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駒門駐屯地創設50周年記念行事(2010.04.04) 詳報:記念式典

2011-02-09 23:28:30 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆駒門駐屯地祭2010特集①

 陸上自衛隊駒門駐屯地は、静岡県の富士山に程近い駐屯地で、陸幕直轄部隊や第1師団の重火力部隊、教育部隊等が駐屯する駐屯地です。

Img_380_8  駒門駐屯地は2010年4月4日、創設から50周年を迎えました。昨年に撮影した写真ですが、今回から何度かに分けて駒門駐屯地祭の様子を紹介したいと思います。もう暫くすれば駒門駐屯地祭2011の時期になりますから、駒門駐屯地祭はどんな所か足を運ばれる、その際の参考にでもなれば幸い。

Img_3745  駒門駐屯地祭、しかしなぜ今?と思われるかもしれませんが、なんといいますか速報記事を紹介してから詳報を載せていない記事が結構あるのですよね。しかし写真のように仮免教習中の車まで並ぶ(違)程の行事を紹介せずそのまま当方だけが保存、というのも見せてくださった駐屯地の方に申し訳ないので、掲載、ということに。忘れていた訳では無いですよ、多分。

Img_3769  当方一行、東名高速を駒門で降りまして駒門駐屯地へ、一瞬だけ高速道路の車窓からも見える駐屯地なのですが上の写真にあるように駒門駐屯地を正門から入りました。案内に辿って車で進みますと、そのまま裏門へ。なんだ帰れという事!?と思いきや、裏門のところに駐車場があったのですね。教習場を利用した駐車場、S字カーブとか指定されないかとひやひやしましたが、縦列駐車練習場に駐車。駐屯地へ足を運びます。

Img_3764  装備品展示会場を抜けて式典会場に向かうのですが、この写真、プレートには“74式戦車”、とあるのに何も見えません。隣の96式装輪装甲車は見えるのに、・・・、まさかBAEが開発中という高額迷彩を技本が一足先に実用化か!?、それともバカには見えない戦車なのか!?!?、なぞはこの時点では解けませんでしたが、これはのちほど。

Img_3770  そんなこんなでウロウロしていますと、式典会場に向かう部隊が進んでゆきます。実はこの日、初めて駒門駐屯地祭を撮影するということで、駐屯地の中というのは分からない状況だったのですが、90年代の初めころに行った事のある方々と同行させてもらったので、とりあえず会場に進んで全体の地形を把握しよう、ということになりました。

Img_3777  駒門駐屯地の会場に到着。撮影しにくい駐屯地だ、と練馬駐屯地や武山駐屯地等で多くの方々からお教え頂いていたのですが、なるほど、けっこう手狭なのですね。それもそのはず、装甲車の背後に並ぶ戦車の訓練は近くの東富士演習場で行うので、広大である必然性はないのだ、ということなのでしょうね。

Img_3774  ここまでは楽しみにしていた駒門駐屯地祭なのですが、まさか、・・・、あんなことになるとは・・・、この時は、おもってもみなかったのです。・・・、とまあ意味深な事を書いてみたりします。会場にはそれなりの装備が、軽装甲機動車の背景には74式戦車の車列がみえまして、駐屯地と教習場の途上に見えるモータープールにも戦車が溢れていました、が、です。

Img_3804  写真とこれまでの文章でお気づきかもしれませんが、この駒門駐屯地、第1師団の駐屯地だと思っていたのですよね。しかし、御存知の方は多いでしょうけれども第1機甲教育隊が駐屯していまして、これが思いのほか大規模で、しかも国際活動教育隊が駐屯している、教育重視の駐屯地だった訳です。まさかこんなことになっていたとは、思いもしませんでした。

Img_3787  第1音楽隊が会場に入場してゆきます。その背景には90式戦車回収車。90式戦車は74式戦車よりも12㌧も重いので38㌧の74式戦車を故障時に改修する78式戦車回収車では支援が出来ない事もあり、90式戦車回収車が導入されました。つまり90式戦車のいない駐屯地では見れない装備です。

Img_3778  駒門駐屯地に構築された陣地。国際活動教育隊の教育施設とのことで、仮設式のような印象ですが実質的にはここに恒常的に配置されているようです。海外派遣任務が増大した自衛隊にあって野戦や市街戦などの国土防衛戦のみを研究した今日までの訓練体系では応用が利かないのが国際貢献任務、その為の教育と研究を駒門駐屯地で行っているとの事。

Img_3795  式典会場入場へ待機する隊員たち。いよいよ駐屯地祭の始まりですね。ここは狭いので撮影アングルが限られるのです、そろそろこちらも撮影位置を決めなければならないのですが、入場者の数をざっと把握してみますと、経験上なんとかなりそうでした、EOS-40Dはファインダーを覗かずともライブビューア撮影が出来るのです、これで撮影の自由度は広がる広がる。

Img_3805  駒門駐屯地祭2010。音楽隊の演奏とともに式典参加部隊が会場に入場し整列します、式典会場に整列した隊員の背景には陸上自衛隊師団防空の柱、81式短距離地対空誘導弾が見えます。装甲車や戦車も並んでいて、首都防衛の重責を担う第1師団の重装備が揃っているのがみえるでしょうか。

Img_3826  駒門駐屯地に駐屯している部隊は、中央即応集団に所属する国際活動教育隊、第1教育団に所属している第1機甲教育隊、第1師団隷下にある第1戦車大隊、第1高射特科大隊、第1後方支援連隊第2整備大隊戦車直接支援隊、同高射直接支援隊、第1施設団第4施設群所属の第364施設中隊、及び支援部隊と駐屯地業務等を行う部隊です。

