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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-ウクライナ軍迎撃能力低下とエストニア軍をウクライナ領内後方支援検討

2024-05-23 07:01:45 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 防空リソースはどれだけ備蓄しても結局は不足するのですが例えば輸出などを念頭に量産能力を確立するなど選択肢は幾つかあるのです。

 ウクライナ軍防空能力低下が顕著であるとISWアメリカ戦争研究所が5月13日付戦況分析において概況を発表しました。ISWは過去半年でのロシア軍ミサイル攻撃に対する迎撃率が46%と、それ以前の半年間の73%という迎撃率に対して迎撃失敗がふえていることを13日付ウォールストリートジャーナル紙が報道した内容を紹介しました。

 迎撃能力低下はミサイル不足とロシア側の攻撃時機の複雑化や攻撃頻度の増大によるもので、特にこの一ヶ月の迎撃成功は30%まで低下していて、対してロシア軍のミサイル攻撃は増加傾向にあり、過去半年でのロシア軍攻撃は45%増大、特にシャヘド無人機など自爆用無人機による攻撃は二倍に増加していると発表しています。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 この段階まで話は進んだのか。

 エストニア軍の一部をウクライナ領内での後方支援にあてることを検討している、これはISWアメリカ戦争研究所の5月13日付報告に専門誌ブレイキングディフェンスの取材を紹介したもので、同誌のエストニア大統領国家安全保障顧問であるロール氏への取材として、ウクライナへのエストニア軍派遣を"真剣に"検討と発言しました。

 エストニア軍の派遣地域はウクライナ西部を想定していて、ウクライナ軍による西部地域での非戦闘任務のいちぶをエストニア軍がになうことで、ウクライナ軍が前線に戦力を集中できるよう考えているという。この点についてエストニアのシモンテ首相も5月8日にウクライナ軍後方支援の訓練開始を許可したと発言しています。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 この復興は大変だ。

 ウクライナは文化財1062カ所が攻撃の被害を受けた、イギリス国防省ウクライナ戦況報告5月15日付発表として文化財や文化施設への被害状況の概算などを示しました。これによれば文化施設1987カ所、文化財1062カ所、宗教施設129カ所が被害を受けている。これは15日がユネスコ武力紛争時文化財保護条約採択70周年であるため。

 ロシア軍によるウクライナ文化遺産への攻撃は、航空攻撃、なかでも爆発威力の大きな滑空爆弾による都市攻撃が後半に行われているためで爆撃を受けている地域では文化財が壊滅的な被害を受けており、その修復には90億ドルの費用と10年間の期間を要すると見積もっていて、戦争が長期化するほどロシア軍は文化財破壊を継続する。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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