなってくれるのだろうかなあ、と無料サウナの如き酷暑に感じ入るのですけれど。

 降りそうで降らないのだ。この蒸し暑さでは散策する気力も薄れてしまい、四条通の店舗から漏れ出てくる冷房の冷気にのみ救いを感じつつ、大丸で確かアルプスの少女ハイジ展がやっていたのだけれども、展示会場はアルプス並みに涼しいのだろうかと思ったり。

 牡蠣を食べよう。唐突に思いましたのは大丸さんの裏口が錦市場、そのアーケード街の入り口となっていて、そこから入った直ぐのところに大安さんがあるのです、大丸のすぐ裏に大安、なんかこう書くと分かりやすいですよね、云わずと知れた牡蠣の名店だ。

 ハイボールを、まず暑気払いに注文して。牡蠣と同時に注文したのですがキンキンに冷えたステンレスタンブラーに注がれたウィスキーの炭酸割がばちばち爆ぜる音と実際酒精の飛沫を目に見える形でカウンターに載せられまして、さっそく冷涼感がこちらへ。

 みよ堂々の清涼感、神州侵すあの醜雲に挑むわれらが決戦機、とハイボールだ。そうこの蒸し暑さは雲が太陽光の熱だけを届け湿気は逃がさない事で生じているわけで、こういうときはもう冷たいものを頂いて栄養をつけるしかない、呑むしかないですう。

 生牡蠣が運ばれてきました。大安さんのありがたいのは、入り口から先ず手の洗浄をというところを一丁目一番地に徹底した衛生管理とともに牡蠣を供するものですから、ここの牡蠣ならばアタらないという安心感とともにアタりを気にせず純粋に楽しめる。

 三点盛の牡蠣は兵庫県産と岩手県産に宮城県産がならんでいる。と、まあこう切れに並んでくれますと、どこから頂こうかと思うのですけれども、全部一緒だろうなんて言うのは都市伝説なのだと、並ぶ下記の貝殻が前部形状の違うところに気づかされて。

 岩牡蠣の季節であり、あれは三年ものだからこれよりも非常に大きくまた値段も張るのですが、一年ものの真牡蠣でも産地によってこれだけ違うのだなあ、と身の厚みと身の広がり方で、確かに口に含んだ時の旨みやその噛み応えは変わってくるものなのだ。

 カキフライさんの登場です。けいおん!原作者のかきふらい先生とは無関係なのですが、ハイボールをすすりながら生牡蠣だけというのも味気ないので、熱い季節だけれども熱々を注文したしだい。ただ、いきなり一粒頬張ったら、すんげえ暑かったとです。

 フライはまずはダイレクトに、そのままの味を、ふうふうしながら二口目はタルタルソースを絡めて。そして次の粒からはレモンをひと絞り加えて酸味の果実感で引き立てて一口、そしてさてタルタルソースをどうするか考えつつまたハイボールを一口啜る。

 真牡蠣はその合間合間に。旬というのは真冬でいまは岩牡蠣が旬のほう、けれども口の中で弾ける旨みは大きな岩牡蠣の切り身、あれも好きなんだけれど、岩牡蠣ではなく一つと一口が同義の、滋味っていうものはこういうものを示すんだ、というのも好き。

 大安さん。観光地化している錦市場にあって、確かに観光地なのかもしれないけれども、昼下がりのランチタイム以外でもこうして牡蠣でいっぱいやれるお店、というのは観光地故なのかなあ、と思うのです。やはり夏でも牡蠣はたべたいものなのですよ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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ウクライナ空軍F-16戦闘機実戦投入の可能性,第一陣6機取得と年内20機配備計画

2024-08-12 07:00:33 | 防衛・安全保障
■F-16戦闘機6機
 クルスク逆攻撃とともに北部戦線が形成される現状において。

 ウクライナ空軍のF-16戦闘機実戦投入は各国が想定するよりも早いのではないか。7月31日に第一陣となる6機のF-16戦闘機がウクライナ国内へ配備、アメリカ政府は7月中に供与を行うという約束を果たしたとしました。一方で、ウクライナのゼレンスキー大統領は、戦況を覆すには130機のF-16が必要であるとし、欧米からの供与数は最大で90機とも。

 F-16戦闘機6機、2024年内に20機が引き渡されるという。故に6機だけではまともな作戦に投入できないであろうから、実戦投入はもう少し先になるだろうという分析が大勢となっています。ただ、ウクライナ軍は、ATACMS陸軍戦術ミサイルやストームシャドウ巡航ミサイルにHIMARS高機動ロケットシステムなど、供与後即座に実戦投入することが。

 6機であっても、操縦士に余裕があれば24時間で5ソーティーなど、要するに機体を酷使する事で出撃回数を増大させる事は可能で、見方を変えれば過度な運用による整備頻度が高まった場合でも、今ならばNATOのデポに送り重整備を受ける事も可能で、いわば、手元のF-16は少ないのだけれども受けられる後方支援の幅はあついということがいえて。

 F-16戦闘機は、何を搭載するかで性能が大幅に変わる航空機で、例えばAMRAAM空対空ミサイルについても、初期型であれば射程は30km程度ですが改良型は180kmと非常に長く、更に延伸したものも開発中であり、この機体が運用されている、という事自体が第4世代戦闘機と第4.5世代戦闘機主体のロシア空軍には協力で巨大な抑止力としてはたらく。

 実戦投入が近い可能性をもう一つ上げますと、戦闘機は地上に置いておくよりも飛行させておく方が基地そのものがミサイル攻撃を受けた際に安全であるという事です。昨今ウクライナ空軍は地対空ミサイル不足からロシアの無人偵察機により戦闘機が地上に展開している位置を把握され、イスカンデルミサイルによる攻撃を受ける事例が散見されている。

 NATOの支援により運用を維持できるため、途上国が6機手に入れた段階とは異次元のポテンシャルを有しているといえるでしょう。そして何より、もし運用し損耗した場合でも、損耗したからこその代替が必要と支援を要請する事も出来る。基本設計は1970年代のF-16戦闘機ですが、少数のほゆうであっても意外な活躍を見せる可能性は十分あるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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