Img_3827  第1機甲教育隊は武山駐屯地の第1教育団に所属していますが、第1教育団が今年度末、というとあと一ヶ月ちょっとなのですが改編され、第1教育団から即応予備自衛官の教育訓練等を加えた東部方面混成団となりますから、次の駒門駐屯地祭では、第1機甲教育隊の所属は変わっている事でしょう。

Img_3838  秋葉駐屯地司令の登壇に合わせ整列した部隊が敬礼を行います。部隊旗の敬礼で同時に多数の旗が振り下ろされる瞬間を狙ってみました。聞くところでは、ここでシャッターをバチバチきるのか、模擬戦だけを見に来るのかで、軍ヲタか否かが分かる、と第3陸曹教育隊のカメラマンの方が仰っていました。

Img_3847  秋葉瑞穂駐屯地司令が部隊巡閲を行います。秋葉瑞穂1佐は国際活動教育隊長兼ねて駒門駐屯地司令を務められている方で、東部方面隊の第1師団ではなく、国際活動教育隊、つまり防衛大臣直轄部隊である中央即応集団隷下の部隊長の方が駒門駐屯地司令を務めているのですね。

Img_3857  秋葉司令からの巡閲を受ける式典参加部隊。さて、冒頭に駒門駐屯地祭は撮影が難しい、と記載しましたが駐屯地の広さ以外にもう一つあります。それはこの写真を見るとよくわかるのですが、招待者席の位置ですね。式典を撮影できる場所は全て招待者席が数列確保されていて、広角で撮るとどうしても招待者の頭上が写ってしまうのです。全員識別帽でも農協の帽子でも被ってくれると絵になるのですが、これも駒門駐屯地祭“らしさ”なのでしょう。

Img_3865  訓示を行う秋葉司令。国際貢献任務が増大し、陸上自衛隊は従来の冷戦時代に想定した運用から世界の自衛隊へと新しい一歩を責任とともに歩み出している中、一層の隊員の努力と向上心を求め、地域地元との連携とともに首都防衛を担う第1師団の教育訓練を重ね更に精強である部隊を錬成する事を求める、このように訓示されました。

Img_3873  秋葉瑞穂司令に対し敬礼!。訓示を聞きつつやはり思ったのですが、ここ十年間で自衛隊は物凄く変わりましたね。2011年の今年は9.11から十年にあたるのですが、まさか自衛隊がイラクに行くとは当時思いもよりませんでしたし、安全保障情勢全般も西方の脅威増大や北方の脅威再建、そして国際貢献任務の激増、変わるものです十年で。

Img_3884  駒門駐屯地創設50周年記念行事ということで、民主党の代議士、この時点で与党ですが、の方も何人か訓示、偉い方もいらしていたようですが、ちょっと上記のとおり考え事をしていましたので、内容は記憶に残りませんでした。成程!、と頷かせられるような、しっかりとした祝辞でしたら強烈に印象に残るのですが、ね。

Img_3887  祝辞の撮影も、できれば正面から撮影して雰囲気を紹介したかったのですが、先にも記したとおり撮影することのできる場所が限られていました。この場所では、観閲行進も撮影が難しいのかな、と思い始めまして、なんでも招待席越しにライブビューアで片手伸ばし撮影に限定されてしまいそうでしたから、ね。そこで撮影位置を変えることに。

Img_3892  駐屯地からはJR御殿場線が見えます、小田急の特急あさぎり号も見えたのですが、明野のように駐屯地外から撮影する事は出来なさそう、そこで、式典会場と装備品展示会場に向かう途中の、一般開放されている地区の端に足を進めました。自販機があったので補給するのが目的ですが、ここがアングルとして良さそうにみえたので、陣地転換。

Img_3899  観閲行進の隊形を取れ!、記念行事が終了し、いよいよ駒門駐屯地祭は観閲行進へと進んでゆきます。式典会場に整列した部隊はそのまま観閲行進に参加する車両の待機場所へと移動を開始します。暫くするとエンジンの始動音が聞こえ始め、こちらもカメラを再度構えて来るだろう次の展開を待つという状況。

Img_3907  式典会場に展開していた車両が観閲行進の停車位置へと移動を開始、ここから駒門駐屯地祭観閲行進へと移るのですが、戦車や各種ミサイル、装甲車が映える観閲行進の様子は次回に紹介したいと思います。駒門駐屯地創設50周年記念行事詳報:観閲行進、次回をお楽しみに!。

HARUNA

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1 コメント

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以前駒門駐屯地司令は第1機甲教育隊長が兼務してい... (通りすがり(元))
2011-02-15 22:22:30
以前駒門駐屯地司令は第1機甲教育隊長が兼務していましたが、国活教隊長が兼ねるようになりました。

理由は1佐(二)の国活教隊長と1佐(三)の機甲教育隊長では序列は国活教隊長が上だからです。


北富士駐屯地や宇都宮駐屯地では序列でなく別の理由で司令職は下位の方が兼務になりますね。
北富士の場合は1特長の1佐(二)と部隊訓練評価隊長の1佐(一ないし二)では後者が序列の上位ですが、特科部隊の駐屯地であった兼ね合い、宇都宮駐屯地は春から12特科隊長(1佐(三))が司令を兼ねますが、もし中即連隊長(1佐二)が兼ねてしまうと国際派遣となった際に司令職務代理の事例を出さなければならない絡みもあるらしいです。

部隊長同士でも色々とあるみたいですよ
上富良野駐屯地なんて良い例だそうです
序列上のアレが
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