北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

岸田総理-次期自民党総裁不出馬意思表明,崩壊危機防衛力に防衛費GDP2%拡充と反撃能力整備で再建目処

2024-08-15 07:00:38 | 国際・政治
■次期総理への希望
 本日は終戦記念日、昨日は巨大地震注意に相次ぐ台風接近と新幹線計画運休発表などさまざまな出来事が有りましたがいちばんの話題は。

 岸田総理大臣は14日、みずからが次の自民党総裁選に出馬しない方針を発表しました。これは派閥パーティーのパーティー券収入還付金を政治資金規正法に基づく記載を行わなかった一部派閥議員による問題を受け、自民党内の派閥解消など大きな転換点を担いましたが、これがひと段落ついたとして、9月の総裁選に出馬せず後人に譲る方針を示しました。

 岸田政権の2021年からの政策は多岐に上りますが、安全保障を主題として、最近はグルメが多いけれど、取り扱う北大路機関としては、岸田政権最大の転換点は長年防衛政策を大きく制約していた防衛費GDP1%枠を超えて、GDP2%へと大きくその自由度を高めた事と、防衛力整備について、中期防衛力整備計画を越え、防衛力整備計画へ回帰した事でしょう。

 防衛力については、ミサイル防衛という巨額の防衛費を必要とする防衛力整備事業を防衛費の枠そのものを増額せず、今年だけは我慢してくれという緊縮政策を21年間も継続したため、防衛力全体が危機的な程に形骸化していたものを、若干遅きに失した印象はぬぐえないものの実戦で問題を突き付けられる前に増額に転じたことは大きな成果といえます。

 反撃能力整備として、これは北大路機関としては内閣の1政策ではなく憲法改正を踏まえて正当性と正統性を確保した上で執り行うべきとも思うのですが、中国大陸内陸部まで届く数千kmの射程を有するミサイルを導入する反撃能力整備が明記され、有事の際に一方的に国民の生命財産を攻撃に曝される状況へ、報復的抑止力という選択肢を加えたかたち。

 自民党総裁選は9月に予定され、これには8月末の来年度予算概算要求など、政治に求められる重要な日程も踏まえなければなりません。他方で、次の自民党総裁、いや、日本の総理大臣に求めたいのは、21年間ものミサイル防衛により大きく形骸化した日本御防衛力を、再建させず崩壊させるような選択肢、予算削減、だけは行わないよう望みたいのです。

 防衛力の再建は、撤退しかけている防衛産業の繋ぎ留め、隊員募集や教育体系、低下している装備品稼働率、これら複数の問題に絡み続けており、これが一旦崩壊しますと、再建には海外製装備品と海外防衛産業依存の稼働率、人件費拡大の是認か別の人的資材確保の手段などを選ばねばならず、一時的な予算節約は数年後の膨大な代償を強いられるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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